PRESSRELEASE プレスリリース
コネクテッド/自動運転対応モビリティ4,934万台 電動化モビリティ9,061万台
CASE関連デバイス市場は31.2兆円(2035年予測)
■空飛ぶクルマ・フライングカー 10,480台 21年に市場が立ち上がり拡大
■大型船舶 EV船は200隻、ハイブリッド式も含め電動化は960隻と半数超
■建設機械 コネクテッド/自動運転対応は105万台、運転支援タイプが主流に
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、自動車に続いて進展が期待される、陸海空の様々なモビリティのCASEの動向を調査した。その結果を「陸海空モビリティにおけるCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング&サービス・電動化)動向の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、フォークリフトやゴルフカートといった陸用モビリティ12品目、船舶など海用モビリティ3品目、航空機をはじめとした空用モビリティ3品目、計18品目のモビリティのコネクテッド/自動運転対応、電動化の進展状況に加え、それらに搭載される関連のデバイス市場、シェアリング&サービスの概要などを調査・分析した。
◆調査結果の概要
●コネクテッド/自動運転対応モビリティの世界市場
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
陸用モビリティ |
191万台 |
100.5% |
3,802万台 |
20.0倍 |
|
海用モビリティ |
0.2万台 |
66.7% |
0.3万台 |
100.0% |
|
空用モビリティ |
440万台 |
104.8% |
1,131万台 |
2.7倍 |
|
合 計 |
631万台 |
103.4% |
4,934万台 |
8.1倍 |
※市場データは四捨五入している
陸用モビリティでは、フォークリフトなど産業車両は効率化や人員削減などのコスト低減を目的に、シニアカーなどパーソナルモビリティは移動手段として利便性の向上などを目的に、自動化が進んでいる。現状は運転支援などが多いものの、完全自動化に向けた動きも進んでいくとみられ、コネクテッド/自動運転対応率は2020年の1%から2035年には27%まで上昇すると予想される。
海用モビリティの船舶や空用モビリティは、ある程度自動化は進んでいるが、有人運転による自動化が主流であり、今後自動運転の高度化により無人運転が進展していくとみられる。
●電動化モビリティの世界市場
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
陸用モビリティ |
4,645万台 |
120.9% |
7,884万台 |
2.1倍 |
|
海用モビリティ |
10万台 |
83.3% |
46万台 |
3.8倍 |
|
空用モビリティ |
440万台 |
104.8% |
1,130万台 |
2.7倍 |
|
合 計 |
5,095万台 |
119.2% |
9,061万台 |
2.1倍 |
※市場データは四捨五入している
陸用モビリティは屋内で使用するフロアマシンなどB2Bサービス機械やパーソナルモビリティは進んでいるが、産業車両はディーゼルエンジンが主流のものが多い。中期的にはハイブリッド式の普及が進み、蓄電デバイスのコスト低下などにより完全電動式も普及していくとみられる。電動化率は2020年の34%から2035年には55%まで上昇する予想される。
海用モビリティは排ガス規制の強化などからEV船の関心が高く、運航距離によってハイブリッド式と完全電動式が使い分けられることで、電動化率は2020年の14%から2035年には32%まで上昇すると予想される。
空用モビリティは、産業用ドローンが大部分を占めるため、電動化率は非常に高くなっている。空飛ぶクルマ・フライングカーの登場や運行距離の長距離化などにより、ハイブリッド式と完全電動式の使い分けが進むとみられる。
●陸海空モビリティにおけるCASE関連デバイス市場
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
コネクテッド/ 自動運転対応 |
5兆5,720億円 |
68.5% |
25兆2,907億円 |
3.1倍 |
|
電動化 |
1兆3,261億円 |
105.0% |
