PRESSRELEASE プレスリリース
感光性材料とその応用製品の世界市場を調査
■感光性材料 80.6万トン(16.6%増)
モノマー・オリゴマーの伸びが拡大をけん引
半導体需要でフォトレジスト用ポリマーが急伸
●メタクリレートモノマー 17.7万トン(25.5%増)
ドライフィルムレジストの需要増加に伴う堅調な伸びが続く
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、半導体や印刷、フラットパネルディスプレイ(FPD)、建築、自動車など幅広い分野で使用される感光性材料とその応用製品の世界市場を調査した。その結果を「2026年 光機能材料・製品市場の全貌」にまとめた。
この調査では、感光性材料16品目、感光性材料の応用製品32品目の市場について、用途や企業戦略、製品価格、開発・技術などの観点から最新の動向を整理し、今後を予想した。
◆調査結果の概要
■感光性材料の世界市場

感光性材料のうち、モノマー・オリゴマーが市場の大部分を占めている。2025年は、主要用途のインキや塗料・コーティング材の需要が堅調だったため、市場は堅調に拡大した。近年はレジストをはじめとした電子材料分野の需要が好調なことも、市場拡大の要因となっており、2026年以降も市場は続伸が予想される。モノマー・オリゴマーは、感光性材料のバリューチェーンでも川上にあたるため、ナフサを含む原燃料価格の動向に影響を受けやすく、2026年は中東危機を背景とした価格改定により、金額ベースでは数量ベースを上回る伸びが予想される。中長期的には、インキや塗料・コーティング材は市場が成熟しているため、それら用途の大幅な伸びは期待しにくいが、AI半導体の需要急増などに伴う電子材料用途の伸長により、市場は堅調な拡大が予想される。
品目別にみると、アクリレートモノマーは、各種の感光性材料で広く使用されており市場規模も大きい。メイン用途であるインキ、塗料・コーティング材での安定的な需要に加えて、エレクトロニクス分野や3Dプリントなどでの使用増加により、今後の伸びが予想される。また、メタクリレートモノマーやエポキシアクリレート、脂環式エポキシなどは、電子材料関連用途での使用が多く、今後の伸長が期待される。メタクリレートモノマーはドライフィルムレジスト、エポキシアクリレートはソルダーレジストや封止材など、半導体やプリント基板関連の需要増加に伴い、市場拡大が続くとみられる。脂環式エポキシは絶縁ワニスなどの用途に加えて、半導体やEV分野での使用が増えると予想される。
添加剤は、光重合開始剤と光酸発生剤のうち、光重合開始剤が大部分を占めており、添加量の多いインキや塗料・コーティング材向けを中心に堅調な伸びが期待される。近年は、環境規制の影響で水溶性タイプの需要が増えている。また、光酸発生剤はフォトレジストに使用されており、特にKrFフォトレジストでは添加量が多く、需要量も大きい。加えて、先端ラインで使用されるArFやEUVフォトレジスト向けでも好調が続くと予想される。
フォトレジスト用ポリマーは、半導体市場の拡大に伴いg/i線用、KrF用、ArF用、EUV用のそれぞれの製品が堅調に伸びるとみられる。中でも半導体先端プロセスで使用されるEUV用の伸長率が高い。
g/i線フォトレジスト用は、FPDや半導体用フォトレジスト向けで使用されており、FPDの大型化やフォトレジストの需要増加に伴い、今後の伸びが予想される。KrFフォトレジスト用は、3D-NANDの高層化に伴うKrFフォトレジストの伸びにより、需要が増えている。ArFフォトレジスト用は、EUVリソグラフィの台頭によりArFフォトレジストの先端プロセスでの採用比率が低下していることの影響を受けているが、先端半導体の配線層の増加により、堅調に伸長している。EUVフォトレジストは先端ロジックや先端DRAMのクリティカルレイヤー(加工寸法が最小、またはそれに近い層)で使用されており、データセンター用サーバー向けなどで需要が増えていることから、EUVフォトレジスト用ポリマーも急伸している。市場規模は小さいものの、毎年20%以上の伸びが期待される。
■感光性材料の応用製品の世界市場

