PRESSRELEASE プレスリリース

第23001号

空調・熱源関連機器などの 国内市場を調査
―2030年市場予測(2021年比)―
■空調・熱源機器の国内市場 7,246億円(5.3%増)
…ファンコイルユニットなどは需要が減少するが、更新需要や室内の良質な空気環境ニーズの高まりから、エアハンドリングユニットなどは好調
◆チリングユニット 510億円(13.6%増)
…業務施設の建築物ストック数の減少に伴って更新需要が落ち着くも、脱炭素ニーズにより化石燃料駆動空調機器からのシフトが期待

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、既存物件での旺盛な更新需要が期待できるうえ、脱炭素・省エネに向けた取り組みの加速、新型コロナウイルス感染症の流行を受けた換気・空気清浄・除加湿・快適性など新たな付加価値が注目される需要も顕在化している空調・熱源機器の国内市場を調査した。その結果を「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2023」にまとめた。

この調査では、空調・熱源関連機器16品目の市場を10区分の需要分野について分析した。また、エンジニアリング、保守・メンテナンスといった関連ビジネス市場を調査することで、空調・熱源市場のバリューチェーンを明らかにした。

◆調査結果の概要

●空調・熱源機器の国内市場

2021年は新型コロナ流行の影響から一部でプロジェクトの遅延やユーザーの投資意欲の減退による更新案件の中止・延期がみられたために、市場は前年割れとなった。

2022年は新型コロナによる投資控えからの回復、また、為替変動やそれに伴う部品・部材価格高騰の影響を受け、熱源機器、二次側機器両方で価格が高騰していることもあり、市場は拡大している。ただし、数量ベースでは、特に上半期における中国工場のロックダウンやウクライナ情勢を起因とする電子部品などの部材遅延、施工遅延などにより、微増にとどまるとみられる。

中長期的には、2025年頃までは都市圏を中心とした大型再開発、産業施設向けの増加により、市場は微増が続くと予想される。以降は、業務施設などの建築物ストック数の減少に伴い、ファンコイルユニット(FCU)、VAV/CAVユニット、冷凍・冷蔵ショーケース、個別空調向け室内機が縮小するとみられる。一方で、エアハンドリングユニット(AHU)、外気処理ユニット、全熱交換器は更新需要の顕在化や良好な室内空気質(IAQ)ニーズの高まり、ZEB化の推進などに伴い伸びが予想される。

■空調・熱源関連ビジネスの国内市場(2021年実績)

空調・熱源関連ビジネスの2021年の市場は3兆4,829億円となった。

施工エンジニアリングは、主に空調系サブコンが提供しており、8割強を占める。次いで電気系サブコン、メンテナンス会社、エレベータ保守会社の順となっており、市場は1兆6,574億円と最も大きい。

保守・メンテナンスの市場は4,625億円で、サービスの提供は、メンテナンス会社が6割弱を占めた。

オンサイトエネルギーサービスは、エネルギーサービス会社が主体である。また、一部の計装会社、空調系サブコン、電気系サブコンがESCOにて市場参入しており、市場は1,548億円となった。

計装エンジニアリングは、計装会社が大部分を占めており、1,190億円の市場となった。

遠隔モニタリングは、計装会社、エレベータ保守会社の構成比が高く、市場は82億円となった。

BEMS/節電アグリゲーションについては、メンテナンス会社主体で、市場は60億円となった。

◆注目市場

●チリングユニット

2022年見込

2021年比

2030年予測

2021年比

486億円

108.2%

510億円

113.6%

セントラル空調システムにおける冷温水を作り出す機械で、空冷式と水冷式を対象とする。

2022年上期は、中国工場のロックダウンの影響により、半導体部品の需給が逼迫した状況が続いたほか、施工部材の供給不足に陥ったことにより工期遅延が相次いだ。下期からはロックダウン解除により、半導体部品や施工部材の供給状況が正常化しつつあり、投資意欲も回復していることから、市場は2021年比8.2%増の486億円が見込まれる。

2025年までは、都市圏を中心とした大型再開発による新設需要、産業施設向けの増加、データセンターなど特定需要分野の成長により、新設・更新ともに伸びるとみられる。以降は産業施設や大型再開発が一段落すること、主に業務施設の建築物ストック数の縮小に伴って更新需要が減少することから、市場は縮小が予想される。

脱炭素の影響により、化石燃料駆動空調機器(吸収式冷凍機など)からのシフトが進むと予想される。ビル用マルチエアコン(VRF)と競合し、従来はイニシャルコストの優位性からVRFを選択するユーザーが多かったが、2025年からVRF指定製品化が始まり微燃性冷媒であるR32の採用が進むとみられることから、一部施設では水配管を使用するチリングユニットが優先的に採用されると予想される。

●エアハンドリングユニット(AHU)

 

2022年見込

2021年比

2030年予測

2021年比

冷温水式

228億円

108.6%

249億円

118.6%

直膨式

115億円

108.5%

132億円

124.5%

合 計

343億円

108.5%

381億円

120.6%

冷却・加熱に必要な熱源装置を内蔵することなく、外部熱源による冷水・温水・蒸気などを用いて空気の冷却・除湿・加熱を行う装置を対象とする。

〔冷温水式〕

2022年は、中国工場のロックダウンの影響による部品供給不足の影響から、施工部材不足による工事案件の遅延が生じた。下期からはロックダウン解除に伴い機器部品や施工部材の不足状況が解消しつつあること、受注案件が積み上がっていることに加え、物流コストや原料価格の上昇、円安なども影響して、市場は2021年比8.6%増の228億円が見込まれる。

2025年までは、都市圏を中心とした大型再開発やデータセンターなど特定需要分野の成長による新設需要を中心に市場拡大が予想される。長期的には、1990年代に導入されたAHUの更新需要が下支えすることから、市場は微増で推移すると予想される。

〔直膨式〕

2022年は、冷温水式に比べ制御部品が多いことから、冷温水式以上に機器部品の供給不足の影響を受けた。下期からは機器部品や施工部品の供給が正常化しつつある。加えて、良好なIAQへの関心の高まりに伴い直膨式の受注案件が増えており、円安や原価高騰による価格上昇も影響して、市場は2021年比8.5%増の115億円が見込まれる。

2025年以降は、大型再開発案件を中心に直膨式が導入されるほか、中央方式から個別方式へのシステム転換に伴い、冷温水式から直膨式への移行が予想されるため、市場は微増で推移するとみられる。

◆調査対象

機器

<熱源機器>

 

 

・チリングユニット

・吸収式冷凍機

ガスエンジンヒートポンプエアコン

・ターボ冷凍機

・パッケージエアコン

・ボイラ(蒸気/温水)

・コンデンシングユニット

ビル用マルチエアコン(VRF)

・冷却塔

<二次側機器>

 

 

エアハンドリングユニット(AHU)

・冷凍・冷蔵ショーケース

・個別空調向け室内機

ファンコイルユニット(FCU)

・外気処理ユニット

 

・VAV/CAV ユニット

・全熱交換器

 

業態

・空調系サブコン

・ゼネコン

・ガス会社

・電気系サブコン

・メンテナンス会社

・エネルギーサービス会社

・計装会社

・エレベータ保守会社

 

需要分野

・事務所・オフィスビル

・宿泊施設

・住宅(全館空調)

・文教施設

・データセンター

・地域熱供給

・医療・診療所

・産業施設

 

・店舗・商業施設

・倉庫

 


2023/01/10
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。