PRESSRELEASE プレスリリース
2030年市場予測 720億円(2019年比42.4倍)
効率化・省人化の進展により、ユーザー完結モニタリングから移行進む
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、人手不足や設備・インフラなどの老朽化によるサービスニーズの高まり、クラウド環境の整備や5G・LPWAなど通信方式の多様化により、さらに幅広い分野で本格採用・普及拡大が進むとみられるリモートモニタリングサービスの国内市場を調査した。その結果を「2020年版 リモートモニタリング関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、ベンダーが提供する有償サービス市場に加え、無償サービス※1やユーザー内で完結するモニタリングを今後有償サービスが採用される可能性のある参考市場※2として調査・分析し、リモートモニタリングサービス市場の全体像を明らかにした。
※1無償サービス:アフターサービス料金に内包するなど、単独のリモートモニタリングサービスの提供がないものも含む
※2参考市場:モニタリングデータ収集の量や頻度を基に内部コストを推計し算出
◆注目のリモートモニタリングサービス市場
■監視カメラ
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2019年 |
2030年予測 |
2019年比 |
有償サービス |
17億円 |
720億円 |
42.4倍 |
(参考)ユーザー完結 |
734億円 |
1,260億円 |
171.7% |
インターネットを通じ遠隔での画像確認や複数カメラの一括管理などが可能なIPカメラを利用し、撮影データをクラウドサーバー上で管理し、遠隔地からの映像監視を可能とするサービスを対象とする。
現状、施設ごとに録画装置を設置して撮影データを管理・閲覧するユーザー完結モニタリングが大半である。今後は、防犯・防災用途だけでなく、生産ラインの稼働監視、マーケティングを目的とした店舗の動線分析など用途の広がりや、各分野の効率化・省人化の進展により、有償サービスの採用率が上昇するとみられる。
また、AIによる画像解析や、5G通信や360°映像など高付加価値化が期待されることから、有償サービス市場は2030年に720億円(2019年比42.4倍)と大幅な拡大が予測される。
■ガスメーター
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2019年 |
2030年予測 |
2019年比 |
有償サービス |
182億円 |
285億円 |
156.6% |
(参考)無償サービス |
79億円 |
312億円 |
3.9倍 |
都市ガスやLPガスのメーターの遠隔検針、消し忘れ・ガス漏れの監視や遠隔遮断を行うリモートモニタリングサービスを対象とする。
現状では、ガスメーターの大半がリモートモニタリングに対応していない 。LPガスに限定すると、小規模事業者の淘汰が進み大規模事業者へ集約されたことで、検針エリアの広域化に対応するため遠隔検針のニーズが高まっており、リモートモニタリングの利用が増えている。また、都市ガスでは、消し忘れやガス漏れなどを監視する安心・安全を訴求する有償サービスが中心であるが、今後はスマートメーター化が進むことで、遠隔検針の本格採用が進むとみられる。
有線回線や携帯電話キャリア回線が採用されているが、今後は通信コストが安価で周辺の通信環境への依存が少ないLPWAの採用が増加するとみられる。検針コストが低下していくことで、遠隔検針の導入障壁が下がり、無償サービスでのリモートモニタリングの活用が高まるとみられる。
■物流トラック
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2019年 |
2030年予測 |
2019年比 |
有償サービス |
54億円 |
110億円 |
2.0倍 |
運送事業者が保有する物流トラックの運行管理や稼働監視を行うリモートモニタリングサービスを対象とする。
主にトラックメーカーが自社製品ユーザーへのアフターサービスとして、有償で提供している。現状、サービスの採用率は物流トラックの台数に対して15%程度とみられるが、トラックメーカーは製品の差別化や顧客囲い込みを目的に、テレマティクスサービスの展開に注力していることから、市場は拡大していき2030年に110億円が予測される。
ドライバー不足の深刻化もあり、配送ルートの最適化や車両が故障する予兆の監視など、物流配送業務の効率化ニーズは高まっている。有人運転の先頭車両に複数台の無人トラックを追従させる隊列走行など自動走行の実用化に向けた試みもみられる。今後はリアルタイムでトラックの周辺情報の把握が可能となる5G通信の採用が進むとみられる。