半導体分野は、先端半導体のトランジスタ構造の変化、先端パッケージの進展などに伴い、各品目で需要が増えている。現状、フォトレジスト(DUV/EUVリソグラフィ)の市場規模が大きい。また、感光性絶縁膜材料、半導体用仮固定材料(液状)などは、AIアクセラレータやHBMなどAI関連の半導体デバイスで使用されるため、今後の急激な伸びが予想される。
印刷分野は、市場規模の大きい製品が多く、今後も生産性の向上や環境対応を背景に安定した需要が予想される。また、3Dプリント用UV硬化型樹脂やナノインプリントリソグラフィ用UV硬化型樹脂は今後の伸びが期待される。
プリント基板分野では、ソルダーレジスト(液状)やドライフィルムレジスト(プリント基板用)など、プリント配線板で使用される製品の市場規模が大きい。ビルドアップ基板など積層数が多いハイエンドプリント配線板やパッケージ基板などの需要増加に伴い、今後も伸びが期待される。
光通信分野では、光通信用UV硬化型接着剤と光ファイバー用コーティング材を対象としており、どちらもAIサーバーの増加や今後のCPO量産化に伴い、高い成長率が予想される。
FPD分野は、ディスプレイの生産面積は緩やかに拡大しているが、材料の製品単価は低下しているため、市場縮小が予想される。
接着剤、塗料・コーティング材分野は、UV硬化型接着剤がLCDやHDD、カメラモジュールなどで幅広い用途で使用されており、安定した需要が予想される。UV硬化型塗料・コーティング材は、自動車のヘッドランプのほかに建材や化粧品容器、ハードコートフィルムなどで使用されており、なかでも車載用途が増加している。
◆注目市場
●メタクリレートモノマー

メタクリレートモノマーは官能基にメタクリロイル基を持つモノマーであり、アクリレートモノマーに比べて皮膚刺激性が低く、架橋密度が高い。また、低粘度や耐熱性、高硬度、耐摩耗性、低収縮率、高密着性、低臭気などの特徴がある。
ドライフィルムレジストの感光層ベース材料としての使用が大半を占める。2024年以降、ドライフィルムレジストはAI関連の半導体需要などにけん引されて増加しており、メタクリレートモノマーもこれと連動して伸びている。同時に、基板の大型化や多層化なども追い風となっている。その他の用途でも、低皮膚刺激性に優れることから、ジェルネイルなど人体に触れる製品や、各種塗料・コーティング材、嫌気性接着剤、構造用接着剤などに使用されている。
◆調査対象
感光性材料
【モノマー・オリゴマー】
・アクリレートモノマー
・メタクリレートモノマー
・ウレタンアクリレート
・エポキシアクリレート
・ポリエステルアクリレート
・脂環式エポキシ
・ビニルエーテル
・オキセタン
・アダマンタン誘導体
【添加剤】
・光重合開始剤
・光酸発生剤
・光増感剤
【フォトレジスト用ポリマー】
・g/i線フォトレジスト用ポリマー
・KrFフォトレジスト用ポリマー
・ArFフォトレジスト用ポリマー
・EUVフォトレジスト用ポリマー
感光性材料の応用製品
【半導体】
・フォトレジスト(DUVリソグラフィ)
・フォトレジスト(EUVリソグラフィ)
・ナノインプリントリソグラフィ用レジスト(半導体用)
・フォトレジスト(パッケージ用)
・感光性絶縁膜材料
・半導体用仮固定材料(液状)
・半導体用仮固定テープ
【FPD】
・TFT形成用レジスト
・カラーレジスト
・ブラックレジスト
・有機EL用感光性絶縁膜材料
【プリント基板】
・ソルダーレジスト(液状/フィルム状)
・ドライフィルムレジスト(プリント基板用)
・ドライフィルムレジスト(パッケージ基板用)
・UV硬化型コンフォーマルコーティング材
【光通信】
・光通信用UV硬化型接着剤
・光ファイバー用コーティング材
【印刷】
・UV/EB硬化型インキ
・UV硬化型インクジェットインキ
・UV硬化型ニス
・3Dプリント用UV硬化型樹脂
・ナノインプリントリソグラフィ用UV硬化型樹脂
・感光性樹脂版(フレキソ・固体状/液状)
・感光性樹脂版(レタープレス)
【接着剤、塗料・コーティング材】
・UV硬化型接着剤
・UV易剥離剤
・UV硬化型塗料・コーティング材(建材用)
・UV硬化型塗料・コーティング材(化粧品容器用)
・UV硬化型塗料・コーティング材(自動車用)
・フィルム用ハードコート材
・車載ディスプレイ用ハードコート材
・フォルダブルディスプレイ用ハードコート材
※下線を引いた品目の金額は世界市場の合計から除外している。光通信用UV硬化型接着剤は、接着剤、塗料・ コーティング材のUV硬化型接着剤の内数であるが、光通信にも含めてダブルカウントしている
