マーケット情報


種類別市場、制御部品、ポストリチウムイオン二次電池など
リチウムイオン二次電池関連世界市場を調査

−リチウムイオン二次電池世界市場−
車載専用がけん引、2020年には小型民生用を上回る
2021年に4兆円突破 二次電池の45%を占める


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、自動車関連で需要増加が想定される中、中国メーカーの台頭により、国内を中心に電池メーカーの事業再編などが相次ぐリチウムイオン二次電池市場について調査した。その結果を報告書「2017 電池関連市場実態総調査 上巻」にまとめた。

この報告書では、リチウムイオン二次電池(LIB)5品目をはじめとする二次電池10品目と一次電池8品目、LIB用制御部品5品目、ポストリチウムイオン電池として注目される次世代電池5品目、計28品目の市場動向をまとめた。

◆注目市場

1.リチウムイオン二次電池世界市場



小型民生用は、ラミネート型が主要用途であるスマートフォンや、ブルートゥースヘッドセットやウェアラブルデバイスなどの新規用途で需要が増加している。また、シリンダ型が充電式電動工具の需要増加と、Teslaの自動車・ESS向けが好調であることから、角型が縮小するものの小型民生用市場は拡大が続くとみられる。

車載専用は、世界的な環境対応車需要の増加により大きく拡大を続けるとみられる。中国が国策としてEV、EVバス、EVトラックなどの普及に注力しており、中国市場が車載専用の拡大を後押しし、2020年には小型民生用の市場規模を上回る見通しである。

ESS用/UPS・バックアップ電源用は、主にESSで採用される電池が低価格な鉛蓄電池であることから、現時点での市場規模は小さい。しかし、今後車載用電池のリユースや材料開発などによるコストダウンが進むことで、緩やかながら市場は拡大すると予想される。

リチウムイオン二次電池の主戦場である中国では、政府が補助金などによって中国製電池を搭載するEVやPHVの普及促進を進めており、中国電池メーカーが中心の市場構造となっている。一方で今後生産能力8GWhに達しない中国電池メーカーを淘汰する方針を打ち出しており、各社で生産能力増強の動きが積極化している。

中国を中心とする中国電池メーカー、自国や欧州を中心とする日本電池メーカーや韓国電池メーカーといった図式が形成され、中国電池メーカーの存在感は年々大きくなっている。主要な日本電池メーカーは2016年から2017年にかけて事業再編を急速に進めており、中国メーカーに対する競争力強化や事業最適化を図っている。

2.リチウムイオン二次電池中国市場(数量ベース)



1)小型民生用(シリンダ・角・ラミネート)

ラミネート型はスマートフォン向けがけん引しており、シリンダ型は電動バイク向けが堅調であることに加え、Teslaの様に「18650」を採用する自動車メーカーが出ていることから拡大している。なお、角型は中国市場においても縮小しており、角型に参入する多くの電池メーカーがラミネート型や車載専用へとシフトしている。2017年の中国市場は、世界市場の58%を占めると見込まれる。

2)大型(車載専用、ESS用/UPS・バックアップ電源用)

車載専用は、EVやPHVの普及が進んでおり、急速に市場が拡大している。また、EVトラック・バスなどの商用車向けも増加している。ESS用/UPS・バックアップ電源用は家庭向け機器では需要がないことから、電池メーカーは産業向けに注力しており、有望用途として5G通信向けの携帯電話基地局が挙げられる。2017年の中国市場は、世界市場の70%を占めると見込まれる。

◆調査結果の概要

1.二次電池世界市場

リチウムイオン二次電池のほか、鉛蓄電池は自動車や二輪車向けが堅調であり、ニッケル水素電池(大型)は日本でのHV需要が根強く今後も拡大が予想される。一方、リチウムイオン二次電池へのシフトがみられるニッケル水素電池(小型)はほぼ横ばいが予想され、同じくリチウムイオン二次電池へのシフトが続くニカド電池は環境規制による生産数量減少もあり縮小が続いている。リチウムイオン二次電池が二次電池市場の拡大をけん引し、構成比は2016年の36%から、2021年には45%へ上昇するとみられる。

2.LIB用制御部品世界市場

2017年見込
2021年予測
2016年比
市場規模
853億円
963億円
121.0%

リチウムイオン二次電池の高容量化や高性能化が進むなか、2016年に発生したスマートフォン用リチウムイオン二次電池の爆発事故の影響から制御部品の需要は高まっている。電池用保護IC(3セルタイプ以上:多セルタイプに分類)が充電式電動工具やコードレス掃除機、電動アシスト自転車に加え、環境対応車やESSでも需要が出てきており、2020年まで二桁近い伸びが予想される。このほか、スマートフォンでの需要増加により電池用保護IC(1セルタイプ)が拡大し、電池用保護IC(セカンドプロテクションタイプ)、電池用電流制御・遮断器(ヒューズ+抵抗体)がニカド電池からの置き換えが進む充電式電動工具向けの増加が期待される。

◆調査対象

一次電池 マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池、アルカリボタン電池、酸化銀電池、二酸化マンガンリチウム電池(コイン)、二酸化マンガンリチウム電池(シリンダ)、塩化チオニルリチウム電池、空気亜鉛電池
二次電池 鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル水素電池(小型)、ニッケル水素電池(大型)、リチウム二次電池(コイン)
(リチウムイオン二次電池) シリンダ、角、ラミネート、車載専用、ESS用/UPS・バックアップ電源用
※「リチウムイオン二次電池」は「二次電池」の内数品目
LIB用制御部品 電池用保護IC(1セルタイプ)、電池用保護IC(多セルタイプ)、電池用保護IC (セカンドプロテクションタイプ) 、電池残量計、電池用電流制御・遮断器 (ポリマーPTC、ブレーカ、ヒューズ゙+抵抗体)
次世代電池
(ポストリチウムイオン二次電池)
全固体型リチウム二次電池、金属空気二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池、カリウムイオン二次電池
※次世代電池の調査項目に市場規模予測は含まれない

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/09/21
       
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