PRESSRELEASE プレスリリース
水処理関連技術・製品の市場を調査
水処理膜は2,860億円(37.9%増)海水淡水化、工業用水処理向けに需要拡大
MBR用膜は680億円(49.8%増)公共下水、農業集落排水処理向けに需要拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、新興国の人口増加と工業化の進展に伴う水資源の維持・確保や各国において活発化する水処理技術の研究開発支援、官民連携事業の強化などを背景に注目度が高まっている水処理の関連製品・技術・サービスの市場動向を調査した。 その結果を報告書「2016年版 水資源関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
この報告書では、水処理膜4品目、水処理薬品・副資材7品目、水処理装置・プラントエンジニアリング9品目、水処理O&Mサービス及び関連機器6品目について、その関連製品・サービスの市場動向や技術動向、世界市場動向、日系企業の海外実績や展開動向を調査した。なお、市場は国内市場+日系企業の海外実績を基本とし、一部品目は世界市場又は国内市場とした。
◆調査結果の概要
1.水処理膜 [世界市場]
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
2,074億円 |
2,860億円 |
137.9% |
MF/UF膜は海外需要が中心となる海水淡水化前処理のほか、膜ろ過浄水場で国内需要があり、浄水場、工業用水処理などの用途で採用が増加している。RO/NF膜は工業用水処理向けの脱塩用途をはじめ、海水・かん水淡水化向けや中国や台湾、韓国などで需要の大きい純水・超純水製造装置向け、発電所向けなどがあり、海外を中心に需要が拡大している。MBR用膜は下水処理や工業排水処理を中心に膜の導入本数が多い大規模案件での需要が拡大している。国内では食品・飲料や化学などの産業排水の再利用化や排水中のBOD/COD値の削減目的で導入が増加しているものの、リプレイス需要が中心となるため、微増が続くと予想される。
2.水処理薬品・副資材
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
1,624億円 |
1,658億円 |
102.1% |
※市場は国内市場+日系企業の海外実績を対象
薬品は製品での差別化が図りにくく、海外では現地ローカルメーカーとの価格競争が激しいことから日系企業の海外実績は伸び悩んでいる。国内はケミカルレスや薬品・コスト削減により、縮小しつつある。水殺菌・消毒用薬品のうち、高度さらし粉は、プールなどの殺菌消毒用途で海外では実績が高く、好調となっている。活性炭やイオン交換樹脂、EDIモジュールなどの副資材については、国内は低迷しているが、活性炭やイオン交換樹脂が、海外においても水処理の高度化需要を獲得し始めており、海外実績が拡大している。
3.水処理装置・プラントエンジニアリング
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
1,699億円 |
1,880億円 |
110.7% |
※市場は国内市場+日系企業の海外実績を対象
海水淡水化装置・プラントは、大型案件受注の有無により市場規模が大きく変化する。2015年は原油価格下落の影響もあり、最大市場である中東地域での需要の伸び悩みがみられた。2016年も原油価格の上昇がみられなければ、同地域での海水淡水化プロジェクト案件の中止やペンディングが懸念される。
超純水製造装置、超微細・微細気泡散気装置は、半導体・FPD関連メーカーが多い台湾や韓国、中国といった海外の需要が高い。中国政府が半導体製品の内製化に向けて取り組みを強化していることから、今後中国の需要はさらに拡大するとみられる。
4.水処理O&Mサービス及び関連機器
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
|
市場規模 |
1,874億円 |
2,331億円 |
124.4% |
※市場は国内市場+日系企業の海外実績を対象
純水・超純水供給サービスや地下水利用サービスは、初期コストや維持管理コスト削減、技術者不足を背景に民間委託が進む浄水場や下水処理場、民間工場で需要が拡大している。
水道事業の民間委託は、従来浄水場の一部の範囲であったが、浄水事業の中核部分に拡大する動きもみられる。民間委託が進むことで業務の効率化が図られ、サービス利用が促進されると予想される。
遠隔監視システムは、これまで重電系メーカーが手掛ける遠隔監視システムより、低コストで運用できるクラウドシステムを用いた遠隔監視システムに注目が集まっている。
下水道管渠更生は下水道インフラ老朽化の進行を受け、市場は拡大している。下水道インフラは、管渠の老朽化に起因した道路陥没が深刻な社会問題となっており、今後も更新ニーズの増加に伴い拡大すると予想される
