PRESSRELEASE プレスリリース

第23128号

注目メカトロニクスパーツ (FA・PA設備構成部材)の市場を調査
― 2026年市場予測(2022年比)[日本市場+日系メーカー海外販売] ―
■注目メカトロニクスパーツ36品目 2兆9,981億円(16.1%増)
~2023年に一時的に縮小するが、2024年以降は設備投資回復などにより拡大続く~
●プログラマブルコントローラー 3,540億円(20.8%増)
~リチウムイオン電池関連や物流・搬送関連などの設備投資に伴う需要増加に期待~
●ACサーボモーター 2,929億円(8.5%増)
~二次電池製造装置や車載関連、EV関連製造装置向けで堅調な伸び~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、2023年は需要の落ち込みが一時的にみられるものの、2024年以降に予定される半導体やエレクトロニクス関連の大型設備投資の計画などにより拡大が期待されるメカトロクスパーツ市場を調査した。その結果を「2023年版 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめた。

この調査では、注目のメカトロニクスパーツとしてコントローラー領域6品目、ドライブ領域8品目、センサー領域9品目、受配電・接続機器領域7品目、PA機器領域6品目の市場を調査・分析し、将来を予想した。なお、市場は日本市場+日系メーカー海外販売とするが、参考として世界市場も捉えている。

◆調査結果の概要

■注目メカトロニクスパーツ(FA・PA設備の構成部材)36品目の市場

※日本市場+日系メーカー海外販売

 

2023年見込

2022年比

2026年予測

2022年比

コントローラー領域

5,768億円

97.5%

6,918億円

117.0%

ドライブ領域

9,247億円

98.8%

1兆 754億円

114.9%

センサー領域

2,877億円

99.1%

3,408億円

117.4%

受配電・接続機器領域

2,479億円

94.3%

3,036億円

115.5%

PA機器領域

5,207億円

103.9%

5,866億円

117.1%

合 計

2兆5,577億円

99.1%

2兆9,981億円

116.1%

※市場データは四捨五入している

2022年は、半導体や電子部品関連の好調、部材不足に対応するためユーザーが先行発注を 増やしたことにより、市場は前年から二桁の伸びとなった。特に、部材不足の影響が大きく長納期化が目立ったプログラマブルコントローラーや表示器などのコントローラー、サーボドライバー、インバーターなどのドライブ制御機器の供給が正常化しつつあり、受注残が急速に解消した。

2023年は、中国やアジアの景気後退、また、エレクトロニクス関連の設備投資サイクルが一巡したことにより、市場は低調である。受注残は解消に向かっているものの、前年までの先行発注の反動によって販売店やエンドユーザーが余剰在庫を抱えているため、新規受注が減少している。中期的には半導体関連で大型の設備投資が計画されているほか、在庫消化による受注回復、EVシフトやカーボンニュートラル対応を背景とした生産設備の見直しなども後押しし、堅調な市場拡大が期待される。

コントローラー領域は、プログラマブルコントローラーの規模が大きく、市場をけん引している。2023年は一部の品目で前年の反動減があり、市場は一時的に縮小するとみられるが、2024年以降は堅調な拡大が予想される。今後の伸びが大きいのはPCベースコントローラーで、規模は小さいものの大きく伸びるとみられる。

ドライブ領域は、2023年は新規受注の減少などから多くの品目が縮小するが、2024年以降は回復に向かうとみられる。汎用インバーターは、2023年も好調が続いている。2024年は在庫調整の影響で縮小が予想されるが、2025年以降は堅調な伸びが予想される。

センサー領域も、2023年の市場は縮小するとみられるが、固定式コードリーダーや産業用圧力センサーなどは引き続き伸長が予想される。2024年は多くの品目が前年の落ち込みから伸長に向かい、ロータリーエンコーダーやファイバーセンサー、レーザー変位センサーなどは高い伸びが期待される。

受配電・接続機器領域は、2023年は規模の大きい産業用配線用遮断器やスイッチング電源の需要減少が大きく、市場は前年比5%以上の縮小となった。2024年以降は半導体市場の回復などに伴い各品目の需要が増加し、市場拡大が続くとみられる。

PA(Process Automation)機器領域は、DCS(Distributed Control System)が50%以上を占め、今後も堅調な伸びが予想される。差圧・圧力伝送器などの堅調な需要もあり、市場は拡大が続くとみられる。

