PRESSRELEASE プレスリリース

第20116号

抗ウイルス素材の国内市場の調査結果
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて急拡大
―2020年見込(2019年比)―
■抗ウイルス素材の国内市場 136億円(52.8%増)
~建材・インテリア、医療・寝装品、衛生用品などで幅広く需要が増える~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、2020年に入り様々な用途で需要が増加している、非医薬品系の抗ウイルス素材の国内市場を調査した。その結果を「With/Afterコロナ時代の到来で注目される抗ウイルス素材の最新情勢」にまとめた。

この調査では、効果持続性のある抗ウイルス素材として、無機系金属化合物抗ウイルス素材、光触媒、有機系抗ウイルス素材、抗ウイルス加工繊維の4分野と、それぞれの応用・関連製品の市場について現状を把握し、With/Afterコロナ時代を見据えた今後を予想した。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機に、抗ウイルス作用を持つ機能素材への注目が高まっている。新型コロナウイルス感染症対策として、生活空間での感染のリスク低減が重視されていることにより、抗ウイルス作用を有する素材やその応用・関連製品の需要が急増している。

◆調査結果の概要

■抗ウイルス素材の国内市場

 

2019年

2020年見込

2019年比

全体

89億円 

136億円 

152.8% 

 

無機系金属化合物抗ウイルス素材

43億円 

60億円 

139.5% 

 

有機系抗ウイルス素材

11億円 

21億円 

190.9% 

※無機系金属化合物抗ウイルス素材、有機系抗ウイルス素材は全体の内数

抗ウイルス素材を銅銀系の無機系金属化合物抗ウイルス素材、光触媒、有機系抗ウイルス素材(有機系の合成抗菌剤、界面活性剤、天然物系)、抗ウイルス加工繊維の4分野で捉えた。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により各分野が大きく伸び、市場は2019年比52.8%増が見込まれる。2021年は2019年比2倍に近い172億円が予測される。

需要規模の大きい無機系金属化合物抗ウイルス素材は、抗菌素材として広く採用されてきたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、抗ウイルス素材として各用途で採用が増えている。

衛生用品ではマスクやフェイスシールド、効果持続型のスプレー剤、防護服などで需要が増加し、建材・インテリアでは床材や、手指に接触するドアノブや手すり、テーブル天板などで伸びている。家電ではスマートフォンやタブレット画面の保護フィルムなどで需要が急増している。また、不織布や樹脂、フィルム、紙、液体などへの加工が可能なため、印刷物用の抗ウイルス加工製品をはじめ新たな需要が創出されるなど、今後の用途の広がりが期待される。

有機系抗ウイルス素材は、抗ウイルス作用を有する各種製剤の合成抗菌剤のほか、第4級アンモニウム塩をはじめとした界面活性剤、漆喰などの天然物系が展開されている。新型コロナウイルスを含む様々なウイルスを対象とした抗ウイルス性試験の実施により、エビデンスを強化する動きが活発である。

2019年までは衣料・寝装品での需要が大半を占めていたが、衛生用品や建材・インテリアで増加している。特に効果持続型のスプレー剤などの衛生用品で増えている。また、2020年5月に製品評価技術基盤機構(NITE)から新型コロナウイルスに有効な界面活性剤の成分名が公表されたことにより、それらを採用した衛生用品の需要増加につながっている。

抗ウイルス加工繊維の需要は、新型コロナウイルス感染症の流行までは小規模であったが、2020年に入り急増しており、市場は2019年比8.5倍の17億円が見込まれる。

従来はマスクをはじめとした衛生用品や医療・介護用ユニフォームなどでの採用が中心であったが、2020年は衣料・寝装品で増加している。抗ウイルス成分の繊維への定着性や洗濯耐久性の向上など改良が進んでおりインナーや肌着、婦人服、紳士服、子供服、カジュアル衣料品などへの採用拡大が期待される。

光触媒は、建造物の外装材に塗装する紫外光応答型の需要が大半であったが、2020年に入り内装材で使用される可視光応答型の需要が増えている。内装材では光触媒による防汚性に加えて、抗菌・抗ウイルス性が期待され、今後は病院や介護施設を中心に一般家庭でも採用が進むとみられる。

■抗ウイルス素材 応用・関連製品の国内市場

2019年

2020年見込

2019年比

2,257億円

3,375億円

149.5%

抗ウイルス素材を二次加工した部材および最終製品の合算市場を捉えた。特に無機系金属化合物抗ウイルス素材と有機系抗ウイルス素材は応用範囲が広いため、衛生用品や衣料品、建材、生活雑貨品など広範囲な製品に抗ウイルスの特需効果が及ぶとみられる。

◆調査対象

抗ウイルス素材

・無機系金属化合物抗ウイルス素材

・有機系抗ウイルス素材

・光触媒

・抗ウイルス加工繊維


2020/11/06
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