PRESSRELEASE プレスリリース
ワイヤレス給電システムの主要16ヵ国市場(受電ユニット搭載車両数)
5,006,500台(3,209.3倍)
~中国や米国を中心に普及が進み、2025年頃から急拡大~
急速充電器の中国市場(コネクタ数) 555,000個(4.2倍)
~公共用を中心に市場が拡大、職場、商用車用の普及も進む~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、EVやPHVの普及に伴い、普通充電器や急速充電器を中心に需要が増加しているEV・PHV向け充電インフラについて、中国や北米など主要16ヵ国の市場を調査した。その結果を「EV/PHEV充電インフラの国別整備実態と普及計画 2020」にまとめた。
この調査では、主要16ヵ国(欧州6ヵ国、米州2ヵ国、アジア4ヵ国、ASEAN3ヵ国、オーストラリア)における3タイプの充電インフラ(急速充電器、ワイヤレス給電システム、普通充電器)の市場について現状を把握し、長期予測をした。また、用途別として、公共用、職場用(自社の社用車・社員用)、商用車用(バス、トラック、タクシー他などの商用車専用)の動向、充電ステーションの設置状況も明らかにした。
◆調査結果の概要
■主要16ヵ国のEV・PHV向け充電インフラのストック市場
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2019年見込 |
2018年比 |
2035年予測 |
2018年比 |
急速充電器 |
249,347個 |
147.9% |
723,600個 |
4.3倍 |
ワイヤレス給電システム |
3,530台 |
2.3倍 |
5,006,500台 |
3,209.3倍 |
普通充電器 |
473,875個 |
128.3% |
2,084,700個 |
5.6倍 |
急速充電器と普通充電器はコネクタ数、ワイヤレス給電システムは受電ユニット搭載車両数を捉えた。EV・PHV向け充電インフラは、各国がEVやPHVの普及を積極的に進めており、それに伴い需要が増加している。
普通充電器を中心に普及が進んでいる。また、急速充電器の需要も増加しており、中国を中心に市場は拡大していくとみられる。ワイヤレス給電システムは、現状では数千台にとどまるものの、中国や米国を中心に普及が進んでいる。2025年頃から市場は急拡大していくとみられ、2030年頃には普通充電器の設置台数を上回ると予想される。
国別にみると、中国では国策によりEVやPHVの販売が急増しており、各充電インフラの普及が進んでいる。次いで普及が進んでいるのが米国であるが、トランプ政権下で環境保護庁(EPA)と運輸省道路交通安全局(NHTSA)から企業平均燃費規制の基準値を緩和する新たな規制案が発表され、一部で内燃車への回帰がみられるなどEV・PHVの普及が阻害される可能性もある。ASEANなどの地域でも国策としてEVやPHVの普及が進められている。
■主要4ヵ国の急速充電器のストック市場(コネクタ数)
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2019年見込 |
2018年比 |
2035年予測 |
2018年比 |
日本 |
7,670個 |
107.4% |
11,000個 |
154.1% |
中国 |
204,800個 |
156.0% |
555,000個 |
4.2倍 |
米国 |
16,180個 |
116.2% |
51,500個 |
3.7倍 |
ドイツ |
4,550個 |
121.0% |
25,000個 |
6.6倍 |
急速充電器は、中国の標準であるGB/T、日本発祥で世界に先行普及したCHAdeMO、欧州や米国を中心とするCCS(Combo1、Combo2)、Teslaが展開するSuperchargerなどの方式がある。
日本ではCHAdeMOが主力であり、Superchargerもみられるものの、2019年時点で100個の設置にとどまる。CHAdeMOはこれまで、出力50kWもしくはそれ以下の出力機であったが、新電元工業が90kW機を投入したことで設置が進んでおり、今後も伸びるとみられる。用途別では公共用が中心であり、職場用や商用車用の普及は時間がかかるとみられる。
中国では、GB/Tが主力であり、Superchargerの設置もみられる。中国は普及が進んでおり、市場規模が大きい。主力となっている60kW機は、2020年に設置数が144,000個になると予測され、今後も市場をけん引するとみられる。用途別では公共用が中心であるものの、他国と比べて職場用や商用車用の普及が進んでいる。
米国では、CHAdeMOやCCS(Combo1)、GB/T、Superchargerの設置がみられる。Superchargerが主力であり、次いでCCSの設置が多い。Volkswagenが設立したElectrify Americaが充電ステーションの新規開設を急速な勢いで推進しており、それに伴い急速充電器の需要も増加している。
ドイツでは、CHAdeMOやCCS(Combo2)、GB/T、Superchargerの設置がみられる。CCSが主力であり、特に101kW~150kW機が市場をけん引していくとみられる。また、ドイツ系自動車メーカー3社(BMW、Daimler、Volkswagenグループ)を中心に展開するIONITYによって、350kW機を中心とした設置数の拡充が続いている。
■主要4ヵ国のワイヤレス給電システムのストック市場(受電ユニット搭載車両数)