5兆8,601億円 |
4.6倍 |
|
合 計 |
6兆8,982億円 |
73.4% |
31兆1,508億円 |
3.3倍 |
※市場データは四捨五入している
コネクテッド/自動運転対応、電動化に関連するデバイスの市場は、対応製品の増加により拡大していくとみられる。コネクテッド/自動運転対応関連市場では、LiDARやカメラ、各種センサーなどセンシング系の規模が最も大きく半数近くを占める。電動化関連市場では、リチウムイオン電池の比率が最も高く、2035年には8割以上を占めるとみられる。
◆注目市場
■空飛ぶクルマ・フライングカー(eVTOLなど)
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
― |
― |
10,480台 |
― |
2021年に中国で市場が立ち上がるとみられ、2023年頃には日本、欧州、北米も続くと予想される。短期的には、災害支援や遊覧飛行などでのヘリコプターの代替、中期的には地方における人員輸送や物流輸送、長期的には都市部におけるエアタクシーなどのオンデマンド運航やオンデマンド物流などで活用が期待される。
基本的にコネクテッド/自動運転対応となり、安全上の観点から有人運転となるが、中長期的には、物流輸送では無人運転も採用されるとみられる。また、電動化については、完全電動式が先行するものの、短期的には輸送距離100km以上の場合ではハイブリッド式が主流になると想定される。中長期的には、蓄電デバイスのコスト低下やエネルギー密度の向上により、輸送距離100km以上でも完全電動式の採用が増えていき、2035年には完全電動式が7割弱、ハイブリッド式が3割強を占めるとみられる。
■大型船舶
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
|
全体 |
1,600隻 |
92.5% |
1,810隻 |
104.6% |
|
|
|
電動化 |
35隻 |
38.9% |
960隻 |
10.7倍 |
※電動化は全体の内数
大型船舶は100総トン(国際総トン)以上の商業船舶を対象とする。排ガス規制対策に伴う船舶の買い替えなどが期待されるものの、船舶自体の耐用年数が伸びていることもあり、新規竣工件数は減少している。
コネクテッド/自動運転対応については、ジャイロセンサーや操舵装置などを組み合わせたオートパイロットシステムが基本的に導入されており、自動運転に対応している。船員不足解消や負担軽減、運行状況効率化などを目的に、自動運転の高度化に向けた開発が続けられており、長期的には運転者不在の完全自動運転へ移行するとみられる。
電動化については、欧州の北海・バルト海など排ガス規制が厳しい近海運航や、電動化による採算性が確立しやすい定期内航船で進展している。EV船は運航距離が短いものが多く、長距離運航の場合はハイブリッド式が先行するとみられる。2035年には蓄電デバイスのコスト低下に伴い電動化率も50%以上となり、ハイブリッド式が主流となるものの、EV船も200隻まで増加するとみられる。
■建設機械
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
|
全体 |
87万台 |
95.6% |
139万台 |
152.7% |
|
|
|
コネクテッド/ 自動運転対応 |
4万台 |
133.3% |
105万台 |
35.0倍 |
|
|
電動化 |
2万台 |
100.0% |
122万台 |
61.0倍 |
※コネクテッド/自動運転対応、電動化は全体の内数
油圧ショベル、ミニショベル、ブルドーザー、ホイールローダーを対象とする。
市場は、中国や新興国の経済成長による設備投資の増加により拡大している。2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響により、世界的に需要は減少しているが、中国では早くも設備投資が回復しており、市場は前年比4.4%減にとどまるとみられる。
近年、建設業界の人材不足の解消を目的とした効率化や安全性向上を背景に、建設機械の自動運転化に取り組むメーカーが増えている。また、排ガス/騒音といった各種規制や燃費向上に対応するため、ハイブリッド式や完全電動式など電動化建設機械の開発が進んでいる。
