MARKET マーケット情報


新電力への切り替えが進む家庭用電力、
関東・関西・中部・九州エリアで切り替わる家庭用ガス
電力・ガス自由化市場を調査
−新電力の販売電力量−
2025年度は2017年度比2.7倍の2,775億kWh
販売電力量に占める新電力シェアは30%超え

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、参入事業者の増加による顧客獲得競争の激化と事業者間の提携により、業界全体の複雑化が進む電力・ガス自由化市場を調査した。その結果を「電力・ガス・エネルギーサービス市場戦略総調査 2019 電力・ガス自由化市場総括編」にまとめた。

なお、発電事業者やLNG調達、大口ガス供給事業者の事業戦略は「(同)発電・ガス調達事業者編」、電気・ガスの小売事業者や販売代理事業者の事業戦略は「(同) 電力・ガス小売事業者編」でより詳細にまとめた。

◆調査結果の概要

1.新電力の販売電力量



※2013年度から2017年度の販売電力量は電力統計調査(経済産業省)による

2016年度以降、新電力の増加や需要家側の電力自由化の認知度向上などにより新電力への切り替え、販売電力量の増加が続いている。家庭用を中心とした低圧では、大手都市ガス会社や通信会社が市場をけん引している。一方で、高圧以上では旧一般電気事業者による取り戻しが激化しており、旧一般電気事業者の価格に対抗できる新電力は少ないことから新電力の獲得需要家の小口化がみられる。そのため、新電力の販売電力量の増加ペースはやや鈍化している。

また、旧一般電気事業者から新電力への移行だけでなく、新電力間でも顧客獲得競争が進んでいる。そのため、今後は顧客の移行抑止に向けた施策、流動層の囲い込みのため異業種チャネルを活用した戦略推進、競合激化による小売事業者間の業界再編やグループ化の加速なども想定される。

2025年度は2017年度比2.7倍の2,775億kWhと予測される。国内の電力販売量全体(2017年度:8,603億kWh)は横ばいから微減で推移し、2025年度の新電力シェアは30%を超えるとみられる。

2.新電力の販売代理店戦略

新電力では家庭、小口法人需要家の獲得に向けた戦略の1つとして、販売代理店による獲得競争・チャネル戦略を進めている。

販売代理店の主な業種は「都市ガス・LPガス」「ISP・CATV」、医療・福祉や飲食・店舗などの業界に特化した「専用機器・サービス」「省エネ・経営コンサル」などがあげられる。「都市ガス・LPガス」「ISP・CATV」は、開栓作業や機器点検などの戸別訪問時などに、「専用機器・サービス」「省エネ・経営コンサル」では法人需要家への機器販売やコンサルティング提案などの営業時にエネルギー提案を行っている。

家庭向けでは既存顧客に対する電力提案が一巡している代理店事業者も多いが、法人需要家向けでは毎月一定数の契約をコンスタントに獲得し続けている代理店事業者もみられる。

3.新規ガス小売事業者主要7社のガス販売量

2018年度見込
2017年度比
ガス販売量
100億m3
105.3%

2017年度より、電力に続きガスも小売全面自由化となり、旧一般電気事業者を中心に新規参入が進んでいる。これにより従来の大口供給に加え、家庭用を中心とした小口供給でも電力と同様に顧客獲得競争が激化している。都市ガスは、LNGの調達環境や、インフラ面、保安体制などによって供給エリアが限定されることから、家庭用ガスの切り替えが進んでいるのは近畿、関東、中部、九州の4エリアである。

旧一般電気事業者の主要4社は離脱した電力顧客の分の取り戻しと、電力とガスのセット提案による囲い込みを目的にガス販売に注力しており、販売代理店チャネルを拡充し、地域に根付いた顧客網の再構築を進めている。

4.日本の主要エネルギー事業者による海外IPP事業規模 (自社持分の出力容量ベース)

2018年度見込
2017年度比
事業規模
2,386万kW
113.7%

日本において電力需要の飛躍的な増加は期待できないことから、大手エネルギー事業者を中心に海外でのエネルギー事業を新たな成長の柱とする動きがみられ、その一環として海外でのIPP(Independent Power Producer)事業への参画を進めている。

エリア別には、半数近くをアジアが占め、次に北米の比率が高い。2025年度にかけては、アジア、中南米、北米、欧州で伸びが期待される。また、燃料・電源別には、現状では天然ガスの比率が8割近くを占め、次に石炭の比率が高い。今後は、石炭や太陽光・風力・地熱といった再生可能エネルギーが伸びるとみられる。

◆調査対象

電力市場 小売電気事業者(新電力) みなし小売電気事業者(旧一般電気事業者)
ガス市場 新規ガス小売事業者(特定ガス導管事業者、ガス小売事業者) みなし小売事業者(旧一般ガス事業者)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/08/22
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