マーケット情報


乗用車を中心に普及が進むコネクテッドカーの世界市場を調査

−2035年市場予測(2016年比)−
コネクテッドカー※1(乗用車) 9,990万台(5.2倍) 新車の9割以上がコネクテッドカーに
ライドシェア/配車サービス 7兆630億円(3.4倍) 認知度向上によりユーザー数が増加


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、Car-ITの進展により自動運転を視野に入れた需要増加が期待されるコネクテッドカーとIT業界をはじめ様々な業界の参入がみられるテレマティクスサービス※2や関連システムの市場について調査した。その結果を報告書「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略 2017」にまとめた。

この報告書ではエリア別市場動向やコネクテッドカーと自動運転者の関連性、法規制状況、通信技術動向やサイバーセキュリティに対する取り組みなどに加え、参入企業事例を捉えたほか、コネクテッドカー関連製品やソリューション、今後有望視されているテレマティクスアプリケーションなど50品目の市場の現状を明らかにし、将来を予測した。

※1 インターネット通信機能を付加した車両。 ※2 テレマティクスサービス:自動車と通信システムを利用してリアルタイムで提供する様々な情報サービス。

◆調査結果の概要

コネクテッドカー(乗用車)の世界市場(新車販売ベース)



※その他には通信モジュールを搭載したEV、PHVと国土交通省で定めている「LEVEL3」以上の自動運転車が含まれる。コネクテッドカー比率は乗用車総販売台数とコネクテッドカーの新車販売台数で換算した。

搭載された通信モジュール、あるいはモバイル端末と連携することでインターネット接続を可能とするコネクテッドカーの市場は年々拡大しており、2030年には発売される新車の8割以上、2035年には9割以上がコネクティビティシステムまたはサービスに対応するとみられる。

通信モジュール搭載のエンベデッド型は欧州各国で自動車衝突事故に遭遇した際に、素早い援助を提供することを目的とした「e-Call」の搭載義務化や、盗難車両追跡システム、ADAS、サイバーセキュリティ系のアプリケーションにチップの実装義務化が進んだことに加え、通信モジュールを搭載した車種の展開に積極的な自動車メーカーもみられることから今後も増加が続くと予測される。しかし通信モジュール自体のイニシャルコストやキャリアからの通信料が別途発生するため、ユーザーの負担が大きいことが課題となっている。エンベデッド型に比べ、通信料負担が軽減されるテザリング/モバイル連携型は需要が増加している。自動車および車載機メーカー、シリコンバレーを拠点とするITベンチャーなど様々な企業が展開を加速しており、テザリング/モバイル連携型も市場は堅調に拡大していくとみられる。

◆注目市場

1.テザリング/モバイル連携IVI(車載テレマティクスシステム)

2017年見込
2035年予測
2016年比
市場規模
4,655億円
7,525億円
171.0%

IVI(In-Vehicle Infotainment)は通信環境を利用し、様々な情報提供を可能とする車載システムで、車内での音楽やTV番組のダウンロードを可能にするほか、走行中も目的地へのナビゲーションやリアルタイムの位置情報などを提供する。通信モジュール搭載のエンベデッド型と非搭載のテザリング/モバイル連携型に分けられ、ここではスマートフォンを外付けモデムの様に用いてインターネット接続するテザリング方式のシステムを対象とする。

エンベデッド型は、通信コスト負担が大きな課題であるため、搭載がハイエンド車種に限定されており、普及車においてはテザリング/モバイル連携IVIの搭載が多い。また『Android Auto』(Google)や『CarPlay』(Apple)などのサードパーティテレマティクスシステムの登場により、搭載数は急激に拡大している。今後は通信コストの低下によりエンベデッド型の需要が再び増加するが、テザリング/モバイル連携型は急激な市場拡大にはならないものの、堅調に拡大していくとみられる。

