PRESSRELEASE プレスリリース

第23033号

家電製品の世界市場を調査
2022年は中国のゼロコロナ政策による生産停滞、景気悪化による販売低迷で苦戦
2024年以降市場は回復に向かい、2027年にはコロナ流行前の規模に
―2022年(前年比)―
■ルームエアコン市場 1億6,602万台(0.7%増)
経済低迷も中国や欧米は猛暑により需要獲得。東南アジアやインドでの普及が進み、市場拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、中国でのゼロコロナ政策により生産が停滞したことで、中国一極集中の生産体制から東南アジアなどへのシフトが加速している家電製品の世界市場を調査した。その結果を「グローバル家電市場総調査 2023」にまとめた。

この調査では、衣住関連8品目、調理関連13品目、空調/給湯関連9品目、美容/健康関連10品目について国・地域別生産・販売動向の現状を分析し将来を予想した。

◆調査結果の概要

●生活家電3品目の世界市場

 

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

ルームエアコン

1億6,602万台

100.7%

1億7,510万台

105.5%

洗濯機/洗濯乾燥機

1億1,514万台

93.8%

1億2,180万台

105.8%

冷蔵庫

1億2,070万台

95.5%

1億2,704万台

105.3%

これまで、人件費の高騰や米中貿易摩擦といった政治的要因を背景に、各メーカーによる脱中国への取り組みが進められていた。2022年に実施された上海ロックダウンなどにより、中国では部材メーカーも含め家電の生産活動が滞ったことで、脱中国への取り組みが一層加速した。コスト優位性に加え、部材供給能力が高まっていることから、東南アジアなどで増産を図る動きがあり、今後も移行は進んでいくとみられる。

2022年は、中国や欧米諸国では景気悪化により個人消費が低迷したが、東南アジアやインドなどで需要は堅調である。景気悪化の影響は2023年頃まで続くとみられるが、それぞれ2024年以降は回復に向かい、生活家電の普及率が低い東南アジアやインドなどでの伸びにより拡大し、2027年には好調であった2019年や2021年の規模まで回復が期待される。

【ルームエアコン】

普及率が低く、経済の回復が進みつつあるインドや東南アジアなどでの需要に加え、経済低迷の中でも中国や欧米での記録的な猛暑により需要獲得が進み、2022年の市場はわずかながら拡大した。今後は、東南アジアやインドなどが市場をけん引していき、拡大を続けるとみられる。

家電の中でも最もインバーター化が進んでおり、販売製品の搭載比率は80%近い。中国では2020年の省エネ規制の見直しにより、ノンインバーター製品の淘汰が進んだ。今後の普及が期待されるインドでも省エネ施策によりインバーター搭載製品の需要は堅調であり、東南アジアでも日系メーカーや韓国系メーカーなどが積極的にラインアップを強化している。また、新興国のローカルメーカーでもインバーター搭載製品を増やしていることから、2027年には搭載率が86%を超えるとみられる。

【洗濯機/洗濯乾燥機】

中国での生産が5割以上を占めている。ゼロコロナ政策の影響を受け、中国で生産を行うメーカーの生産活動や部品調達が停滞したため、計画通りにいかなかったメーカーも多く、2022年の市場は前年比6.2%減となった。

タイプ別には、中国は一槽式とドラム式が拮抗しているが、日本、東南アジアなどでは一槽式が主流であり、北米、欧州・ロシアではドラム式、インドでは二槽式が主流である。また、コロナ禍における給付金施策により2021年にはハイエンド製品が好調だったことから、販売製品のインバーター搭載率が高まっており、2022年には48%となった。

【冷蔵庫】

各国・地域に特化したサイズや機能ニーズがあることや物流コストの関係により、生産地は各地に分散する傾向が強い。

3割以上を占める中国の需要が、ゼロコロナ政策や長引く不動産市場の低迷などの影響を受けたことにより減少したため、市場は縮小した。今後は、普及率が低く、経済の回復が比較的堅調である東南アジアの一部やインドを中心に、市場が拡大していくと予想される。

◆注目市場

●空気清浄機

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

2,204万台

73.9%

2,320万台

105.3%

2022年の市場は、前年比26.1%減となった。部品不足や、サプライチェーンの寸断や停滞による生産・販売への影響は、他の家電製品に比べると少なかったものの、コロナ禍に入った2020年、2021年が感染症対策意識の高まりや給付金などの特需により好調だったため、その反動により縮小した。生産は、8割以上が中国に集中しており、メーカーは徐々に東南アジアへ生産拠点を分散させているが、コストなどの優位性を考慮すると、いずれにしても生産地はアジアに集中するとみられる。

2024年も特需の反動などが少なからず残るとみられ、本格的に市場が回復していくのは2025年以降と予想される。

●ヘアドライヤー

2022年

2021年比

2027年予測

2022年比

1億6,009万台

93.3%

1億7,552万台

109.6%

中国系メーカーによるOEM/ODM生産が多く、9割以上が中国で生産されている。2022年は中国や欧米諸国で需要が低迷しており、市場が縮小した。今後は新興国で需要が高まり、中南米などを中心に生産の現地化が進むとみられ、中長期的に市場は回復に向かうと予想される。

なお、コロナ禍を背景に自宅でのヘアケア需要が高まっており、ハイエンド製品が好調である。BLDCモーターを利用した軽量かつ大風量のヘアドライヤーの需要が増えている。

半導体の供給が滞った時期もみられたが、高度な部材は利用していないことや、ファブレスメーカーが大量に部品を確保していたことなどから、生産やサプライチェーンに大きな支障はみられなかった。

◆調査対象

衣住関連

・洗濯機/洗濯乾燥機

・掃除機

・アルカリイオン整水器

・衣類乾燥機

・ロボット掃除機

・温水洗浄便座

・アイロン

・浄水器

 

調理関連

・冷蔵庫

・ジューサー/ミキサー

・ホームベーカリー

・電子レンジ/電気オーブン

・コーヒーメーカー/

・電気ケトル

レンジ

エスプレッソマシーン

・炊飯器

・IHクッキングヒーター

・フードプロセッサー/

・ワインクーラー

・食器洗浄乾燥機

フードチョッパー

 

・トースター

・ホットプレート

 

空調/給湯関連

・ルームエアコン

・換気扇

・加湿器

・パッケージエアコン/

・扇風機

・シーリングファン

ビルマルチエアコン

・空気清浄機

 

・電気給湯器

・除湿機

 

美容/健康関連

・メンズシェーバー

・ヘアアイロン

・体重計/体組成計

・レディースシェーバー/

・美顔器

・体温計

脱毛器

・電動歯ブラシ

・マッサージチェア

・ヘアドライヤー

・血圧計

 


2023/03/22
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。