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世界の太陽電池関連市場を調査

世界市場 太陽電池(モジュール)は2030年に5兆1,270億円
国内市場 太陽光発電システムは2030年度に産業用が1兆4,000億円、 住宅用が1兆5,000億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、化石資源や原子力からの依存脱却、温室効果ガスの排出削減などを目的に、また、導入支援策によって優良な投機対象としても世界各国で導入が進められている太陽電池と、その関連市場を調査した。その結果を「2014年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。

この報告書では、太陽電池、太陽光発電システム、関連する部材・原料などの市場を調査・分析するとともに、太陽電池の生産量と太陽光発電システムの導入量を比較しての需給ギャップ分析、新たな種類の太陽電池の製造技術、部材・原料や周辺機器の供給状況、性能改善新技術、製造コスト動向、政策の方向性分析など、太陽電池関連業界を川上から川下まで俯瞰して複眼的な分析を行った。

◆調査結果の概要

世界市場(世界市場は1月〜12月の“年次“)

1. 太陽電池(モジュール)

太陽電池の世界市場は、太陽光発電の導入を支援する各国のエネルギー政策に支えられ、2013年に45,855MW、3兆1,300億円となり、出力ベース、金額ベース共に拡大した。太陽電池の主要需要地はこれまで欧州であったが、日本や中国など、アジアの需要が拡大している。特に中国で需要が拡大しており、2013年は生産と共に導入量も世界最大となった。

世界市場は出力ベースで毎年拡大してきた。しかし、太陽電池の価格の下落により金額ベースでは必ずしもその推移と連動していない。太陽電池の価格は量産効果、企業間競争、生産効率の向上などにより年々低下しているが、スペインショックによる需給の緩みと世界的な景気後退が併発した2009年、欧州金融危機が響いた2012年に大幅に下落し、金額ベースで大きく縮小した。同時に価格が下落したことで競争力をそがれた多くのメーカーが淘汰されている。しかし、価格の下落が太陽光発電の普及を促すことに結びつき、導入量が減少することはなく、計画以上の導入を達成する国や地域も出ている。中には、発電コストと系統電力からの電気料金が同等となる”グリッドパリティ”を達成しているところも少なくない。

近年のアジアを中心とする需要拡大を受けて太陽電池メーカーの稼働率は向上し、設備投資も回復に向かっている。また、太陽電池メーカー各社の収益改善に伴い、新しい生産技術や部材の導入、製品開発が活発化して、市場は活況を呈している。

太陽電池関連市場は政策支援によって拡大するが、特需による拡大はいずれ収束に向かう。しかし、太陽光発電システムの販売価格の低下によって導入の経済的ハードルが下がれば政策に依存しない市場形成が期待できる。これまでのドイツ、イタリア、中国、日本、米国といった主要な需要国以外でも導入機運が高まっていくと予想される。

2.パワーコンディショナ

2013年
2030年予測
2013年比
パワーコンディショナ
40,000MW
195,000MW
4.9倍
1兆1,000億円
3兆5,000億円
3.2倍

最大の需要地は欧州で、中型機では欧州が4割を占めるが、近年需要は低調である。一方で需要が急増しているのは、中国やインドなどの新興国、電力ポートフォリオを見直す米国や日本などである。これら国・地域では優遇政策依存度の高い地上設置型の大型案件が多く、大型機の需要が拡大している。但し、長期に亘って太陽光発電を浸透させるには、屋根上設置の中規模案件や住宅用途で導入される環境を整える必要があり、また、発電所建設の適地が減少していくことから屋根上設置が増えるとみられ、中型機も一定の需要を維持すると予想される。

市場は太陽光発電の導入に応じて拡大するが、今後はリプレイス需要も期待され、2030年に195,000MW(2013年比4.9倍)、3兆5,000億円(同3.2倍)が予測される。

国内市場(国内市場は4月〜3月の“年度“)

1.太陽電池(モジュール)

2013年度
2030年度予測
2013年度比
太陽電池
(モジュール)
8,650MW
11,000MW
127.2%
8,100億円
8,000億円
98.8%

