マーケット情報


東京五輪に向けた防犯意識の高まりや食品工場のフードディフェンス需要を受けて拡大する
セキュリティ関連の国内市場を調査

−2017年市場予測(2013年比)−
セキュリティ関連 7,234億円(16.5%増) 東京五輪に向け高機能製品も好調
監視カメラ 504億円(38.1%増) IPカメラの普及により用途が拡大
ホームセキュリティサービス 1,081億円(21.2%増)  新築マンション向けが増加


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2020年の東京五輪に向けた監視カメラシステムの拡充や、食品工場におけるフードディフェンスの強化などにより、需要が拡大するセキュリティに関連するサービスや製品・システムの市場を調査し、その結果を報告書「2014 セキュリティ関連市場の将来展望」にまとめた。

この報告書では、監視カメラシステム分野5品目、アクセスコントロール分野6品目、イベント監視/通報関連機器分野4品目、自動車分野1品目、家庭向け機器/サービス分野10品目、災害・防災関連機器/サービス分野9品目、情報セキュリティ分野4品目の計39品目の市場について、現状を分析し今後を予測した。

◆調査結果の概要

セキュリティ関連の国内市場

2013年
2014年見込
2017年予測
2013年比
監視カメラシステム分野
710億円
755億円
923億円
130.0%
アクセスコントロール分野
433億円
469億円
510億円
117.8%
家庭向け機器/サービス分野
1,523億円
1,564億円
1,714億円
112.5%
全体市場
6,211億円
6,413億円
7,234億円
116.5%

※監視カメラシステム分野、アクセスコントロール分野、家庭向け機器/サービス分野は全体市場の内数。

2013年は景気回復の影響もあり、ビルオーナーや企業の設備投資が堅調で、ビルセキュリティやストアセキュリティの需要が拡大した。特に東名阪の再開発案件や既存施設のリニューアルにより、監視カメラシステム分野やアクセスコントロール分野が伸びた。また、消費増税前の駆け込み需要による新設住宅着工戸数の増加でホームセキュリティも好調だった。家庭向け機器/サービス分野が、高齢者、女性、子供など、ターゲットを明確にしたサービスや製品の充実により拡大している。

2014年の市場は2013年比3.3%増の6,413億円が見込まれる。冷凍食品工場の農薬混入事件が契機となりフードディフェンス用途でライン監視や従業員監視などを目的とした監視カメラシステム、従業員および不審者の入退室を厳重に管理するための入退室管理システムやバイオメトリクスなどのアクセスコントロール分野が拡大している。また、2020年の東京五輪の開催に向けて重要施設や街頭におけるテロ対策や防犯ニーズの高まりとともに、会場施設や周辺のホテル、マンションなどの開発に伴いセキュリティ機器・システムの新設、リニューアル需要が増大するとみられる。

分野別では監視カメラシステム、アクセスコントロール、家庭向け機器/サービス、災害・防災関連機器/サービスなどが注目される。

監視カメラシステム分野は、監視カメラがアナログから高画質でネットワーク対応のカメラに移行している。流通・小売向けに加えて、食品工場のライン監視などフードディフェンス用途で需要が増大しているほか、画像処理技術やビッグデータを活用したマーケティングにも利用されることで拡大が期待される。また、IPカメラの普及に伴い、画像録画装置はNVR(ネットワークビデオレコーダ)が主流となるとみられる。

アクセスコントロール分野は、2013年に堅調なリプレース需要により好調だった入退室管理システムが、フードディフェンス用途や東京五輪開催を見据えた需要によりさらなる拡大が期待される。バイオメトリクスは、指紋認証が縮小するものの、静脈認証とハイブリッド型(静脈認証+指紋認証)は特にPCアクセス管理用途で伸びるとみられる。

家庭向け機器/サービス分野は、6割前後を占めるホームセキュリティサービスが戸建住宅向けだけでなく、マンション向けの需要も取り込んで堅調である。また、高齢者在室安否確認サービス、緊急通報サービス、登下校見守りサービスが伸びている。

災害・防災関連機器/サービス分野は、法規制の始まった2006年頃に設置された住宅用火災警報器のリプレースが2016年頃から本格化するとみられる。また、火災用受信機や火災用感知器は宿泊施設での東京五輪開催に向けたリプレース需要が期待される。