2.シェアリングソリューション

近年、都市部を中心にカーシェアリングなど個人で所有せず、共有での利用が増加している。自動車メーカーが各シェアリング事業者と連携する事例もみられ、シェアリングサービスに対する意識が高まっている。

【ライドシェア/配車サービス】

2017年見込
2035年予測
2016年比
市場規模
2兆2,555億円
7兆0,630億円
3.4倍

ライドシェアはユーザーがスマートフォンのアプリで配車依頼をし、目的地が同じである登録ドライバーが送迎を行う、近年タクシーに代わり注目されている相乗りサービスである。市場はドライバーへの報酬とアプリ利用手数料の合計である。

ライドシェアは認知度向上が進み、簡単にユーザー登録を行えることからユーザー数は増加している。場所や時間に合わせて複数のライドシェアを使い分けるユーザーの増加や、Uberのようにグローバルなサービスの普及によって市場は堅調に拡大するとみられる。今後高齢化が進むことにより、運転が困難になる高齢者の足としても需要が増加するとみられる。

【カーシェアリング】

2017年見込
2035年予測
2016年比
市場規模
2,208億円
1兆4,420億円
8.5倍

カーシェアリングは会員登録を行ったユーザーが、特定の自動車を共同で利用するサービスである。市場はサービス利用の際にかかる月額利用料である。

カーシェアリングはライドシェアや他業態におけるシェアリングサービスの登場などで認知度が向上しており、会員数の増加にあわせて市場が拡大していくとみられる。また、近年では乗り捨てが可能な「ワンウェイカーシェアリング」や個人間でやり取りができる「P2P(Peer to Peer)カーシェアリング」が展開されているが、各地の道路事情や交通事情などから普及するエリアは限定的であり、欧州や中国が市場をけん引していくとみられる。

◆調査対象

シリコン/コネクティビティサービス CPU/MPU、GPU、車載OS、Apps、交通情報ビッグデータ、TSP(テレマティクスサービスプロバイダー)、テレマティクス(OEテレマティクス) 、フリートテレマティクス
コネクティビティハードウェア カーナビゲーションシステム 、PND、MirrorLink対応スマートフォン連携デバイス、デザリング/モバイル連携IVI(車載テレマティックシステム)、エンベデッドIVI/統合的IVI、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、後部座席/助手席インフォテイメント、LiDER(全方位レンジファインダ/レーザースキャナ)、車載用ミリ波レーダ、車載カメラ、車載液晶ディスプレイ(パネル)
コックピット/ヒューマンインターフェース 運転席前方HMI、(センタークラスタ/メータクラスタ用MID)、音声インターフェース、近接センサ/ジェスチャーインターフェース、ハプティックデバイス(力覚提示インターフェース)
ワイヤレスソリューション 車載通信モジュール/テレマティクスモジュール、車載GPS、車載短距離無線技術(Bluetooth/Wi-Fi/NFC)、車載用ワイヤレス充電器、ネットワーク対応型EV充電器(位置情報/満空情報)、非接触給電システム
V2X(V2V/V2I) V2X(V2V/V2I)システム
サイバーセキュリティ 監視系サイバーセキュリティサービス(リスク・脆弱性評価)、ハイパーバイザーソフトウェア(OS仮想化)、Over-the-Airソフトウェアアップデート、ハードウェアセキュリティ(セキュアSoC/HSM)、Appsセキュリティ用フレームワーク、CANバスファイアウォール、EUCセキュリティ
有望テレマティクスアプリケーション ナビゲーション地図 、3D高度化地図、車載デジタルeコマース、盗難車両追跡システム、車載電波放送(インターネットラジオ/衛星放送/欧州DAB)、テレマティクス自動車保険、リアルタイム警告/ヘルス・ウェルネスモニタリング、緊急通報(eCall/911Assist)、生産性向上/車内オフィス、リモート故障診断/OBD
シェアリングソリューション カーシェアリング、ライドシェア/配車サービス、駐車場シェア

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/03/03
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。