PRESSRELEASE プレスリリース
■グリーン電力小売 4兆7,359億円(6.9倍)
RE100加盟企業やSBTi参加企業を中心に需要が増加
■太陽光発電PPAサービス 3,709億円(6.8倍)
地方自治体における中小規模建築物への太陽光発電システム導入義務化などにより拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、RE100への加盟やSBTiへの参加が活発化し、中長期目標の達成に向けて需要家の導入が進むグリーン電力(水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーにより発電された電力)の国内市場を調査した。その結果を「発電~調達~小売に至るグリーン電力市場の全体像・将来予測調査 2025」にまとめた。
この調査では、グリーン電力の小売と太陽光発電PPAサービスを対象にグリーン電力市場の現状を明らかにし、将来を展望した。
◆調査結果の概要
■グリーン電力小売の国内市場
現状は、製造業や小売・流通業などの大企業、地方自治体、官公庁などを中心とした大規模需要家向けである特別高圧電力のグリーン電力小売が5割以上を占める。2024年度の市場は9,032億円が見込まれる。
RE100加盟企業を中心に、2030年度、もしくは2035年度をグリーン電力導入の中間目標として掲げるケースが多く、引き続き普及が進むとみられる。また、多数のSBTi参加企業がSCOPE1+2におけるGHG排出量削減の目標を2030年としているほか、2050年にCO2排出量実質ゼロを表明する自治体も増えていることなどから、高圧/特別高圧電力を中心に市場は大幅な拡大が予想される。
■太陽光発電PPAサービスの国内市場
太陽光発電のPPAモデルとリースの料金を対象とする。PPAモデルはPPA事業者の需要家への売電収入と電力会社への余剰売電収入、リースは太陽光発電システムの利用料金を対象とする。東京都をはじめ、京都府、京都市、群馬県、川崎市などで中小規模建築物の新設・増設時に太陽光発電システムの設置を義務づける制度の導入や導入検討が進んでいるため、2024年度の市場は721億円が見込まれる。
なお、市場は、需要家自身の敷地にPPA事業者が太陽光発電システムを設置するオンサイトPPAと、需要家の敷地外に発電事業者が太陽光発電システムを設置するオフサイトPPAに分けられる。
現在はオンサイトPPAが先行しており、市場の8割強を占める。一方、屋根設置型の案件減少や電気料金の高騰などを背景に、オフサイトPPAも増加している。
中長期的には、中小規模建築物の新設・増設時に太陽光発電システムの設置を義務付ける制度を導入する地方自治体が増加するとみられ、大部分がオンサイトPPAである住宅向けの伸長が予想される。なお、非住宅向けでは、電力料金単価と比較した際のPPAサービス単価の価格優位性が続くため、2020年代半ばまでオンサイトPPAの普及が進むとみられる。その後、オンサイトPPAの適地減少などによって、オフサイトPPAが大きく伸長し、市場拡大に貢献すると予想される。
◆調査対象
グリーン電力小売・低圧電灯
・低圧電力
・高圧
・特別高圧
太陽光発電PPAサービス
・低圧電灯
・低圧電力
・高圧
・特別高圧
太陽光発電PPAサービス
・オンサイトPPA
・オフサイトPPA