PRESSRELEASE プレスリリース

第21087号

メイクアップ、ボディケアの国内市場を調査
―2021年市場見込(2020年比)―
■メイクアップ    5,008億円(3.6%増)
アイメイク重視のトレンドでアイブロウやマスカラが伸びる
■ボディケア     2,432億円(2.9%増)
高保湿やマスクに色が付きにくいリップクリームの需要が高まる
●マスカラ      412億円(5.4%増)
マスク着用の定着によりアイメイク重視のトレンドが続き、市場拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、マスクの着用が定着したことでアイメイク重視のトレンドとなり、アイブロウやマスカラなど関連商品が好調なメイクアップやボディケアの国内市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2021 No.3」にまとめた。

◆調査結果の概要

■メイクアップ

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

4,834億円

69.9%

5,008億円

103.6%

キーワード:ハイライト、まつげ美容液、マスク着用

近年は、SNSを通じたメイクアップテクニックの紹介からベースメイク・ポイントメイク双方において複数アイテムを使ったメイクアップがトレンドになったほか、SNS映えするアイテムとして外資系プレステージブランドの人気が高まり、市場は拡大してきた。

2020年は、緊急事態宣言の発出に伴う百貨店やバラエティショップなどの臨時休業や、外出自粛によってメイクの機会が減ったことで、需要は減少した。特に、マスク着用によって隠れる唇や頬などに使用するリップカラーやチークカラーへの影響が大きく、市場は前年比30.1%減の4,834億円となった。一方、マスクの着用が定着したことからアイメイク重視のメイクトレンドにシフトしたことで、目元を明るくみせるハイライトやおうち美容の需要を取り込むまつげ美容液など一部のアイテムは好調であった。

2021年は、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、一部の百貨店では緊急事態宣言中も化粧品を生活必需品と位置づけ時短ながらも営業しているほか、ワクチンの接種も7月以降徐々に進んでいるため前年よりは外出機会が増えると予想され、市場は前年比3.6%増の5,008億円が見込まれる。また、アイメイク重視のメイクが前年に続きトレンドとなっていることからアイブロウやマスカラが伸びているほか、マスクに色移りしにくいリップカラーやファンデーションの需要も高まっている。

■ボディケア

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

2,364億円

91.1%

2,432億円

102.9%

キーワード:除毛・脱毛料、バスプロダクツ、ボディクリーム・ローション、ボディシャンプー

2020年は、在宅時間の増加でボディケアに費やす時間が増え、除毛・脱毛料やバスプロダクツが伸びた。また、手洗い機会増加による手荒れケアでボディクリーム・ローションが、体を清潔に保つ意識が向上したことでボディシャンプーがそれぞれ伸長した。しかし、サンタン・サンスクリーンが夏季の野外イベントの中止や外出自粛によって需要が落ち込んだことや、リップクリームがマスク着用の定着によって口元が隠れることから3割近く縮小し、市場は前年比8.9%減の2,364億円となった。

2021年は、ワクチン接種が進み外出機会が増加するとみられることからサンタン・サンスクリーンは回復に向かうと予想される。また、リップクリームではマスクに色が付きにくい薄づきのカラーリップや高保湿などケア効果の高いモイスチャーリップが発売され、プラスに転じることから、市場は前年比2.9%増の2,432億円が見込まれる。

◆注目市場

●アイブロウ【メイクアップ】

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

305億円

82.0%

315億円

103.3%

キーワード:外出機会の減少、マスクメイク

2019年は、1本でパウダーやペンシル、ブラシなど複数機能を持つタイプやパウダーをプレスして固めた形状のパレットタイプが好調だったほか、髪色の多様化に合わせて眉マスカラの需要も増加し、市場は拡大した。

2020年は、商業施設の臨時休業による販売機会の縮小や外出自粛により使用機会が減少し、市場は縮小した。一方、オンライン会議や近場の外出において眉だけはメイクするといった消費者もみられた。

2021年も緊急事態宣言が発出され、一部の都道府県では商業施設の休業がみられるが、消費者の外出機会は増加しており、メーカーがマスクメイクとしてマスク着用時のアイメイクの方法を提案していることなどから、アイブロウメイクの見直しを行う消費者も増えているため、市場は拡大するとみられる。

●マスカラ【メイクアップ】

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

391億円

89.9%

412億円

105.4%

キーワード:アイメイク、ケア意識、SNS、ブラウン系のカラーマスカラ

2019年は、小さいブラシを採用したビューティーマスカラやカラーマスカラの需要が増加したものの、メーカーや小売店ではアイライナーなどほかのアイメイク商品への注力度が高かったことから、市場はわずかに縮小した。

2020年は、多くの商品で商業施設の臨時休業による販売機会の減少や、消費者のメイク機会が減り、需要が減少したため、市場は縮小した。一方、ビューティーマスカラはマスク着用の定着によってアイメイクに重点が置かれたため、大幅な需要減を免れたほか、トリートメントマスカラはケア意識の高まりから需要が増加し、SNS上で話題となるブランドもみられた。

2021年は、前年より商業施設の営業状況が改善されているほか、消費者の外出機会も増加している。また、マスク着用が継続することでアイメイク重視のトレンドが続くとみられる。さらに、ビューティーマスカラではブラウン系をはじめとしたカラーマスカラの使用が増加しており、市場は拡大が予想される。

●ボディシャンプー【ボディケア】

2020年比

2019年比

2021年見込

2020年比

845億円

101.2%

860億円

101.8%

キーワード:機能性訴求、清潔意識の向上、セルフブランドによる付加価値品

2019年は、中国の新EC法施行などでインバウンド需要の落ち込みがみられた。一方、セルフブランドからなで洗いによる汚れの除去や、古い角質や毛穴汚れの除去など付加価値を訴求したアイテムが発売され市場は拡大した。

2020年は、商業施設の臨時休業や営業時間短縮により、百貨店ブランドやライフスタイル提案型ブランドの販売機会が減少し、不調だった。しかし、セルフブランドではメーカーがプレフォームタイプや保湿など機能性訴求に注力し、単価が上昇したほか、新型コロナの影響で清潔意識が高まりボディシャンプーの使用頻度や使用量が増加したことで、市場は拡大した。

2021年は、緊急事態宣言の発出に伴う商業施設の営業時間短縮はあるものの、前年より営業状況が改善されているため、百貨店ブランドやライフスタイル提案型ブランドが回復に向かうとみられる。また、セルフブランドが引き続き高付加価値品に注力していることで、市場は拡大が予想される。

◆調査対象

メイクアップ

メイクアップベース

アイライナー

リップカラー

ファンデーション

アイブロウ

ネイルカラー・ネイルケア

フェイスパウダー

マスカラ

 

アイシャドウ

チークカラー

 

ボディケア

リップクリーム

除毛・脱毛料

ボディクリーム・ローション

サンタン・サンスクリーン

ボディシャンプー

バスプロダクツ


2021/09/09
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