■空調設備
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2019年 |
2030年予測 |
2019年比 |
有償サービス |
164億円 |
250億円 |
152.4% |
(参考)無償サービス+ユーザー完結 |
78億円 |
114億円 |
146.2% |
空調設備の稼働状況を把握するリモートモニタリングサービスを対象とする。故障・不具合の早期発見やメンテナンス・リプレース時期の明確化など保守管理のほか、稼働台数や温度などの自動制御によるエネルギー利用の最適化も可能となる。
空調設備はモニタリングサービスに接続していないケースが多い。しかし、空調機器メーカーなどが、設備管理の省力化や予防保全の高度化、リプレース案件獲得のための顧客囲い込みなどを目的として、クラウドを活用したリモートモニタリングサービスへの注力度を高めており、市場は拡大が予想される。
◆調査結果の概要
●リモートモニタリングサービス市場
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2019年 |
2030年予測 |
2019年比 |
有償サービス |
7,032億円 |
1兆 547億円 |
150.0% |
(参考)無償サービス+ユーザー完結 |
6,926億円 |
1兆 884億円 |
157.1% |
高齢化や後継者不足による人手不足、施設・設備・インフラの老朽化が進んでいるため、センサーデバイスなどを活用した状態監視の自動化ニーズが高まっている。LPWAなど安価な通信方式の登場やクラウド環境の整備により、導入に必要となる通信インフラのコストも下がりつつあり、より幅広い分野でリモートモニタリングサービスの採用や普及が進むとみられる。
有償サービス市場は、法定点検の簡略化などの導入メリットや人件費の削減など明確な費用対効果が提示できるサービスが多く、建物設備分野における設備点検や稼働監視のアウトソーシング、コンシューマー分野におけるセキュリティ・見守りサービスの占める割合が高い。
一方、無償サービスの場合は、事業者はハードウェアの販売や点検・メンテナンスなどのアフターサービス契約によって収益を確保している。ユーザー完結モニタリングも含めると、エネルギーインフラにおける遠隔自動検針の導入が進む生活インフラ分野、設備機器メーカーなどによるアフターサービスの高度化・高付加価値化を目的とした展開がなされる建物設備分野などの割合が高い。
長期的には自動運転技術の実用化や遠隔操作による保守メンテナンス対応の広がり、設備導入から運用管理・設備更新までのアウトソーシングを前提としたサブスクリプションビジネスの普及、共通IoTプラットフォーム化の進展によるプラットフォームビジネスの拡大など、モニタリングデータを活用した状態監視にとどまらないサービスの展開により、リモートモニタリングサービスのビジネスモデルは多様化していくとみられる。
◆調査対象リモートモニタリングサービス
建物設備分野 |
エネルギー分野 |
環境インフラ分野 |
モビリティ分野 |
・エレベーター |
・太陽光発電 |
・水質 |
・自動車(位置情報) |
・空調設備 |
・風力発電 |
・橋梁 |
・タクシー配車 |
・受変電設備 |
・自家発電機 |
・気象 |
・建機 |
・ボイラ |
・定置用蓄電池 |
商業・オフィス分野 |
・物流トラック |
・監視カメラ |
・プラント |
・冷凍・冷蔵ショーケース |
・物流パレット |
・UPS |
生活インフラ分野 |
・自動販売機 |
コンシューマー分野 |
・機械警備 |
・産業排水 |
・コインパーキング |
・住宅 |
・工作機械 |
・電力スマートメーター |
・デジタルサイネージ |
・ホームセキュリティ |
・AED |
・ガスメーター |
・POSシステム |
・ウェアラブルデバイス |
・建物 |
・水道メーター |
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農業・畜産分野 |
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・マンホールポンプ |
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・農作物・栽培環境 |
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・ゴミ箱 |
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・農業機械 |
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・家畜 |