PRESSRELEASE プレスリリース

第25045号

国内の通販、仮想ショッピングモール、ネットスーパー市場を調査
■通販市場(物販) 2035年予測 18兆6,379億円(2024年比13.9%増)
ECを中心に、利用頻度増加とともに市場拡大続く

●仮想ショッピングモール市場 2035年予測 13兆1,870億円(同15.5%増)
引き続きセール時のまとめ買い需要を喚起

●ネットスーパー市場 2026年予測 3,130億円(同15.5%増)
利用習慣の定着や対応エリアの拡大などによって需要を取り込む

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コロナ禍を経て、食品・生鮮品や生活雑貨などの最寄り品を中心に、購入チャネルならではの利便性や経済性を重視した消費者の定着が進む通販(通信販売)の国内市場を調査した。その結果を「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2025」にまとめた。

この調査では、通販(物販)市場を通販形態別、商品カテゴリー別に分析した。また、前年調査に続き、その他を除く、9商品カテゴリーの物販総市場に占めるEC(電子商取引)化率を分析するとともに、新たに通販実績上位150社のランキング、主力事業の会員基盤を武器にサービス開始以降著しい成長を示す交通系の新興仮想ショッピングモールのケーススタディを行った。

◆調査結果の概要

■国内の通販市場(物販)

国内の通販市場(物販)

2020年の市場は、新型コロナウイルスの感染拡大によって外出自粛、実店舗で休業・時短営業を強いられたことから購買が通販へとシフト、大幅な拡大を遂げた。その後、外出頻度回復、実店舗回帰が進んでいるが、通販ならではの利便性や経済性を重視した顧客の定着によって拡大を維持している。

2024年の市場は、実店舗でのECへの誘引やプロモ―ションなど参入各社の施策に加え、輸入越境ECやネットスーパーの台頭により、前年比2.8%増となった。

通販形態別では、引き続きECへの集約が進んでいる。ECは、これまで成長をけん引していた大手仮想ショッピングモールが苦戦したが、堅調に伸長した。一方、EC活用強化によってECシフトが進んだテレビ通販、コスト抑制からカタログ発行部数を減らしたことで顧客離れが進んだカタログ通販などは前年割れとなった。

商品カテゴリー別では、物価高騰からセール時にまとめ買いが増えている食品・生鮮品、人気の韓国コスメをはじめ商品ラインアップが豊富な化粧品は好調を維持した。一方、需要そのものが伸び悩んでいる家電製品・パソコン、家具・インテリア・寝具は伸びが鈍化した。また、電子書籍やサブスクサービスへの需要流出が続く書籍・ソフト、健康被害問題の影響を受けた健康食品は前年割れとなった。

今後も市場は、食品・生鮮品や生活雑貨、化粧品など最寄り品を軸とした商品の買い回りが進むことで、ECを中心に利用頻度が高まり、市場拡大すると予想される。

1.注目通販形態別市場(EC、仮想ショッピングモール)

注目通販形態別市場(EC、仮想ショッピングモール)市場

ECは、仮想ショッピングモールや専門型ECの台頭、また、カタログ通販やテレビ通販などからのシフトによって市場が拡大してきた。

2024年は、物価高騰からセール時のまとめ買いが増えており、仮想ショッピングモールなどがセール時の販促を強化して需要を取り込んだほか、実店舗との連携を強化しているニトリホールディングスやイオンリテールなどが好調だった。一方、商品のカテゴリーや価格帯などによってどのチャネルで購入するかが消費者の中で定着しつつあり、新規ユーザーが減少していることから、市場は拡大したものの、前年比3.5%増にとどまった。

ECは、実店舗に劣らない豊富な商品ラインアップや当日・翌日配送などといった利便性を重視したユーザーによる継続利用が続いている。また、GMS・SMや仮想ショッピングモールが注力するネットスーパーが店頭やWeb上でのプロモーション、新規利用者に向けたクーポンの配布、配送エリアの拡大などによって利用者数の底上げを進めていることから、今後も市場は拡大すると予想される。

仮想ショッピングモールは、特定の商品カテゴリーに特化した専門モールを除き、「Amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などの総合通販サイトを対象とする。仮想ショッピングモールは、欲しいものが見つかり、購入できるというワンストップショッピングで需要を獲得し、近年では囲い込みやサービス拡充による集客力の向上に加え、出店数や取扱商品数を増やし、通販市場における存在感を高め続けている。また、定期的なセールの実施やポイント付与によって新規ユーザーの獲得と継続利用の促進を図っているほか、食品や日用品を短いリードタイムで配達するネットスーパー事業への取り組み、ふるさと納税の仲介事業(本資料対象外)など、サービスの幅を広げている。

2024年は、各社下期のセール時は好調だった一方、セール時以外は苦戦する企業もみられ、市場は前年比2.4%増にとどまった。2025年もセール時の需要集中は続くとみられる。また、各社とも日常的な利用を促進するため最寄り品のラインアップ拡充や定期便サービス、ネットスーパー事業などの取り組みを強化していることから、市場は前年比2.7%増が見込まれる。

2.注目商品カテゴリー別市場(食品・生鮮品、化粧品)

注目商品カテゴリー別市場(食品・生鮮品、化粧品)市場

食品・生鮮品は、カタログ通販やテレビ通販で販売される高単価・高付加価値商品がメインであったが、2010年代以降、仮想ショッピングモールやネットスーパーにより清涼飲料や調味料などの最寄り品の扱いが増えている。