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2019年見込 |
2018年比 |
2035年予測 |
2018年比 |
日本 |
200台 |
- |
325,000台 |
- |
中国 |
1,500台 |
2.3倍 |
2,000,000台 |
3,030.3倍 |
米国 |
650台 |
3.3倍 |
1,000,000台 |
5,000.0倍 |
ドイツ |
700台 |
140.0% |
430,000台 |
860.0倍 |
ワイヤレス給電システムは停車中給電システムと走行中給電システムがある。現状では大半が停車中給電システムであるものの、米国や中国では商用車用の走行中給電システムの普及が始まっている。2035年には停車中が87万台、走行中が414万台になるとみられる。
日本では、ダイヘンが投入したEV・PHV向けシステムなどがあり、2018年は僅少にとどまっている。停車中給電システムは2019年に200台が見込まれ、2025年以降、本格的に伸びるとみられる。また、走行中給電システムは2025年頃に市場が立ち上がり、2030年以降、急伸するとみられる。
中国では、世界に先駆けてタクシーやバス向けの停車中および走行中給電システムが実用化されており、2019年は1,500台が見込まれる。今後も両システムが伸びるとみられる。
米国 では、後付タイプのワイヤレス給電システムが実用化しており、スタートアップ企業の製品が個人用および職場用で普及し始めている。また、EVバスを採用した地方自治体や路線バス会社では、これらの車両向けで導入が増加している。今後も停車中給電システム、走行中給電システムともに伸長していくとみられる。
ドイツでは、BMWやDaimlerのPHVやEVバス向けワイヤレス給電システムの需要が増加している。停車中給電システムは2019年に700台が見込まれる。走行中給電システムは2025年頃に市場が立ち上がり、2030年以降、急伸するとみられる。
■主要4ヵ国の普通充電器のストック市場(コネクタ数)
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2019年見込 |
2018年比 |
2035年予測 |
2018年比 |
日本 |
26,050個 |
101.3% |
39,000個 |
151.6% |
中国 |
315,450個 |
138.5% |
1,600,000個 |
7.0倍 |
米国 |
49,600個 |
116.8% |
152,000個 |
3.6倍 |
ドイツ |
14,100個 |
105.2% |
24,000個 |
179.1% |
普通充電器は、米国や日本で普及するType1、欧州で普及するType2、中国の標準であるGBなどの方式がある。
日本ではType1が主流である。搭載バッテリー10kWh前後のPHVの普及が進んでいることなどから、大部分が出力1kW機(100V電源使用時)と3kW機(200V電源使用時)となっており、今後もこの2タイプを中心に伸びるとみられる。
中国では、国家規格であるGBが主流であり、7kW機が中心である。公共用を中心に需要が増加するとみられる。
米国ではType1が主流である。米国では大容量バッテリー搭載のEVが主流であるため、7kW以上の機種が伸長し、出力の小さい3kW機は2020年以降縮小するとみられる。
ドイツでは、Type2が主流である。新規投入のEVやPHVの大出力対応が進んでいることから、22kW機が中心となっている。また、11kW機の需要も増加しており、2030年頃に22kW機の設置数を上回るとみられる。
◆調査対象
調査対象品目 |
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タイプ |
・急速充電器(DC) |
・普通充電器(AC) |
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・ワイヤレス給電システム(停車中給電/走行中給電) |
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利用形態別 |
・公共用充電 |
・職場充電(自社の社用車・社員用) |
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・商用車用充電(バス、トラック、タクシー他の商用車専用) |
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調査対象国 |
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欧州 |
ドイツ、英国、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー |
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米州 |
米国、カナダ |
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アジア |
日本、中国、インド |
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ASEAN |
タイ、インドネシア、シンガポール、ベトナム |
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オセアニア |
オーストラリア |