PRESSRELEASE プレスリリース

第22068号

車載ディスプレイやタッチパネルの世界市場を調査
―2026年予測(2021年比)―
■車載ディスプレイパネルの世界市場 12,323百万ドル(123.8%)
表示デバイスとして必須装置となり、自動車1台当たりの搭載数が増加
■非接触タッチパネルの世界市場     13百万ドル(3.3倍)
空中ディスプレイに加え、食品、医薬品の製造現場での採用も増える

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫 03-3241-3470)は、スマートフォンのディスプレイやタッチパネル技術採用が進む車載ディスプレイや、大手スマートフォンメーカーからフォルダブル端末が相次いで投入されるなど新たな動きがみられる各種ディスプレイと構成部材の世界市場を調査した。その結果を「2022 タッチパネル/フレキシブル&車載ディスプレイと構成部材市場の将来展望」にまとめた。

この調査では、車載ディスプレイやプラスチックAMOLED関連のアプリケーション6品目、ディスプレイパネル4品目、操作デバイス10品目に加えて、構成部材21品目の市場の現状を分析し、将来を展望した。また、それぞれのメーカー別、用途別、地域別の動向を整理した。

◆注目市場

●車載ディスプレイパネルの世界市場

2022年予測

2021年比

2026年予測

2021年比

10,453百万ドル

105.0%

12,323百万ドル

123.8%

車載ディスプレイはカーナビやカーオーディオだけでなく、走行に関わる表示機器に必須装備となってきており、需要が増加している。また、搭載が増加しているHUD(ヘッドアップディスプレイ)や電子ミラーの表示デバイスとして自動車1台当たりのディスプレイ数が増えているため、市場拡大が予想される。

先進デザインを積極的に取り入れるEVではディスプレイの搭載数が多いケースもあり、今後は、複数の車載ディスプレイを搭載する自動車が増えることで、2021年から2026年までの年平均成長率は4.4%と高い伸びが期待される。

●車載ディスプレイ用構成部材の世界市場

2022年予測

2021年比

2026年予測

2021年比

629百万ドル

108.1%

868百万ドル

149.1%

2022年は自動車の生産台数が回復し、自動車1台当たりのディスプレイの搭載数が増加するとみられる。また、ディスプレイの大型化により部材使用量が増えているため、市場は拡大が予想される。

フロントガラスにナビゲーションやADAS(先端運転支援システム)のアラートなどを表示するAR HUDの開発が進められており、平面鏡の使用枚数の増加や新形状のミラーの投入が予想される。これらHUD用ミラーをはじめ、新規部材の採用が増えるため、2026年の市場は2021年比49.1%増の868百万ドルが予測される。

●車載ディスプレイ用静電容量式タッチパネル

2022年予測

2021年比

2026年予測

2021年比

1,964百万ドル

114.8%

2,985百万ドル

174.5%

車載ディスプレイに用いられる静電容量式タッチパネルを対象とする。

ナビゲーション情報に加え、オーディオ情報やヒーターコントロールなど複数の情報を表示する車載インフォテイメント(IVI)システムのディスプレイとしてCID(Center Information Display)の普及が進んでいる。CIDには、スマートフォンのような操作感が求められており、それを実現するために静電容量式タッチパネルの採用が増えるとみられ、2022年の市場は1,964百万ドルが予測される。

今後も、CASEやADASの進展に伴う車内の情報化に伴い、CIDの普及がさらに進むことを受けて、市場は拡大すると予想される。また、タッチパネルモジュールの構造として、現在はガラスセンサーを用いたアウトセルが主流であるものの、LCDインセルは薄型化や工程削減が実現でき、ディスプレイパネルメーカーが販売に注力していることもあり、採用が増加している。

●非接触タッチパネル

2022年予測

2021年比

2026年予測

2021年比

6百万ドル

150.0%

13百万ドル

3.3倍

非接触操作が可能である赤外線などを利用したタッチセンサーと、静電容量式の非接触タッチパネルを対象とする。現状、赤外線方式の採用が大部分であり、静電容量式は開発段階である。

