PRESSRELEASE プレスリリース
汎用半導体向けは伸び悩むが、AI関連で使用される先端半導体向けが好調
■半導体材料 前工程:560億ドル(46.6%増) 後工程:141億ドル(43.9%増)
データセンターやAI関連の投資に伴う半導体需要増加により、材料市場も順調に伸びる
●フォトレジスト 36億ドル(56.5%増)
KrF用やg/i線用が拡大をけん引。規模は小さいがEUV用は大幅な伸長
●CMPスラリー 27億ドル(42.1%増)
先端ロジックの配線層数増加やトランジスタ構造の変化などが拡大を後押し
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、2023年の在庫調整からの半導体市場の回復、また、AI関連半導体の需要増加に伴う高付加価値製品の拡販により好調な半導体材料の世界市場について、前工程と後工程の製造工程に大別して調査した。その結果を「2025年 半導体材料市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、前工程26品目、後工程8品目の半導体材料市場について、現状を捉え、将来を予想した。また、主要半導体デバイス4品目の市場についても整理した。
◆調査結果の概要
■半導体材料(前工程・後工程)の世界市場

2024年の市場は前工程、後工程ともに、半導体の在庫調整によって低迷した2023年から一変して活況となった。特にAI関連半導体の需要増加に伴い、高付加価値製品の販売が好調だったことにより市場は大きく拡大した。
2025年は、メモリー中心に序盤は低迷したが、生産稼働率は徐々に上昇しており、また、AI関連半導体の需要は引き続き好調なことから、材料市場も拡大が予想される。今後もデータセンターへの旺盛な投資やAI関連を中心とした先端半導体の需要が増加するに伴い、順調な市場拡大が期待される。
なお、中国の半導体市場が、政府が進める自国産業育成施策の強化や、米国による半導体輸出規制の影響により拡大を続けている。中国材料メーカーの製品はサンプル出荷が中心であったが、近年は国内量産ラインで使用されるレベルに達するケースもみられるため、今後の動向が注目される。
前工程材料は、先端ロジックにおけるセルサイズ縮小に伴うトランジスタ構造の複雑化や、3D-NANDの高層化進展に伴い成長が続いている。今後は裏面配線技術やTSV(シリコン貫通電極)によるウエハー積層技術の進展を受けたウエハー使用量増加に伴い、材料全般の伸びが期待される。特にフォトリソグラフィ工程で使用されるフォトレジストやフォトマスク、薄膜堆積技術(CVD、ALD)で使用されるシランガスの大幅な伸びが予想される。また、洗浄・乾燥用途の過酸化水素水やイソプロピルアルコールも需要が増えるとみられる。
後工程材料は、ボンディングワイヤーの占める割合が高く、2024年は地金の価格高騰に伴い販売金額が大幅に伸びた。また、AIサーバーの伸びにより一層高度なパッケージ技術が要求されているため、関連材料の出荷が伸びている。中でもFC-BGA基板に使用されるパッケージ基板用銅張積層板材料や層間絶縁材料などは需要増加が顕著である。
◆注目市場
●フォトレジスト

フォトレジストはフォトリソグラフィ工程のエッチングの際にウエハー上の必要部分を保護する働きを持つ。照射光の各波長によりg線用、i線用、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用、EUV用に分類される。
2024年は、半導体市場が回復したことを受けて、フォトレジストの需要も大幅に増えた。特にメモリー向けでKrFエキシマレーザー用が大きく伸びた。また、先端半導体のトランジスタ形成工程などで採用されるEUV用は小規模ではあるが好調であった。2025年は、AI関連の先端ロジックやDRAMを積層したHBM(High Bandwidth Memory)向けが堅調に伸びている。しかし、DRAMや3D-NANDの需要が伸び悩んでいるため、市場の成長率は2024年を下回るとみられる。
今後はAIやIoTの進展に伴う半導体市場の拡大によって、ボリュームゾーンの汎用半導体向けではg/i線用やKrF用、先端半導体向けではEUV用の需要増加が予想される。なお、EUVの使用が制限されている中国ではArF用が代替で伸びるとみられる。
●CMPスラリー

半導体製造のCMP工程で用いられる研磨用スラリーを対象とする。配線の微細化進展に伴い高度な平坦性や高研磨速度、スクラッチフリー、低残渣などの要求が高まっている。
2024年は、前年に半導体市場が低迷した反動増や、スマートフォンの出荷数量の伸びにより、メモリーやロジック向けを中心に前年比10%以上の市場拡大となった。
2025年は、半導体市場の伸びに伴いCMPスラリーの需要は増えているが、メモリーやロジックの生産稼働率がピーク時を下回っているため、2025年の市場は5%程度の拡大にとどまるとみられる。
中長期的には、先端ロジックの配線層数の増加やトランジスタ構造の変化、3D-NANDの高層化がプラス要因となり、順調な市場拡大が予想される。また、HBMの需要増加に伴い、DRAM同士を接合するTSV用のCMPスラリーの需要も増えている。
●パッケージ基板用銅張積層板材料

プリプレグとその両面に施される銅箔から構成されるパッケージ基板材料を対象とする。主にスマートフォンのAP(Application Processor)や、PCやサーバー向けでCPUのFC-BGA基板や、3D-NANDなどに採用されるFC-CSP基板で使用され、それらの市場動向に影響を受ける。
2024年は、前年の停滞から民生機器の需要が持ち直したほか、活発なデータセンター向け投資によりサーバー需要が好調だったため、それらで使用される半導体向けのパッケージ基板材料市場は拡大した。2025年は、引き続きデータセンター関連のサーバーや通信機器の需要が旺盛である。また、中国で特定のスマートフォン購入に対する補助金制度により買い替えが促進されており、それらのスマートフォン向け半導体の増加に伴い市場拡大が予想される。
以降も通信用途を主軸としたサーバー出荷の拡大や、FC-BGA基板の大型化などが市場拡大につながるとともに、今後はAI関連データセンター向けに高付加価値半導体の出荷が増えることから、パッケージ基板用銅張積層板材料も高単価製品の需要増加が期待される。
◆調査対象
前工程材料
・シリコンウエハー・フォトマスク
・ペリクル
・フォトレジスト
・高純度洗浄液
・CMPスラリー
・CMPパッド
・CMP後洗浄液
・イソプロピルアルコール
・アンモニアガス
・シランガス
・Low-k材料
・High-k材料
・六フッ化タングステン
・モリブデン系プリカーサ
・メタルプリカーサ
・PFCエッチングガス
・HFCエッチングガス
・硫化カルボニル
・塩素系ガス
・臭化水素
・三フッ化窒素
・フッ素混合ガス
・ターゲット材
・Cuめっき液
・バッファーコート膜・再配線形成材料
後工程材料
・バックグラインドテープ・ダイシングテープ
・ダイアタッチフィルム
・ダイボンドペースト
・ボンディングワイヤー
・パッケージ基板用銅張積層板材料
・層間絶縁材料
・封止材
半導体デバイス
・SoC(モバイル)・AIアクセラレーター
・NANDフラッシュメモリー
・DRAM
