マーケット情報


二次電池、一次電池の世界市場を調査

−2018年予測 リチウムイオン二次電池1兆9,080億円 二次電池の3割に−


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2013年11月から2014年1月にかけて二次電池15品目、一次電池8品目、次世代電池4品目の世界市場と開発動向を調査した。 その結果を報告書「2014 電池関連市場実態総調査 上巻」にまとめた。

なお、リチウムイオン二次電池の制御用部品、主要応用製品の市場や電池関連企業の事例、また、一次電池、二次電池の材料市場についても今後順次調査・分析し、「(同)中巻」および「(同)下巻」の報告書にまとめる。

◆注目市場

1.リチウムイオン二次電池の世界市場

2013年
2018年予測
2013年比
世界市場
1兆4,492億円
1兆9,080億円
131.7%

リチウムイオン二次電池は、小型民生向けから自動車向け、電力貯蔵向けまで、大小全てを対象としている。タイプ別、あるいは用途別に「シリンダ型」「角型」「ラミネート型」「車載専用」「ESS/UPS・バックアップ電源用(ESSはEnergy Storage System:電力貯蔵システム)」がある。

「シリンダ型」は、ノートブックPC向けの需要が減少したもののTesla Motors社の電気自動車(EV)向けが増加し、2013年は数量・金額ともに拡大した。ノートブックPC向けは機器自体の需要減少に加え、薄型化が求められる中で「角型」あるいは「ラミネート型」へのシフトが進んでおり、2014年以降「シリンダ型」は一時的に低迷するとみられる。しかし、充電式電動工具向けが好調で、さらにEV向けでの需要増やESSなど新たな需要も期待できることから、再び拡大に転じると予測される。

「角型」は、携帯電話向け(スマートフォン含む)が多い。スマートフォン向けの需要は旺盛であるものの、「ラミネート型」へのシフトにより、2014年以降は縮小が予測される。一方、ノートブックPC向けでは機器の薄型化により「シリンダ型」からのシフトが進んでおり採用の本格化が期待される。

「ラミネート型」は、金属ケースを使用しないことから、軽量化、薄型化が可能となっている。ノートブックPC向けは「シリンダ型」、携帯電話向けは「角型」といった従来の概念が、タブレットやスマートフォンの需要拡大と「ラミネート型」の採用により崩れてきている。また製品面や価格面でも「角型」に匹敵するほどになり、金額ベースでは市場規模はすでに「シリンダ型」「角型」を上回り、今後も順調に拡大すると予測される。

「車載専用」は、2009年に本格的に立ち上がった。EVの普及とPHVやHVのラインアップ増加により今後も拡大が予測されるが、欧州の景気低迷や税収悪化から公用EVの普及が想定を下回っていることもあり、EVの本格的な市場拡大が遅れ、これに伴い「車載専用」の市場拡大も後ろにずれ込んでいる。自動車向けでは自動車メーカーと電池メーカーとの合弁会社による開発や生産、電池メーカーによる専用電池の開発や生産などが進められている。現状ではタイアップするメーカーへの供給が中心であるが、早期かつ大型の設備投資を行った電池メーカーの競合は熾烈を極めている。

「ESS/UPS・バックアップ電源用」は、現在のところ大規模なシステムではNAS電池や鉛蓄電池が価格の面で有利だが、リチウムイオン二次電池は小型化が可能なことから今後の低価格化などにより採用が増えると予想される。業務・産業用が家庭用に先行する形で普及しており、系統安定化を目的とした大型案件での採用が増加している。家庭用については、国内では“スマートハウス”のコンセプトと共に、ハウスメーカーがESSを設置した住宅を販売している。また、欧州では再生可能エネルギーの固定買取価格制度が電力・送電会社の財政をひっ迫させていることから、買取価格の見直しが相次いでいる。売電から自家消費へと向かいつつあり、需要は緩やかながらも拡大すると予想される。

