PRESSRELEASE プレスリリース

第23062号

ファストフードやテイクアウトなど6カテゴリー63業態の
外食産業の国内市場を調査
―2023年市場見込(前年比)―
◆ハンバーガー 9,721億円(7.2%増)
…イートイン回復や安定的なテイクアウト・デリバリーニーズの獲得で拡大
◆ドーナツ 1,272億円(9.2%増)
…高付加価値商品の需要増加や新規出店の強化により拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コロナ禍でも好調を維持してきたハンバーガーやチキンなどのファストフードや、コロナ禍の収束に伴い仕出し弁当やケータリングなどの需要回復がみられるホームデリバリー・ケータリングなどの国内市場を調査した。その結果を「外食産業マーケティング便覧 2023 No.1」にまとめた。

この調査では、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー63業態の市場について現状を捉え、将来を展望した。

◆注目市場

●ハンバーガー

2022年

前年比

2023年見込

前年比

9,068億円

109.7%

9,721億円

107.2%

新型コロナ流行以降も市場拡大が続いており、2022年は大手チェーンが積極的な新規出店を行ったほか、時間帯提案の強化やサイドメニューの充実など客層に合わせたメニュー展開から幅広く需要を獲得するなど、市場は続伸した。2023年は新型コロナウイルス感染症の5類引き下げによるイートイン回復や、継続的に進めているアプリを利用したデジタル活用による安定的なテイクアウト・デリバリーニーズの獲得がみられる。また、上位チェーンの積極的な新規出店が続くことから、市場拡大が予想される。

●ドーナツ

2022年

前年比

2023年見込

前年比

1,165億円

115.5%

1,272億円

109.2%

市場は2020年に縮小したが、2021年はテイクアウトやデリバリーの利用増加で拡大した。2022年は上位チェーンが新規出店を積極的に行ったことに加え、継続的なテイクアウト需要の獲得やミスタードーナツが展開する“misdo meets"といった話題性の高いメニューの展開などで市場は拡大した。2023年は上位チェーンが継続的に新規出店を強化しているほか、高付加価値商品の需要が継続していることや、人流の回復によりイートイン需要の獲得が期待できることから、市場は拡大すると予想される。

●ラーメン

2022年

前年比

2023年見込

前年比

4,090億円

112.1%

4,385億円

107.2%

市場は2020年に大きく落ち込んで以降、徐々に回復に向かっている。2022年はまん延防止等重点措置が解除されて以降、これまで時短営業を行っていた店舗が通常営業に戻ったことに加え、アルコールの提供が再開されたことで、また、年末ごろからは水際対策の緩和によってインバウンド需要が回復したことで市場は前年を大きく上回った。2023年は人流の回復に伴い、イートイン需要が高まっていくとみられ、上位チェーンを中心に新規出店が進むほか、アルコールの提供や期間限定メニューの開発による客単価アップやインバウンド需要の高まりが期待されることから、市場は拡大すると予想される。

●レジャーランド

2022年

前年比

2023年見込

前年比

988億円

164.7%

1,156億円

117.0%

新型コロナ流行を受けた外出自粛を受けて、市場は2020年に大きく落ち込み、2021年も前年比6.8%増の600億円にとどまった。2022年は外出機会の増加を受けて、レジャーランドの集客も増えた。入場者数の制限を続ける施設はあったものの、パレードなどのイベントの再開や周年などを記念した飲食メニューの展開が進んだことから、市場は大きく回復した。また、新しいテーマパークがオープンしたことも回復要因となった。2023年は東京ディズニーランドが周年イベントを開催しているほか、限定メニューやコンセプトにマッチしたメニューの開発により付加価値が高まり、単価アップが進んでいることから、市場は続伸するとみられる。

◆調査結果の概要

 

