マーケット情報


HV、PHV、EVの世界市場(販売台数)を調査

−2035年市場予測(2016年比)−
HV:458万台(2.5倍) 日本は好調を維持、北米・欧州・中国は緩やかに拡大
PHV:540万台(18.0倍) 欧州が世界最大規模を維持
EV:630万台(13.4倍) 中国の需要増加が拡大をけん引


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、HV(ハイブリッド自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)などの環境対応車の市場について、各国政府の方針や各自動車メーカーの戦略を踏まえ調査した。その結果を報告書「2017年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」にまとめた。この報告書では、自動車メーカーの車種展開、開発の展望を整理、分析するとともに、HV、PHV、EV、FCV、48Vマイルドハイブリッド車とその関連部品の市場や技術動向、また、環境規制動向などを踏まえ分析した。

◆HV、PHV、EVの世界市場

※トラック・バス/超小型モビリティを除く。HVに48マイルドハイブリッド車は含まない

現状、HVの市場規模が最も大きく2025年頃までは環境対応車の中心になるとみられる。HVの販売が好調な日本市場では、ハイブリッドパワートレインが内燃機関の主流になり、その上位クラスがPHVに派生展開するとみられており、2030年以降は緩やかな成長になると予想される。一方、PHVやEVは2025年以降急激に伸びるとみられ、2030年頃には、HV、PHV、EVの市場が拮抗すると予想される。購入時の手厚い補助金や車種の拡充が進むことが市場拡大の要因になり、2035年にはEVが600万台、PHVは500万台を超えると予想される。

エリア別にみると、日本市場は、当面HVが主流になるとみられ、2035年には180万台が予測される。PHVは、2020年以降市場の拡大が期待される。EVは、航続距離の延伸(300km〜500kmレンジ)、高速充電対応が市場拡大の起爆剤になるとみられる。ただし、充電環境の整備やバッテリーのリサイクルなどが課題として残るとみられ、2035年の市場は36万台にとどまるとみられる。

北米市場は、PHV、EVがZEVなどの環境政策の後押しにより販売台数が伸びると予想される。HVはZEV(Zero Emission Vehicle)規制の対象から外れたことや、当面続くとみられるガソリン安の影響を受け緩やかな成長にとどまると予想される。

欧州市場は、環境規制に対応するため各社が高級車ブランドからのPHVの投入を計画しており今後の伸びが期待される。EVは、航続距離の延伸と公共充電インフラの急速充電器の設置数が増加することで、EVの課題が段階的に改善され需要の増加が期待される。

中国市場は、購入時の手厚い補助金やナンバープレート給付制限政策によりPHVとEVの販売が、大幅に拡大している。特にEVの伸びが大きく、最大の需要地となっている。ナンバープレート給付制限政策は現在北京などで実施されているが、PHV、EVを普及させる手段として今後多くの都市で実施される。このため2020年に国の補助金政策が終了してもPHV、EV市場は、拡大を続けていくと予想される。HVは、2020年に施行される燃費規制に対応して市場が拡大すると予想される。

ASEAN・東アジア市場は、購入補助政策などの国の支援によって緩やかに拡大するとみられる。中長期的にはPHVとEVが充電インフラ整備と並行して拡大していくと予想される。

1.HVの世界市場

2016年
2035年予測
2016年比
市場規模
182万台
458万台
2.5倍

2016年のHV世界市場は、前年比14.5%増の182万台となった。日本市場は好調で前年比8.1%増の93万台となったが、北米市場は、前年比5.3%減の36万台となり明暗を分ける結果となった。北米市場が低迷した要因は、シェール革命以降、石油枯渇への危機感が薄らぎ大型のSUV・クロスオーバーに需要が傾いているためと考えられる。一方、欧州市場は、前年比45.5%増の32万台と好調であった。一部の国でHVがCO2低排出量優遇策の適用対象となったことで需要が増加した。中国市場は、日本メーカーが現地生産車を初投入したことや物価高騰によってガソリン価格が上昇したことが市場拡大に大きく寄与し、前年比5.0倍の10万台となった。今後は、欧州で低燃費車の需要が増加していくことや、中国が環境規制に対応することで市場は緩やかに拡大していくと予想される。

2.PHVの世界市場

2016年
2035年予測
2016年比
市場規模
30万台
540万台
18.0倍

2016年のPHV世界市場は、前年比42.9%増の30万台となった。このうち北米が前年比60.0%増の8万台と大きく伸長した。各メーカーがモデルチェンジや既存車の値下げ、新型車の投入などを行ったことが市場拡大の要因となった。欧州市場は、車種の拡充が進み前年比22.2%増の11万台となった。中国市場は、各メーカーが好調で前年比50.0%増の9万台となった。しかし、主要メーカーが2016年よりPHVからEV販売に軸を移したことにより2017年の市場は横ばいが予想される。今後は、欧州でのPHVの積極的な投入やインフラ整備の加速化が市場拡大をけん引していくとみられる。

3.EVの世界市場

2016年
2035年予測
2016年比
市場規模
47万台
630万台
13.4倍

2016年のEV世界市場は、前年比38.2%増の47万台となった。前年と比べると伸びがやや鈍化したものの、高い伸び幅を示している。中国のEV市場は、前年比60.0%増の24万台となり世界最大の需要地となっている。北京などの都市でナンバープレートの無償取得を含めた購入補助の実施が市場拡大の大きな要因となった。今後は、航続距離の延伸や高速充電対応がHVやPHVとの差別化の要素となり、市場拡大の起爆剤になるとみられる。

◆調査対象

国内メーカー トヨタ自動車、マツダ、いすゞ自動車、日産自動車、三菱自動車工業、日野自動車、本田技研工業、SUBARU、三菱ふそうトラック・バス、スズキ
海外メーカー General Motors Renault、吉利汽車/Volvo Cars、Volkswagen Group、FCA 北汽新能源汽車[BASIC BJEV]、現代自動車、Daimler、BYD Auto、Ford Motor、BMW 、Group PSA、Tesla
HV、PHV、EV、FCV関連部品 モータ・ジェネレータ、BMS(バッテリマネジメントシステム)、車載充電器、インバータ 車載/駆動用電池(ニッケル水素電池/リチウムイオン電池)、急速充電器、DC-DCコンバータ、リチウムイオン電池正極活物質、普通充電器、パワー素子(パワーデバイス)、リチウムイオン電池負極活物質、FCV電解質膜、平滑コンデンサ、リチウムイオン電池集電体、FCVセパレータ、リアクトル、リチウムイオン電池バインダ、FCV GDL (ガス拡散層)、電流センサ リチウムイオン電池電解液、FCV触媒、ヒーター類、リチウムイオン電池セパレータ、水素タンク

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/06/22
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。