PRESSRELEASE プレスリリース

第21042号

H・Bフーズの国内市場の調査結果
健康志向食品市場と機能志向食品市場を合算して総括分析
―2020年市場見込(前年比)―
■H・Bフーズの国内市場 2兆4,482億円(0.8%増)
~体調管理需要増で、免疫賦活作用やスポーツサポートが好調~
◆免疫賦活作用 1,676億円(8.6%増)
~体調管理や免疫力向上の重要性が認識され、需要拡大~
◆スポーツサポート  1,088 億円( 10.5%増 ) 
~コロナ太り解消需要を獲得し、プロテインを中心に好調~
◆乳酸菌類  4,326 億円( 10.0%増 ) 
~家庭内需要、免疫向上需要獲得し拡大~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で需要が変化する健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)と機能志向食品(サプリメント)を対象としたH・Bフーズ全体の国内市場を訴求効能別に21カテゴリーに分類し分析した。加えて、上記の21訴求効能軸では捉えきれない注目コンセプトの市場についても捉えた。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 総括・関連市場分析編」にまとめた。

※H・Bフーズ:健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品

◆調査結果の概要

■H・Bフーズの国内市場

2019年

2020年見込

前年比

2兆4,299億円

2兆4,482億円

100.8%

2019年は市場をけん引してきた機能系ヨーグルトがブームの沈静化に伴い伸び悩んだほか、冷夏の影響からドリンク類が苦戦し、サプリメントでも景品表示法違反などで行政処分が続いた酵素商品やフルーツ青汁の落ち込みからダイエットが大幅に減少するなどマイナス要因が見られた。しかし、スポーツ人口の増加によるプロテインブームを背景にスポーツサポートが伸長したほか、エナジードリンクも新商品投入などにより好調が続き、市場は拡大した。

2020年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって、体調管理需要が高まり、乳酸菌関連やビタミン・ミネラル類など免疫関連の訴求成分配合商品が注目を集めて好調なほか、運動不足解消を目的としてプロテイン商品が需要を取り込んでおり、スポーツサポートの好調が続いている。一方で訪日観光客の激減によってインバウンド需要が落ち込んだほか、外出自粛によって量販店を除く店頭チャネルが苦戦、肝機能改善や美容効果の需要が縮小するなどマイナス要因も多くみられ、市場は微増に留まるとみられる。

◆注目市場>

◆免疫賦活作用

2019年

2020年見込

前年比

1,543億円

1,676億円

108.6%

2012年に“R-1乳酸菌入り"ドリンクヨーグルト飲用によるインフルエンザ感染率の低減がメディアで取り上げられ市場は大幅な拡大が続いたが、2017年以降はヨーグルトの伸びが頭打ちとなったことなどから、市場の伸びは鈍化した。

2019年は市場をけん引してきた主要ブランドがマイナスに転じたことで前年割れとなった。

2020年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、体調管理や免疫力向上の重要性が認識され需要が急増した。また、「キリン iMUSE」シリーズ(キリンビバレッジ、キリンホールディングス)が機能性表示食品として初となる“健康な人の免疫機能の維持をサポート"を表示する商品として発売されており、今後の市場拡大に寄与するとみられる。

◆スポーツサポート

2019年

2020年見込

前年比

985億円

1,088億円

110.5%

プロテインやアミノ酸などの摂取を訴求し、スポーツブランドを冠してスポーツシーンで喫食される商品群を対象としている。スポーツ人口の増加や筋トレブーム、また、ダイエットのトレンドが特定成分の摂取や食事の摂取カロリーを抑えるものから、運動しながらボディメイクを行うものへと変化したことから、スポーツサポートの利用が増え市場は拡大を続けている。特にプロテインパウダーは、タンパク質摂取の重要性に対する理解進行と2015年以降のプロテインブームによって、ユーザーがアスリートだけでなく一般消費者にまで広がって大幅な伸びを続けている。

2019年は国内ブランドだけでなく海外ブランドも急増するプロテインパウダーや、プロテインドリンクの「ザバスMILK PROTEIN脂肪0」(明治)の好調によって、市場は拡大した。

2020年は外出自粛や即食需要の減少によってパウチゼリー飲料は減少したものの、在宅中のコロナ太り解消需要を獲得しプロテインパウダーが大きく伸びていることから引き続き市場は拡大するとみられる。