国内市場は、2012年7月のFIT開始から急速に拡大している。2013年度は8,650MWの太陽電池が出荷されたが、そのうち7〜8割が40円案件(2012年度に設備認定)向けであった。2014年度に入っても40円案件が数GW残っており、さらに36円案件(2013年度に設備認定)向けの出荷も本格化する。それらを考慮すると、2014年度の出荷量は10,000MWが見込まれるが、それをさらに上回る可能性もある。

2013年度は、太陽電池の価格は需給が逼迫気味であった日系企業の大きくは下がらなかったが、スケールメリットのある大型案件と価格攻勢で攻め入る外資系企業の増加、さらに参入増に伴う競争の活発化に伴って、全体的に下がっている。2015年度も2014年度並みの出荷量が予想されるが、価格の下落により金額ベースでは縮小するとみられる。買い取り価格の引き下げと共に出荷量は徐々に減少に転じていくが、それでも2016年度以降数年間は9GW台を維持すると予想される。

2. 太陽光発電システム(設置ベース)

2013年度
2030年度予測
2013年度比
産業用
5,700MW
6,000MW
105.3%
1兆8,500億円
1兆4,000億円
75.7%
住宅用
1,400MW
5,000MW
3.6倍
5,900億円
1兆5,000億円
2.5倍
合 計
7,100MW
11,000MW
154.9%
2兆4,400億円
2兆9,000億円
118.9%

住宅用が中心であったが、2012年度のFIT施行後は産業用が大きく拡大している。余剰電力買取価格は2012年度に42円/kWh、2013年度に38円/kWh、2014年度には37円/kWhと年々低下しているが、導入量(設置)は引き続き増加している。既築向けの増加に加えて、新築向けも増加している。住宅用はインセンティブが低下しても導入しやすく、中長期的には日陰の住宅を除き、ほとんどの住宅で導入されると予想される。産業用はFITの施行により2012年度に需要が拡大しはじめた。ただ、大型案件が多く、その多くは2013年度以降に持ち越された。2013年度の導入量は前年度比8倍を超える市場となり、2014年度、2015年度も順調に拡大すると予想される。

3.パワーコンディショナ

2013年度
2030年度予測
2013年度比
パワーコンディショナ
9,950MW
19,000MW
191.0%
2,550億円
4,000億円
156.9%

2013年度の市場は、前年度比2.1倍の9,950MWとなった。大型機の販売が好調であった。 小型機(9.8kW未満)は住宅用での需要が拡大しているうえ、2013年度も引き続きFITの恩恵を受けて、特に産業用・低圧案件での需要が急増した。中型機(10kW級・100kW級)もFITの恩恵を受けて増加している。新たに9.9kWや25kW前後の機種を市場投入する動きが見られる。大型機(250kW級・500kW級)は大規模太陽光発電所向けが多く、FITの恩恵を最も受け、2013年度は出力ベースで前年度比2.9倍にまで拡大した。一方で、インセンティブの低下の影響を最も受ける。日本では発電所建設に適した土地が減少していくことや系統容量の課題から、大規模案件が成立しにくくなっている点が懸念される。

中期的に見て産業用では、2015年度に大きくインセンティブが引き下げられるとみられるが、それでもFITによる一定の需要が期待される。長期的には小型機は、住宅用途と低圧案件からの新規需要に加えて、リプレイス需要が期待される。大型機はリプレイス需要が中心になると予想される。

◆調査対象品目

世界市場 太陽電池セル、モジュール(結晶シリコン、薄膜シリコン、CI(G)S、CdTe等)、ポリシリコン、単結晶/多結晶シリコンインゴット・ウエハ、耐熱炭素材料(ルツボ、耐熱構造材、断熱材、ヒーター等)、スライス材料(スチールワイヤ、ダイヤモンドワイヤ)、製造技術(ワイヤーソー等)、バックシート、封止材、接続/接合技術(インターコネクタ、はんだ代替材料、導電バックシート)、電極技術(銀ペースト、アルミペースト、銅ペースト・粉体)
国内市場 太陽電池モジュール、パワーコンディショナ、太陽光発電システム(産業用/住宅用)、O&M支援システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/10/27
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。