◆注目市場

1.監視カメラ 【監視カメラシステム分野】

2013年
2014年見込
2017年予測
2013年比
IPカメラ
211億円
253億円
390億円
184.8%
アナログカメラ
154億円
143億円
114億円
74.0%
合 計
365億円
396億円
504億円
138.1%

2013年の市場は数量、金額ともにIPカメラがアナログを上回った。近年はメーカーもIPカメラを積極的に提案している。2014年は、前年に引き続く流通・小売向けの好調に加え、農薬混入事件が社会問題化したことを背景に、食品工場などのフードディフェンス用途での需要が急増しており、2013年比8.5%増の396億円が見込まれる。

注目トッピクスとして、360度全方位カメラが設置台数の削減を目的としたユーザーの需要を獲得している点があげられる。現状は、金融店舗や小売店舗の需要が高いが、各種業態の店舗や物流倉庫など幅広く採用が進んでいる。また、高度な画像処理技術の活用やネットワーク化の進展により、監視カメラを利用した高度なセキュリティシステムの構築や、店舗におけるマーケティングでの利用も進んでおり、今後はクラウドなどを利用したネットワーク化、ビッグデータの活用、BEMSやビルオートメーションシステムなど、建物の自動制御システムとの連携も期待される。

2020年の東京五輪に向けて公共施設やタウンセキュリティ向けが本格化するとみられ、2017年は全体で2013年比38.1%増の504億円が予測される。その内の8割近くをIPカメラが占めるとみられる。アナログカメラは縮小するものの、マンション向けや学校などの公共施設向けで根強い需要が想定される。また、ハイビジョン映像を同軸ケーブルの利用により非圧縮で伝送できるHD-SDIカメラが工場のライン監視用途などで拡大するとみられる。

2.ホームセキュリティサービス 【家庭向け機器/サービス分野】

2013年
2014年見込
2017年予測
2013年比
ホームセキュリティ
サービス
892億円
955億円
1,081億円
121.2%

防犯センサの反応や緊急用ボタンが押されると異常が通知され、警備員が駆け付ける機械警備サービスを対象とする。参入事業者は、警備会社系とインフラ系(電力会社・ガス会社系列など)に大別される。

2013年は、景気回復や消費増税前の駆け込み需要による新設住宅着工戸数の好調により市場は順調に拡大した。住宅への侵入盗の発生件数は2000年代半ばのピーク時から大幅に減少しているが、ホームセキュリティサービスに対する需要は根強い。従来は富裕層を中心とした既築の戸建住宅向けが多くを占めていたが、近年は新築マンション向けも一般化している。

住宅戸数に対する導入率はまだ小さく、潜在需要は大きいため今後の拡大が期待され、2017年の市場は2013年比21.2%増の1,081億円が予測される。今後は、賃貸集合住宅・アパート向けをはじめ、高齢者、一人暮らしの女性、若年層などターゲットの拡大がポイントになるとみられる。

◆調査対象

分野
品目
監視カメラシステム 監視カメラ、画像録画装置、映像総合管理ソフトウェア、画像伝送装置、監視カメラ用レンズ
アクセスコントロール 入退室管理システム、共連れ検出装置、バイオメトリクス(指紋認証)、バイオメトリクス(静脈認証)、バイオメトリクス(顔認証)、鍵管理ボックス
イベント監視/通報関連機器 中央監視システム、侵入センサ、万引き防止装置(EAS装置)、校内緊急通報システム
自動車 カーセキュリティシステム
家庭向け機器/サービス ホームセキュリティユニット、ホームセキュリティサービス、住宅情報盤、テレビドアホン、センサライトカメラ、防犯ロック、防犯ガラス、登下校見守りサービス、緊急通報サービス、高齢者在室安否確認サービス
災害・防災関連機器/サービス 火災用受信機、ガス漏れ警報器、火災用感知器、住宅用火災警報器、緊急地震速報対応端末、被災者安否確認サービス、防災行政無線システム、総合防災システム、危機管理情報データ配信サービス
情報セキュリティ デバイス認証ツール、ウイルス対策ツール、モバイル認証製品、ネットワークセキュリティ管理運用サービス

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/12/18
       
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