2.小型民生用リチウムイオン二次電池のエリア別電池メーカー実績

2013年
構成比
日系メーカー
14.0億セル
25%
韓国系メーカー
19.2億セル
34%
中国系メーカー
22.3億セル
40%
その他
0.7億セル
1%
合 計
56.2億セル
100%

※小型民生用リチウムイオン二次電池は、「シリンダ型」「角型」「ラミネート型」を指す

リチウムイオン二次電池は、カスタマイズ要求が多く、製品開発力、生産能力や技術、コスト低減力など多くの要素が要求される。従来は技術面で日系メーカーが海外メーカーをややリードしていたが、韓国系メーカーが日系メーカーに匹敵する技術力や品質、性能を持つようになったこと、中国部材メーカーの材料をいち早く採用しコスト低減を進めたことから、日系メーカーは押されている。これに中国系メーカーが加わり、さらに激しい競争が展開されている。

2013年はスマートフォン、タブレットの需要は依然として増加しており、これらの製品向けに供給量の多い韓国系、中国系メーカーは好調を続けている。一方、スマートフォンに需要を侵食されたデジタルスチルカメラや携帯ゲーム機などに強かった日系メーカーは苦戦が続いている。しかし、EV向けの好調や、中国のハイエンドスマートフォン向けでの採用など、明るい兆しがみられつつある。

◆調査結果の概要

二次電池、一次電池の世界市場

2013年
2018年予測
2013年比
二次電池
5兆3,371億円
6兆4,549億円
120.9%
一次電池
1兆1,192億円
1兆1,067億円
98.9%
合 計
6兆4,564億円
7兆5,616億円
117.1%

2013年の市場は、一次電池、二次電池共に拡大し、前年比7.9%増の6兆4,564億円となった。長期的には一次電池は単価の下落や二次電池へのシフトにより縮小、二次電池は次世代自動車向けを中心としたリチウムイオン二次電池の需要増で拡大し、市場は2018年に2013年比17.1%増の7兆5,616億円が予測される。

1..二次電池

二次電池は応用製品の数量増加や、次世代自動車向けやESS向けなどの新たな需要により、拡大が予測される。現状、市場の約7割を鉛蓄電池が占めるが、多くの電池メーカーがリチウムイオン二次電池に注力していることや、採用機器の増加により、今後はリチウムイオン二次電池の占める割合が大きくなる。特にニカド電池や小型のニッケル水素電池からのシフトが進んでおり、安価でかつ大型機器向けの鉛蓄電池が採用される分野以外は、ほとんどがリチウムイオン二次電池になるとみられる。

2.一次電池

マンガン乾電池など他の乾電池からのシフトもあり、アルカリマンガン乾電池が堅調である。他の一次電池については用途がほぼ固定化されており、市場に大きな変化は見られない。また、既に販売ルートが整備され技術も成熟した汎用品・標準品の多い一次電池は、研究開発に多くの費用を掛ける必要がなく、展開するメーカーも大量生産、大量販売によるスケールメリットで利益を確保するところが多い。そのため、市場としては長期的には単価の下落により微減が予測される。

◆調査対象品目

一次電池
マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池、アルカリボタン電池、酸化銀電池、二酸化マンガンリチウム電池(コイン)、二酸化マンガンリチウム電池(シリンダ)、塩化チオニルリチウム電池、空気亜鉛電池
二次電池
鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル水素電池(小型)、ニッケル水素電池(大型)、リチウムイオン二次電池(シリンダ)、リチウムイオン二次電池(角)、リチウムイオン二次電池(ラミネート)、リチウムイオン二次電池(車載専用)、リチウムイオン二次電池(ESS用/UPS・バックアップ電源用)、リチウム二次電池(コイン)、電気二重層キャパシタ(小容量)、電気二重層キャパシタ(中・大容量)、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウム硫黄電池(NAS電池)、レドックスフロー電池
次世代電池
全固体型リチウム二次電池、金属空気二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池

 


2014/02/25
       
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