2020年と2021年は、新型コロナウイルス感染症の流行により、公共空間などで非接触ニーズが高まったことから、市場は拡大した。空港や商業施設、外食店舗、エレベーターなどで使用されるタッチパネルで導入が進んでおり、2022年も市場は拡大するとみられる。

空中ディスプレイと組み合わせるケースも多く、今後は、空中ディスプレイの伸びに伴って市場が拡大するとみられる。また、公共空間に加えて、衛生管理に敏感な食品や医薬品業界の製造現場向けの展開が期待されており、2026年の市場は2021年比3.3倍が予測される。

●プラスチックAMOLED(フォルダブルディスプレイ)

2022年予測

2021年比

2026年予測

2021年比

2,400百万ドル

156.9%

8,500百万ドル

5.6倍

TFT(Thin Film Transistor)基板にプラスチックを用いたアクティブマトリックス駆動方式有機EL(AMOLED)ディスプレイパネルのうち、折り曲げたり丸めたりして使用する製品を対象とする。スマートフォンでの採用が中心である。

韓国大手スマートフォンメーカーが展開するフォルダブル端末が好調であるほか、複数の中国大手スマートフォンメーカーがフォルダブル端末を発売していることから、2022年の市場は前年比56.9%増の2,400百万ドルが予測される。

スマートフォンメーカーは、スマートフォン市場が成熟する中でフォルダブル端末をフラグシップモデルに位置付け、高付加価値化を図っている。パネルメーカーによる量産化も始まっており、今後フォルダブル端末の製品ラインアップが増えるとみられ、2026年の市場は2021年比5.6倍が予測される。

◆調査対象

アプリケーション

プラスチックAMOLED

・フレキシブルディスプレイ搭載機器

・ローラブルディスプレイ搭載機器

・フォルダブルディスプレイ搭載機器

 

車載ディスプレイ

・車載ディスプレイ

・車載HUD

(CID、メータークラスター、RSE、その他)

・車載電子ミラー

ディスプレイパネル

・プラスチックAMOLED

・プラスチックAMOLED

・車載ディスプレイパネル

(フレキシブルディスプレイ)

(フォルダブルディスプレイ)

・空中ディスプレイ

操作デバイス

タッチパネル

・静電容量式タッチパネル

・プラスチックAMOLED(フォルダブル)用

・プラスチックAMOLED(フレキシブル)用

静電容量式タッチパネル

静電容量式タッチパネル

 

車載HMI(Human Machine Interface)

・車載ディスプレイ用

・車載用ハプティクスデバイス

静電容量式タッチパネル

・車載用ジェスチャーインターフェース

・車載用静電容量式タッチスイッチ

・車載用音声認識

タッチレスデバイス

・非接触タッチパネル

・空中ディスプレイ用ハプティクスデバイス

構成部材

フレキシブル/フォルダブルディスプレイ用構成部材

・TFT基板用PIワニス

・プラスチックAMOLED用円偏光板

(プラスチックAMOLED用)

・プラスチックAMOLED用位相差フィルム

・TFE用シール材料

・フォルダブルディスプレイ用カバーウィンドウ

(プラスチックAMOLED用)

(ガラス/プラスチック)

車載ディスプレイ用構成部材

・車載ディスプレイ用カバーウィンドウ

・車載ディスプレイ用OCA

(ガラス/プラスチック)

・車載ディスプレイ用OCR

・車載ディスプレイ用インサートフィルム

・車載HUD用ミラー

・車載ディスプレイ用反射防止フィルム

・車載用調光ガラス/フィルム

タッチパネル用構成部材

・ITOフィルム

・OCA

・メタルメッシュフィルム/Agナノワイヤフィルム

・OCR

・カバーウィンドウ(ガラス/プラスチック)

 

空中ディスプレイ用構成部材

・ASKA3Dプレート

・パリティミラー

・再帰反射シート

・リップマンホログラムフィルム


2022/06/16
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