PRESSRELEASE プレスリリース
■生活用品 2兆513億円(98.8%)
殺虫剤・忌避剤やシルバーケア用品などが伸びているが除菌・ウイルス対策用品が大幅縮小
●ペーパータオル・キッチンペーパー【クッキング用品】 376億円(109.3%)
ペーパータオル好調。ソフトパックや多様な紙質の展開でクッキング用途以外の対応も進む
●歯磨剤【オーラルケア用品】 1,001億円(104.8%)
2025年、国民皆歯科健診開始。参入企業の販促活発化
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コロナ禍を経た外出機会増加、インバウンド需要回復の影響や、参入企業の価格改定、また、高機能・高単価商品の販売強化などで動きがみられる生活用品の国内市場を調査した。その結果を「トイレタリー&ライフスタイルグッズマーケティング要覧 2024-2025」にまとめた。
この調査では、ランドリー・ファブリックケア用品6品目、芳香・消臭剤2品目、清掃関連用品12品目、クッキング用品8品目、ヘルスケア用品3品目、殺虫剤・忌避剤3品目、除菌・ウイルス対策用品6品目、パーソナルケア用品6品目、ベビーケア用品3品目、シルバーケア用品2品目、フェムケア用品3品目、オーラルケア用品6品目の計60品目を対象に、生活用品の国内市場の現状を明らかにし、将来を展望した。
◆調査結果の概要
■生活用品の国内市場
2024年は、価格改定のプラス作用や高機能・高単価商品の販売強化による伸長がみられる。殺虫剤・忌避剤やシルバーケア用品、オーラルケア用品などは大きく伸びた。一方、物価上昇に伴う生活防衛意識の高まりで芳香・消臭剤は買い控えが生じ縮小した。さらに、除菌・ウイルス対策用品が家庭用マスクを中心に大幅に縮小し、市場は微減が予想される。
ランドリー・ファブリックケア用品は、市場の5割以上を占める合成洗剤(含洗濯助剤)や柔軟仕上剤において参入企業が高機能・高単価商品の販売を強化しており、2024年は微増が予想される。特に、合成洗剤(含洗濯助剤)は、液体コンパクトの「アリエール MiRAi」(P&Gジャパン)の発売など、商品の活性化が進んでいる。
清掃関連用品は、簡便性・時短を訴求した「トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック」(花王)のヒットなどにより、住居用クリーナーが伸長している。また、トイレ洗浄剤やディスポーザブルクリーナーなども好調で、2024年の市場は微増が予想される。ただし、規模の大きいトイレットペーパーについては、再度の価格引き上げによる買い控えの影響で縮小するとみられる。
殺虫剤・忌避剤は、2024年は「シンカトリ」(大日本除虫菊)と「ゴキッシュ スッ、スゴイ!」(アース製薬)が発売されるなど売り場が活性化されたほか、ダニ・不快衛生害虫用でも新商品が発売されたことにより、殺虫剤が伸長し、市場拡大が予想される。
シルバーケア用品は、高齢者人口の増加で軽失禁ライナー・パッドを中心に需要が高まっている。また、高吸収タイプの大人用紙おむつが好調であるほか、価格改定によって単価が上昇しているため、2024年の市場は2023年比6.6%増が見込まれる。
オーラルケア用品は、2024年、自治体の歯周病健診の対象に20歳と30歳が追加され、歯科健診の機会が増加したためデンタルフロスや歯間ブラシが伸長している。また、外出機会の増加や脱マスクが進んだことから歯周病ケアや虫歯ケアにとどまらない多様な機能を訴求した歯磨剤や、トラベルセットなどの歯ブラシが伸長している。加えて、オーラルケアの意識の高まりと相次ぐ災害を背景に、洗口剤に注目が集まっており、2024年の市場は拡大が予想される。
◆注目市場
●ペーパータオル・キッチンペーパー【クッキング用品】
キッチン周辺で広く使われるペーパータオルと、水や油切りなど調理用途に特化したキッチンペーパーを対象とする。
節約志向で自炊が増えているため、共に需要が増加している。また、衛生意識の高まりを背景に、手洗いや洗顔時のタオルやハンカチの代替としてペーパータオルが使用されている。参入企業の価格改定で単価が上がっていることもあり、2024年の市場は前年比6.1%増が見込まれる。