◆注目市場
1.MBR(膜分離活性汚泥法)用膜 [世界市場]
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
454億円 |
680億円 |
149.8% |
海外は、中国や中東地域、オーストラリアなどでは、新規大型下水処理場で導入が増加しているほか、台湾では、エレクトロニクス(半導体・液晶)分野の工場で排水再利用化ニーズの高まりにより導入が増加している。中国では、2015年に「水十条(水質汚染防止行動計画)」が新たな施策として打ち出されるなど、環境規制が強化される中、MBR用膜の需要拡大が予想される。
国内は、下水処理場では導入が進んでおらず、民間の食品・飲料、化学工場の排水再利用目的の需要が少しずつ出てきており、緩やかに拡大するとみられる。
2.イオン交換樹脂 [世界市場]
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
935億円 |
1,088億円 |
116.4% |
海外は、中国をはじめとしたアジアで、食品・飲料や化学など工業化の進展に伴い需要が増加している。特に中国では半導体産業の強化を進めており、それに伴う超純水製造向けも拡大している。また、アジアを中心に電力不足解消のために火力や原子力発電所の建設が進められており、発電所の水処理需要も旺盛である。加えて、硬水の地域では生活用水や工業用水、ボイラ用水向けの軟水化ニーズも高いことから市場は拡大が予想される。
国内は、主要需要分野だった原子力発電向けが震災以降の稼働停止の影響で大幅に減少したが、火力発電向けが増加しており、2016年は4月からの電力自由化に伴って、民間の小規模発電所向けが増加している。また、食品や製薬向けは安定した需要があるものの、エレクトロニクス産業の不振は続いており、工場の海外移転などの影響もあり、市場は微増が続くと予想される。
3.超純水製造装置 [世界市場]
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
805億円 |
1,160億円 |
144.1% |
海外は、エレクトロニクス分野の工場が多く集積する中国や台湾、韓国における需要が堅調となっているほか、新興国を中心に都市化、工業化の進展伴う電力不足解消に向け、発電所の新設も増えるとみられることから、今後市場はさらに拡大すると予想される。
国内は、半導体産業やFPD向けについては依然として不透明感が強いものの、ウエアラブル機器やIoT産業の立ち上がりに伴い、センシング関連分野での需要の増加が期待される。
4.遠隔監視システム [国内市場]
2015年 |
2020年予測 |
2015年比 |
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市場規模 |
34億円 |
51億円 |
150.0% |
※市場は国内公共案件を対象とするため年度(4月〜翌3月)で算出
国内の上下水道設備の多くは老朽化が進んでおり、遠隔監視システムの更新需要が拡大している。上下水道事業を運営する自治体において、施設の運営・管理コストの削減や監視システム運用の効率化といった課題が顕在化している中、従来のテレメータ方式の遠隔監視システムと比べ、各施設に設置されるテレメータ装置や監視用モニタ・設備などのイニシャルコストが低いクラウド型遠隔監視システムの導入が増加しつつある。
今後も、浄水場や下水処理場、中継ポンプ場、雨水ポンプ場、排水池など、各地に点在する施設・設備を効率よく監視し、O&Mに活用するキーデバイスとして、上下水道の遠隔監視システム市場の拡大が予想される。
◆調査対象
市場は国内市場+日系企業の海外実績を基本とし、一部品目は世界市場又は国内市場とした
| 水処理膜 | MF膜(精密ろ過膜)/UF膜(限外ろ過膜)、RO膜(逆浸透膜)/NF膜(ナノろ過膜)、MBR(膜分離活性汚泥法)用膜、FO膜正(浸透膜) |
| 水処理薬品・副資材 | ボイラ・冷却水用薬品、水殺菌・消毒用薬品、無機凝集剤、高分子凝集剤、活性炭、イオン交換樹脂、EDIモジュール(電気再生式イオン交換装置) |
| 水処理装置・プラントエンジニアリング | 純水製造装置、超純水製造装置、軟水装置、オゾン発生装置(オゾナイザ)、紫外線水処理装置、超微細・微細気泡散気装置、脱水機、嫌気処理システム、海水淡水化装置・プラント |
| 水処理O&Mサービス及び関連機器 | 水道事業の民間委託、下水道施設の民間委託、純水・超純水供給サービス、遠隔監視システム、下水道管渠更生(ライニング)、地下水利用サービス |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