2024年の市場は、震災が発生したことから防災・保存関連の食品、実店舗で欠品となった米の需要が急増した。また、通販適性の高い清涼飲料やアルコール飲料、おせち料理や海鮮類といった高単価商品の通販購入が定着し需要も伸びたことから拡大した。2025年は、ECでは最寄り品を中心に利用頻度やバスケット単価の上昇、定期購入につなげる施策が強化され、ユーザーの囲い込みが図られている。また、ネットスーパーでは配送エリアの拡大や販促の強化に加え、実店舗からECへ誘引する動きもみられることから、市場は拡大するとみられる。

清涼飲料をはじめとした通販適性の高い商品のECでの購入が定着化しているほか、ネットスーパーが配送エリアの拡大、サービスの向上により利便性を高めていることから、今後も市場は拡大が予想される。

化粧品の市場は、1980年代にファンケルやオルビスなど、カタログや新聞広告、チラシなどの紙媒体を用いた通販専門企業が増加したことで成長を遂げてきた。

2024年の市場は、韓国系コスメ人気の高まりを背景に、実店舗では取り扱いが少ないブランドや新興ブランドが仮想ショッピングモールを中心に販売を伸ばしたほか、実店舗減少・売り場縮小が続くなか、制度品や百貨店系のカウンセリングブランドが新たな購入チャネルとなったECで販売を伸ばしたことから拡大した。2025年も実店舗では依然として新興ブランドや韓国系ブランドの取り扱いが限定的であるため、商品ラインアップを拡充できるECの需要は高く、市場は拡大するとみられる。

今後も百貨店や化粧品専門店の店舗数減少が避けられない中で、将来的な需要流出を防ぐためにEC販売に注力する企業が多いことから、ECを中心に市場拡大が続くと予想される。

◆注目市場

●ネットスーパー

ネットスーパー市場

GMS・SMといった流通系企業が店頭展開している食品・生鮮品などを、自社物流網を活用して注文から最短当日配送する店舗発送型と、倉庫内に在庫を保管し注文を受け直接配送する倉庫発送型のECを対象とする。

ネットスーパーは2010年以降、大手流通系企業を中心に新規参入が進んだことで認知度が高まった。配送設備や在庫管理システムなどの投資が収益を圧迫して撤退する企業もみられたが、利便性が評価され市場は拡大してきた。

2024年は、参入企業が初回配送料無料キャンペーンや実店舗でネットスーパーのプロモーションを進めるなど、オムニチャネル戦略を強化したほか、2023年から本格展開している倉庫型配送型サービス「Green Beans」(イオンネクスト)や「Amazon Fresh」(アマゾンジャパン)が対応エリアの拡大を進めたことで、市場は続伸となった。

ネットスーパーは、注文して最短当日配送されたり、店舗で受け取れたりなど、利便性の高さから共働き世帯や子育て世帯、介護世帯といった幅広い需要を取り込み市場拡大している。燃料費や人件費が高まる中で収益性の確保や、競合関係にある「Uber Eats」などのデリバリープラットフォーム(本資料対象外)や生協宅配をはじめとした定期便サービスとの差別化が課題となっているが、今後も利用の定着や対応エリアの更なる拡大、サービスの向上によって、様々な環境下にある世帯で高まる需要を取り込みながら市場は拡大が続くと予想される。

◆調査対象

●通販形態

カタログ通販
・総合通販
・百貨店通販
・専門通販(食品・生鮮品、健康食品、医薬品、アパレル、他)

テレビ通販
・テレビ通販専門局
・番組型ホームショッピング
・インフォマーシャル
・スポット広告型テレビ通販

ラジオ通販
・ラジオ放送局運営型
・番組枠買取型

EC
・総合通販(仮想ショッピングモール含む)
・百貨店系通販
・専門通販(自社サイトでの運営)
・小売店宅配(ネットスーパー、小売拠点型通販)

その他
・各社の通販事業に含まれる頒布会、催事販売などを含む

●商品カテゴリー

食品・生鮮品
・加工食品
・清涼飲料
・アルコール飲料
・調味料
・和洋生菓子
・惣菜
・自然食
・水産物
・農産物 など

健康食品
・健康食品
・サプリメント

化粧品
・スキンケア
・メイクアップ
・ヘアケア・ヘアメイク
・ボディケア
・フレグランス
・ベビー用スキンケア など

医薬品
・医薬品(一般用医薬品)

生活雑貨
・キッチン雑貨
・洗濯用品
・タオル
・美容雑貨
・健康雑貨
・トイレタリー用品
・衛生用品
・洗剤 など

アパレル
・婦人服
・紳士服
・子供服
・ベビー服
・服飾雑貨
・宝飾品 など

家電製品・パソコン
・家電類
・パソコン本体
・パソコン周辺機器
・パソコンソフト
・美容家電
・スマートフォン本体
・スマートフォン周辺機器
・カメラ など

書籍・ソフト
・書籍
・雑誌
・音楽CD
・映像DVD など

家具・インテリア・寝具
・家具
・収納用品
・カーテン
・カーペット
・インテリア用品
・ベッド
・寝具
・布団 など

その他
・ペット関連グッズ
・ホビー関連グッズ
・玩具
・ゲーム
・スポーツ用品
・アウトドア用品
・文具
・カー用品
・ガーデニング用品 など

●ケーススタディ

・仮想ショッピングモール7社、注目・主要企業19社

●注目市場

・ネットスーパー


2025/4/28
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