◆乳酸菌類

2019年

2020年見込

前年比

3,934億円

4,326億円

110.0%

2018年はヨーグルトブームや乳酸菌ブームの落ち着きからヨーグルトを中心に不調であったが、「乳酸菌ショコラ」シリーズ(ロッテ)や「善玉菌のチカラ」(フジッコ)、「ボディメンテ ドリンク」(大塚製薬)などヨーグルト以外のカテゴリーにおいて新商品の発売が続いたことで市場は拡大した。

2019年はブームの沈静化に加え、メディア露出の減少などによりヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントの多くが不調となったが、主訴求を“大腸サポート"に変更した「ビヒダス」シリーズ(森永乳業)の好調により、市場は微増となった。

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大から、外出自粛によるヨーグルトの家庭内需要が高まったことに加え、各メディアで乳酸菌・ビフィズス菌と免疫の関係について取り上げられたことが追い風となり市場は大幅に拡大するとみられる。

免疫力を高める機能性が評価されていることから、今後も乳酸菌やビフィズス菌の機能研究は当面続き、新商品も継続的に発売されると考えられるため、市場は拡大が続くと予想される。

◆CBDサプリメント

2019年

2020年見込

前年比

7億円

12億円

171.4%

CBD(カンナビジオール)を主成分として配合し、カプセルやオイル形状のサプリメントに加え、グミなどの明らか食品、リキッドタイプのドリンク類を対象とする。

2017年にWHOがCBDの安全性などに対する認証を発表し、また、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)がCBDを禁止薬物リストから除外したことにより、スポーツ界を中心に世界的に利用が増加している。米国では2018年末に産業用大麻が麻薬指定から除外され、産業用大麻の栽培、種子輸入などが可能となり、現在のグリーンラッシュと呼ばれるブームに至っている。

日本では30~50代の健康意識の高いユーザーや、医療機関などからの推奨で睡眠や肌荒れに深い悩みを持つ人の使用や2019年はメディアに取り上げられる機会も増え、トレンド感度の高い若年層からの支持を獲得したことから、市場は7億円となった。

2020年は、一部商品からTHC(テトラヒドロカンナビノール)が検出され、成分検査に伴う販売の停止期間の発生やTHC検出の発表によるイメージ悪化がマイナス要素となったものの、医療機関(市場集計対象外)での採用が進んでいることや、CBDを取り扱うカフェやレストラン(市場集計対象外)なども登場し、徐々に浸透していることから、市場は拡大するとみられる。

◆1日分の栄養素

2019年

2020年見込

前年比

753億円

806億円

107.0%

“1日分のビタミン"や“1日分のカルシウム"など商品名に1日分の栄養素を配合していることを明記し訴求している商品を対象とする。野菜飲料以外のドリンク類でも“1日分の栄養素"訴求が活発化し、“1日分のマルチビタミン"や“1日分の鉄分"といった1つの商品で栄養素を簡便に摂取できることから需要を獲得し、市場は拡大を続けてきた。

2019年は主力の野菜飲料が砂糖の過剰摂取に対するマイナスイメージから伸び悩んだことに加え、豆乳など“1日分の栄養素"以外の健康訴求商品へ需要が流出したことで、市場は微増に留まった。

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に消費者の健康や栄養補給に対する意識変化が追い風となって、新商品の発売も相次いだことから、市場は拡大するとみられる。

◆調査対象

訴求効能別市場動向

・滋養・強壮

・生活習慣病予防

・覚醒効果

・ホルモンバランス

・肝機能改善

・抗酸化・抗加齢

・貧血予防・改善

ストレス緩和・睡眠サポート

・美容効果

・血行促進

・喉の不快感除去

・グリーンチャージ

・整腸効果

・免疫賦活作用

・オーラルケア

 

・ダイエット

・栄養バランス

・アイケア 

 

・スポーツサポート

・骨・関節・筋肉サポート

・マルチバランス

 

特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品の市場動向

シリーズサプリメント市場動向

H・Bフーズ関連市場動向

・1日分の栄養素

・プレママ・マタニティ

・大人向け粉ミルク

・口臭・体臭ケア

向けサプリメント

・完全栄養食

・キッズサプリメント

・紫外線対策

 

注目コンセプト市場動向

・ヘア・スカルプケア

・CBDサプリメント

・eスポーツフーズ

注目成分市場動向

・乳酸菌類

・アンセリン

形状別市場動向

・粉末飲料

・グミ

・ゼリー

・バー/ブロック

チャネル別市場動向

・通信販売

・薬局・薬店

・CVS

・訪問販売

・量販店

 

主要・注目企業14社


2021/04/12
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