現状はペーパータオルとキッチンペーパーの割合は、9:1である。今後は、汎用性の高さを背景に、キッチンペーパーから調理用途以外でも使用されるペーパータオルへさらに需要がシフトするとみられる。ペーパータオルは使いやすいソフトパックや多様な紙質の展開などが進んでいるため、ペーパータオルの伸びによって2025年も市場は拡大するとみられる。
●歯磨剤【オーラルケア用品】
歯磨剤は、ペーストやジェル、粉末、錠剤の商品を対象とする。液体歯磨は対象外とする。
2024年は、コロナ禍の収束によるインバウンド需要の回復と、脱マスクや外出機会増加によるオーラルケア意識の向上で、市場は拡大している。歯周病ケアや虫歯ケアに加え、美白や知覚過敏、口臭ケアに対応した商品、また、複合訴求をはじめとした高機能・高単価商品が好調である。
2025年は、国民皆歯科健診の導入が予定され、参入各社の商品展開や啓発活動、情報発信が活発化するとみられ、市場は2023年比4.8%増の1,001億円が予測される。歯磨剤の使用率は既に高いため人口減少に伴って購入者の減少は避けられないが、単価上昇がカバーし、今後も市場拡大が続くとみられる。
●ディスポーザブルモップ【清掃関連用品】
2024年の市場は、ヘッド部分に消臭機能やブラックの色追加などを行ったリニューアル商品が販売され、また、上位メーカーは高付加価値商品の販促活動を進めており、前年比2.4%増の211億円が見込まれる。
拭き掃除が可能なロボット掃除機や、狭い場所でも使用可能なスティック型掃除機の普及による影響が懸念されるものの、参入各社は本体の簡便性向上や取り換え用商品のカラーバリエーション強化、また、高機能・高単価商品の販促に注力していることから、引き続き市場拡大が予想される。また、機能性向上などを背景に、住居用クリーナーやディスポーザブルクリーナーからモップへと需要がシフトしているため、2025年の市場は2023年比3.9%増が予測される。
●大人用紙おむつ【シルバーケア用品】
2024年は、高吸収タイプの高単価商品が好調であることや価格改定で単価が上昇したことにより、市場は拡大している。
アクティブシニアは軽失禁パッド・ライナーを使用するケースもみられるが、高齢者人口の増加、また、健康寿命の延伸などを背景に、介護環境が病院や介護施設から在宅介護へ移行するため、市販用の需要が高まることから、市場拡大が予想される。
◆調査対象
ランドリー・ファブリックケア用品・合成洗剤(含洗濯助剤)
・ファッション洗剤(含ドライマーク洗剤)
・柔軟仕上剤
・衣料用漂白剤
・衣料用消臭スプレー
・衣料用防虫剤
芳香・消臭剤
・室内用芳香・消臭剤
・トイレ用芳香・消臭剤
清掃関連用品
・トイレ洗浄剤
・トイレットペーパー
・ティシュペーパー
・除湿剤
・住居用クリーナー
・クレンザー
・パイプクリーナー
・家庭用排水口洗浄剤
・ディスポーザブルクリーナー
・ディスポーザブルモップ
・防カビ・カビ取り剤
・洗濯槽クリーナー
クッキング用品
・台所用洗剤
・ペーパータオル・キッチンペーパー
・食器洗い(乾燥)機専用洗剤
・ラッピングフィルム
・食品保存用品
・アルミホイル・クッキングシート
・冷蔵庫用脱臭剤
・台所用漂白剤
ヘルスケア用品
・使い捨てカイロ
・温熱シート・パッド
・冷却関連用品
殺虫剤・忌避剤
・殺虫剤
・燻煙・燻蒸剤
・忌避剤
除菌・ウイルス対策用品
・家庭用マスク
・ウェットティシュ
・手指消毒剤
・除菌剤
・ハンドソープ
・鼻洗浄用品
パーソナルケア用品
・ボディシャンプー
・ハンドクリーム
・石鹸
・浴用剤
・汗拭きシート
・制汗剤
ベビーケア用品
・ベビー用スキンケア
・ベビー用紙おむつ
・おしりふき(ベビー用ウェットティシュ)
シルバーケア用品
・大人用紙おむつ
・軽失禁ライナー・パッド
フェムケア用品
・生理用品
・パンティライナー
・デリケートゾーン用ボディケア
オーラルケア用品
・歯磨剤
・歯ブラシ
・洗口剤
・デンタルフロス
・歯間ブラシ
・義歯安定剤・洗浄剤