◆注目市場

●プログラマブルコントローラー

※日本市場+日系メーカー海外販売

2023年見込

2022年比

2026年予測

2022年比

2,985億円

101.9%

3,540億円

120.8%

プログラマブルコントローラーは、リレー回路の代替として開発された制御装置であり、主に工場などの自動機械の制御に採用されている。

世界的な設備投資の活発化、生産現場の自動化・省人化・DXニーズの高まりにより、半導体関連やEV向けを含むリチウムイオン電池関連の設備などを中心に需要が増加し、近年は市場拡大が続いた。2022年は半導体不足を起因とした先行発注の動きが強まり、受注は急増した。また、円安や部材の調達・材料コストの高騰を背景とした値上げの影響、優先的に供給した高単価製品の販売増加に伴い、市場は大きく拡大した。

2023年は、世界的に製造業の設備投資が低調で新規受注が減少しているため、前年までの受注残の消化が中心となり、市場は一時的に停滞するとみられる。2024年以降は設備投資が回復することから、市場は順調な拡大が予想される。特に、半導体関連の設備投資回復や、EVシフトの加速を背景としたリチウムイオン電池関連やECの利用拡大に対応した物流・搬送関連などの設備投資に伴う需要増加が期待される。

●ACサーボモーター

※日本市場+日系メーカー海外販売

2023年見込

2022年比

2026年予測

2022年比

2,442億円

90.4%

2,929億円

108.5%

サーボモーターは、サーボ機構において位置、速度などを制御する用途に使用するモーターで、ここではACタイプの製品を対象とする。 

2022年は、部材の調達が難しい状況にあり、受注に対して供給が停滞したことや、中国のロックダウンの影響を受けて需要は減少したが、主要メーカーの値上げの影響で市場は前年比5.9%の縮小にとどまった。2023年は、納期は受注残を含め平常に戻っているが、中国における製造業への投資縮小の影響が大きく、市場は前年比9.6%減が予測される。しかし、二次電池製造装置や車載関連、EV関連製造装置向けなどは好調であり、2024年以降はそれらの伸びがけん引することにより、市場は拡大するとみられる。

参考)

■注目メカトロニクスパーツ(FA・PA設備の構成部材)36品目の世界市場

 

2023年見込

2022年比

2026年予測

2022年比

コントローラー領域

3兆8,011億円

101.9%

4兆5,944億円

123.2%

ドライブ領域

5兆3,264億円

100.2%

6兆2,335億円

117.3%

センサー領域

1兆3,995億円

100.8%

1兆6,930億円

122.0%

受配電・接続機器領域

2兆2,118億円

96.1%

2兆6,909億円

116.9%

PA機器領域

3兆4,250億円

104.4%

3兆8,862億円

118.4%

合 計

16兆1,638億円

100.9%

19兆 980億円

119.2%

2022年は、半導体市場の活況や各国で設備投資が堅調であったため、市場は前年比15%近い伸びとなった。2023年は、中国の製造業における設備投資が低調であることから市場は低い伸びにとどまるが、2024年以降は各エリアで設備投資の回復が期待され、堅調な拡大が予想される。

◆調査対象

コントローラー領域

・プログラマブルコントローラー

・産業用コンピューター

・CNC装置

・プログラマブル表示器

PCベースコントローラー

・モーションコントローラー

ドライブ領域

・ACサーボモーター/ドライバー

・産業用ステッピングモーター

・産業用ギアードモーター

・リニアサーボモーター

・汎用インバーター

・産業用PMモーター

・ダイレクトドライブモーター

・三相インダクションモーター

 

センサー領域

・固定式コードリーダー

・レーザー変位センサー

・ロータリーエンコーダー

・光電センサー

・近接センサー

・産業用振動センサー

・ファイバーセンサー

・リニアエンコーダー

・産業用圧力センサー

受配電・接続機器領域

・産業用配線用遮断器

・端子台

・スイッチング電源

・産業用気中遮断器

・産業用スイッチングハブ

 

・コンタクター

・FA用無線システム

 

PA機器領域

・DCS

・記録計

・流量計

・温度調節計

・電力調整器

・差圧・圧力伝送器


2023/11/29
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