2022年

前年比

2023年見込

前年比

ファストフード

3兆4,973億円

107.8%

3兆6,959億円

105.7%

テイクアウト

7兆2,436億円

101.5%

7兆3,204億円

101.1%

ホームデリバリー・ケータリング

8,568億円

104.4%

9,166億円

107.0%

交通機関

360億円

152.5%

685億円

190.3%

レジャー施設

7,944億円

122.4%

8,365億円

105.3%

給食

3兆9,627億円

100.7%

3兆9,902億円

100.7%

ファストフードは、2022年はハンバーガーがテイクアウトやデリバリー需要を獲得し好調となったほか、イートイン需要の回復から牛丼やとんかつ・かつ丼が伸長した。一方、テイクアウトを中心に成長を続けていた唐揚げは需要の落ち着きがみられ縮小した。2023年は、上位チェーンの積極的な新規出店による安定的な成長が予想されるハンバーガーがけん引し、市場は拡大するとみられる。

テイクアウトは、2022年は出店先の商業施設や百貨店の店舗で集客力が回復したことに加え、コロナ禍で掘り起こしが進んだ中食需要が定着したことなどから、市場は前年比プラスとなった。2023年はハレの日や日常のプチ贅沢需要の獲得に向け高付加価値商品の強化が進むことにより、市場は拡大するとみられる。

ホームデリバリー・ケータリングは、2022年にデリバリー需要の減退により宅配ずしや宅配中華料理、宅配釜飯が苦戦したが、宅配ピザの店舗数増加、仕出し弁当とケータリングの需要回復が寄与し市場はプラスとなった。2023年はシェアデリバリーの普及により、宅配ずしや宅配中華料理、宅配釜飯が前年に続き苦戦するとみられる。一方で、新型コロナに伴う規制緩和から仕出し弁当とケータリングが回復に向かうほか、病者・高齢者食宅配が新規ユーザー獲得により好調が予想され、市場は拡大するとみられる。

交通機関は、2022年は移動機会の増加に加え、インバウンド需要の戻りも見られたことで市場は前年比52.5%増となった。2023年も外出機会の増加やインバウンド需要の回復から堅調な伸びが続くと予想される。

レジャー施設は、2022年は各種イベントやコンサートなどの再開のほか、多くの業態でアルコールの提供を再開したことから市場は大幅に回復した。2023年は再開されるイベントがさらに増えるとみられ、消費者のリベンジ消費マインドも高まっているほか、インバウンド需要が活発化していることにより、市場は引き続き回復に向かうとみられる。

給食は、2022年はオフィスやキャンパスを中心に緩やかではあるが人流の回復がみられたほか、高齢者福祉施設数の増加により高齢者福祉施設給食が好調となったものの、各種コストの高騰や事業者の撤退もみられ市場は低い伸びにとどまった。2023年は高齢者福祉施設給食の好調が続くほか、産業給食が給食と合わせた総務代行やオフィス環境の整備を進めるなど付帯サービスも合わせた提案強化を進めていく一方で、食材価格など各種コストの増加から市場は厳しい状況が続くとみられる。

◆調査対象

ファストフード

ハンバーガー、カレーショップ、天丼・天ぷら、チキン、ステーキ、スタミナ丼、ドーナツ、セルフ式そば、とんかつ・かつ丼、サンドイッチ、セルフ式うどん、唐揚げ、クレープ、クイックパスタ、ピザ、定食チェーン、アイスクリーム、回転ずし、スープカフェ、ラーメン、牛丼

テイクアウト

テイクアウト弁当ベーカリーショップ、スイーツ店、デリカショップ、量販店デリカ、百貨店スイーツ店、百貨店デリカ、CVSテイクアウトフード、シュークリーム専門店、おにぎり、CVSカウンターFF、たこ焼き、お好み焼き類、テイクアウトずし、CVSカウンターコーヒー、たい焼き専門店

ホームデリバリー・ケータリング

宅配ピザ、宅配釜飯、ケータリング、宅配ずし、病者・高齢者食宅配、宅配中華料理、仕出し弁当

交通機関

駅構内飲食店、機内食、客船食堂、列車内食、有料道路SA・PA

レジャー施設

ゴルフ場、レジャーランド、ギャンブル場、スキー場、野球場、カラオケボックス、健康ランド、スーパー銭湯、映画館・シネコン、複合カフェ

給食

産業給食、高齢者福祉施設給食、学生食堂、学校給食、有料老人ホーム給食、病院給食、幼稚園、保育所給食


2023/05/30
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。