コネクテッド/自動運転対応については、人が搭乗した上で操縦しADASなどが運転を支援するタイプが増加しており、コネクテッド化することで遠隔から操作を行う無人化も徐々に進んでいる。2035年にはコネクテッド/自動運転対応は100万台以上を占めるとみられ、ADASなどを搭載した運転支援タイプが主流になるとみられる。長期的には自動運転レベルの向上により完全自動運転が可能になるとみられる。
電動化については、現状ではディーゼルエンジンで駆動するタイプが多いが、燃費削減などを目的にハイブリッド式のラインアップ拡充や完全電動式の開発が進められている。現時点では電動化は全体の2%程度であるが、欧州や中国など排ガス規制が強化されるエリアを中心に、ハイブリッド式の需要が増加するとみられる。また、欧州では完全電動式の開発も進んでおり、ミニショベルのような小型機から製品化されている。大型機は長時間稼働のためには電池の大容量化が必要となるが、建設現場で電源を確保しにくいなど充電環境の整備も課題であり、長期的にもハイブリッド式が主流になるとみられる。
■フロアマシン(床洗浄機)
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
|
全体 |
40万台 |
83.3% |
81万台 |
168.8% |
|
|
|
コネクテッド/ 自動運転対応 |
0.1万台 |
100.0% |
15万台 |
150.0倍 |
※コネクテッド/自動運転対応は全体の内数
業務用の床洗浄機を対象とする。清掃員が操作する手押し式や搭乗式のほか、自動推進可能で清掃員がハンドル操作などを補助する自走式、無人で稼働する自動式などがある。
市場は、普及が進んだ日欧米の成長率が鈍化しており、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行による生産の落ち込みもあり、縮小するとみられる。一方で、日欧米以外でも公衆衛生意識の向上に加え、清掃の機械化・無人化ニーズもでてきており、長期的には拡大するとみられる。
コネクテッド/自動運転対応については、清掃人員不足の課題解消を目的に日本や欧州、北米で需要が高まっている。さらに、サービスロボットの開発に注力する中国でも自動式が増加していることから、2035年には20%近くがコネクテッド/自動運転対応になるとみられる。
なお、コネクテッド/自動運転対応の進展によるシェアリング&サービスとしては、エレベーターと連動してフロアの移動を可能にするIoTサービス、自動式製品に搭載した紫外線照射装置や殺菌剤噴霧装置などによる空間の除菌/殺菌サービスなどの展開が予想される。
■シニアカー
|
|
2020年見込 |
前年比 |
2035年予測 |
2019年比 |
|
|
全体 |
32万台 |
86.5% |
56万台 |
151.4% |
|
|
|
コネクテッド/ 自動運転対応 |
3万台 |
100.0% |
17万台 |
5.7倍 |
※コネクテッド/自動運転対応は全体の内数
日本の道路交通法では、車両ではなく歩行者とされ、歩道での走行が可能なハンドル式操縦で搭載定員1名の製品を対象とする。
高齢化の進展に伴い高齢者のパーソナルモビリティとしての需要が増加している。特に、自動車運転免許の返納後に自動車からシニアカーへ乗り換えるケースが多い。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などにより縮小したものの、長期的には拡大が予想される。
コネクテッド/自動運転対応については、センサーやLiDARによる障害物探索、自律運転制御など運転支援が可能であり、今後は利便性の向上を目的に様々な機能が追加されていき、2035年には3割近くを占めるとみられる。長期的には完全自動運転タイプの市場形成が期待される。
なお、コネクテッド/自動運転対応の進展によるシェアリング&サービスとしては、搭載するセンシングデバイスを活用した見守りサービスや、完全自動運転タイプの開発による無人運転配車サービス/シェアリングサービスなどの展開が予想される。
◆調査対象
|
陸用モビリティ |
|
|
|
・AGV |
・鉱業機械 |
・ゴルフカート |
|
・フォークリフト |
・鉄道車両 |
・シニアカー |
|
・建設機械 |
・配膳・配達ロボット |
・自動二輪車 |
|
・農業機械 |
・フロアマシン(床洗浄機) |
・自転車 |
|
海用モビリティ |
|
|
|
・大型船舶 |
・小型船舶 |
・船外機 |
|
空用モビリティ |
|
|
|
・航空機(民間旅客機・民間貨物機) |
・空飛ぶクルマ・フライングカー (eVTOLなど) |
・ドローン |
