PRESSRELEASE プレスリリース

第19091号

店舗数は減少するも 堅調な拡大が続く外食産業の国内市場を総合的に分析
―2019年市場見込(2018年比)―
■外食産業14カテゴリー138業態の国内市場34兆1,654億円(0.5%増)
~テイクアウトやファストフードの伸びが拡大をけん引~
●丼物ファストフード4,928億円(2.8%増)
~とんかつ・かつ丼の大幅な伸びが続く。牛丼も新規メニューの投入などにより堅調~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、テイクアウトやファストフードの伸びが拡大をけん引している外食産業14カテゴリー138業態の国内市場について総合的に分析した。その結果を「外食産業マーケティング便覧 2019 No.3」にまとめた。

この調査では、外食産業14カテゴリー138業態を対象とする全体市場の動向に加えて、同一カテゴリー・分野の比較分析、客単価別市場分析などの横断分析のほか、業態別成長性分析や注目外食企業事例、日系企業の海外進出などの動向を捉えた。また、エリア別市場動向として全国10エリアの外食市場規模、業態別市場規模、業態別企業シェアなどについても整理した。

◆調査結果の概要

■外食産業14カテゴリー138業態の国内市場と店舗(施設)数

※棒グラフは国内市場、折れ線グラフは店舗(施設)数

2012年以降テイクアウトが旺盛な中食需要を獲得して伸びているほか、一時期縮小していたファストフードが2016年以降ハンバーガーの回復を受け伸長していることから、市場は緩やかな拡大を続けている。

2018年は市場規模の大きい料飲店の苦戦が続いているものの、テイクアウトやファストフード、給食、宿泊宴会場などが伸びたため、市場は2017年比0.6%増の34兆42億円となった。2019年もそれらのカテゴリーがけん引し、市場拡大が見込まれる。

参入企業間の競合が激化しているため、ブランド力や食材調達力、オペレーション体制などで優位なチェーンに需要が集約される傾向がみられ、個人経営の単独店では後継者不足や経営不振などにより閉店するケースが相次いでいることにより、店舗(施設)数は減少している。

◆注目市場

【同一カテゴリー・分野の比較分析】

●ファストフード

 

2018年

2019年見込

2018年比

全 体

3兆  560億円

3兆1,381億円

102.7%

 

ハンバーガー

6,780億円

7,048億円

104.0%

 

回転ずし

6,461億円

6,698億円

103.7%

 

ラーメン

4,440億円

4,480億円

100.9%

※ハンバーガー、回転ずし、ラーメンは全体の内数。そのほかプレミアムハンバーガー、チキン、ドーナツ、サンドイッチ、クレープ、アイスクリーム、カレーショップ、ステーキ、セルフ式そば、セルフ式うどん、クイックパスタ・ピザ、牛丼、天丼・天ぷら、海鮮丼、スタミナ丼、とんかつ・かつ丼、定食チェーン、スープカフェが対象

規模の大きいハンバーガーが前年の落ち込みから回復した2016年以降、回転ずし、ラーメンなども堅調に伸びており、市場は拡大を続けている。

ハンバーガーは、上位チェーンが割安感を訴求したメニュー提案の継続により集客力を高めており、2019年は7,000億円を突破すると見込まれる。回転ずしは、上位チェーンの店舗数増加に加え、季節限定メニューなど産地や品質を訴求した取り組み強化が奏功し伸びている。ラーメンは、上位チェーンが積極的に新規出店を進めていることや、各チェーンが主要メニューの価格改定、期間限定メニューの強化などで集客を図っており、緩やかな伸びが続くとみられる。また、2019年はセルフ式うどんや定食チェーンも店舗数の増加により伸びが見込まれ、市場拡大に貢献するとみられる。

●丼物ファストフード

 

2018年

2019年見込

2018年比

全 体

4,796億円

4,928億円

102.8%

 

牛丼

3,835億円

3,926億円

102.4%

 

とんかつ・かつ丼

579億円

615億円

106.2%

 

天丼・天ぷら

284億円

287億円

101.1%

※牛丼、とんかつ・かつ丼、天丼・天ぷらは全体の内数。そのほか海鮮丼、スタミナ丼が対象

ファストフードの中でも丼物をメインで展開する業態を対象とした。

牛丼の市場規模が大きい。大手チェーンの「すき家」が2017年11月、「松屋」が2018年4月にメインメニューの値上げを行ったことで客離れが懸念されたが、期間限定メニューの積極投入が奏功したことにより、2018年は両チェーンとも好調だった。また、「吉野家」が店舗数の増加によって売上を伸ばしたこともあり、市場は拡大した。2019年は参入チェーンのメニュー施策が需要を底上げしており、市場拡大が見込まれる。

とんかつ・かつ丼は、手軽さや低価格が支持され好調である。2018年の市場は上位チェーンの店舗数が増加したことにより伸びた。2019年は上位チェーンがTVCMやWeb広告などのプロモーションに注力していることから、2018年比6.2%増が見込まれる。

天丼・天ぷらやスタミナ丼も上位チェーンの出店増加により伸びている。

【注目成長市場】

●シュラスコ料理専門店 ※上記138業態には含まない

2018年

2019年見込

2018年比

64億円

67億円

104.7%

シュラスコ料理(南アメリカ風バーベキュー)の食べ放題をメインとし、サラダやフルーツ、アルコールを販売している業態を対象とする。

1990年代前半に市場が形成されたが、景気が低迷し始めている頃でもあり、停滞が続いた。その後、2000年代半ばに新規参入や再参入するチェーンがあらわれ、2010年代にブラジルでスポーツイベントが相次いだことにより、ブラジル料理であるシュラスコ料理にも注目が集まり、参入チェーンもさらに増加したことから市場拡大が続いている。

2018年は大手チェーンの新規出店は無かったものの、大手チェーンによるブラジル関連イベントへの出店や、季節限定メニューの発売、半額または割引キャンペーンを打ち出した集客施策、また、一部チェーンの新規出店により市場は拡大した。2019年は10月の消費税増税に伴う消費減退が懸念されるものの、店舗数の増加により、市場は前年を上回るとみられる。

◆調査対象

業 態

・ファストフード(21業態) ・ホームデリバリー・ケータリング(8業態) ・レジャー施設(9業態)
・テイクアウト(15業態) ・交通機関(5業態) ・給食(7業態)
・料飲店(11業態) ・西洋料理(13業態) ・エスニック料理(3業態)
・ファミリーレストラン(8業態) ・日本料理(15業態) ・宿泊宴会場(4業態)
・喫茶(11業態) ・東洋料理(8業態)  

注目成長市場 ※上記138業態には含まない

・シュラスコ料理専門店

・からあげ専門店

 

提供形態別市場動向

時間帯別市場動向

客単価別市場動向

客単価別時間帯別市場動向

主要メニュー別市場規模

食材市場規模

注目外食企業事例15社

日系企業の海外進出動向 <日系企業>3社

外食産業エリア別市場動向

北海道、東北、関東、北陸信越、東海、関西、中国、四国、九州、沖縄


2019/10/29
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