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自動運転技術との融合が進みつつあるコネクテッドカーの世界市場を調査

−2035年市場予測(2016年比)−
コネクテッドカー(乗用車) 1億1,010万台(5.3倍)
テレマティクス自動車保険(加入者累計ベース) 2億3,200万件(10.9倍)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、自動運転技術との融合が進みつつあるコネクテッドカーと多様化するテレマティクスサービスや関連するシステム市場について調査した。その結果を「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略 2018」にまとめた。

この調査では、エリア別市場動向やコネクテッドカーと自動運転車の関連性、法規制状況、通信技術動向やサイバーセキュリティに対する取り組み、AI(人工知能)と自動車の関連性などに加え、参入企業の事例分析を行ったほか、コネクテッドカー関連製品やソリューション、今後有望視されているテレマティクスアプリケーションなど35品目の市場の現状を明らかにし、将来を予測した。

◆調査結果の概要

外部通信ネットワークと常時接続を可能とするコネクテッドカーの世界市場は2017年に2,375万台、コネクテッドカー比率34.1%が見込まれる。EV/PHV型を除く通信モジュールを標準搭載した「エンベデッド型」とMirrorLink対応DAを除くモバイル端末の通信機能を利用しIVIシステムと連携する「モバイル連携/テザリング型」が大半を占める。2035年には販売される新車の96.3%がコネクテッドカーになるとみられ、1億1,010万台(2016年比5.3倍)が予測される。

エンベデッド型は、北米と欧州で普及が先行している。今後は中国や日本、その他地域でも普及が進み、市場は拡大するとみられる。大衆車クラスまで標準搭載の裾野が広がっていくことが市場拡大要因である。一方、モバイル連携/テザリング型は、エンベデッド型へと需要がシフトしていくことから緩やかな伸長が予想される。

◆注目市場

1.テレマティクス自動車保険(加入者累計ベース)

2017年見込
2016年比
2035年予測
2016年比
市場規模
3,170万件
148.8%
2億3,200万件
10.9倍

テレマティクス自動車保険とは、通信技術を活用して収集したデータをドライバーの保険料に反映させる保険商品およびサービスである。走行距離に連動したPayd型(Pay As You Drive=走行距離連動型)とドライバーの運転特性に連動したPhyd型(Pay How You Drive=運転行動連動型)の2種類がある。

2017年の市場は、3,170万件(2016年比148.8%)が見込まれる。欧米での保険加入者数の急激な増加により、欧米を中心に市場は拡大している。日本ではまだテスト段階であるものの、新たにサービスを開始する保険会社や2018年中にサービスを本格的に開始する保険会社も出てきており、商品ラインアップの充実とともに需要増加が期待される。今後は、保険会社や自動車関連会社以外も参入し、テレマティクス保険の価格競争が進むとみられる。従来の保険料より安価になるケースが多いとみられることから加入者数の増加が予想され、さらなる市場の拡大が期待される。また、テレマティクス自動車保険には緊急呼び出し、ロードサービス、盗難車追跡、車両診断といったサービスも付属しているため、ロシアやブラジルといった比較的治安の悪い地域にも普及するとみられ、2035年には2億3,200万件(同10.9倍)になると予測される。

2.HUD(ヘッドアップディスプレイ)

2017年見込
2016年比
2035年予測
2016年比
市場規模
627億円
104.0%
2,412億円
4.0倍

HUDは、光源と投影方式がいくつかに分類される。光源は、LCD、VFD、DLP、レーザーの4種類があり、LCDとVFDが主流となっている。投影方式は、フロントガラスに投影するウインドシールド方式と、専用の表示部を持つコンバイナー方式があり、現状では車種によってそれぞれの方式が採用される。

2017年の市場は、627億円(2016年比104.0%)が見込まれる。これまでは、欧米における高級車を中心に需要を獲得していたが、日本や中国などのアジアでも需要が増加している。さらに、大衆車への搭載も進んでいることから、市場は拡大している。今後は、コネクテッドカーの普及とともに先進運転支援システム(ADAS)との機能連携が強まり、クラウド上から提供される運転支援情報の表示機器として、オプション設定から標準へと移行し、搭載は増えるとみられる。2035年に市場は2,412億円(同4.0倍)になると予測される。

3.ミラーレスシステム(電子ミラー)

2017年見込
2016年比
2035年予測
2016年比
市場規模
10億円
142.9%
425億円
60.7倍

従来のサイドミラー(アウターリアビューミラー、ドアミラー)やルームミラー(インナーリアビューミラー)の代わりに、カメラとディスプレイでドライバーの後方視覚を確保する電子ミラー技術を採用するシステムを対象とした。

2017年の市場は、10億円(2016年比142.9%)が見込まれる。国際連合欧州経済委員会が定める後写鏡に関する規則「UN‐R46」の改定を受け、ミラーレス車の実用化に向けた取り組みは活発化している。現状では、通常ミラーと液晶ミラーの切り替えが可能なハイブリッドタイプのルームミラーが実用化され、一部車種で搭載が進んでいる。今後は、従来の鏡によるミラーでは完全になくすことのできなかった死角解消の役割だけでなく、自動運転関連技術として周囲の状況把握を詳細に行うといった役割としての活用が期待されており、2035年には425億円(同60.7倍)が予測される。

◆調査対象

コネクティビティサービス Apps、TSP (テレマティクスサービスプロバイダー)、テレマティクス (OEテレマティクス)、フリートテレマティクス
コネクティビティハードウェア/デバイス カーナビゲーションシステム、MirrorLink対応スマートフォン連携デバイス、テザリング/モバイル連携IVI (車載テレマティクスシステム)、エンベデッドIVI/統合的IVI、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、ミラーレスシステム(電子ミラー)、車載ディスプレイ(パネル)、LiDAR(レーザースキャナ)、MCU/MPU、SoC・GPU、車載OS
コックピット/ヒューマンインターフェース 運転席前方HMI (センタークラスタ/メータクラスタ用MID)、音声インターフェース、近接センサー/ジェスチャーインターフェース
ワイヤレスソリューション/V2X 車載通信モジュール/ テレマティクスモジュール、車載GPS/GNSS、車載短距離無線技術 (Bluetooth/Wi-Fi/NFC)、V2X(V2V/V2I)システム
サイバーセキュリティ セキュアマイコン/SoC、OTAソリューション
有望テレマティクスアプリケーション 2D/3D地図、車載デジタルeコマース、盗難車両追跡システム、車載電波放送 (インターネットラジオ/衛星放送/欧州DAB)、テレマティクス自動車保険、リアルタイム警告/ヘルス・ウェルネスモニタリング、緊急通報 (eCall/911Assist)、リモート故障診断/OBD
シェアリングソリューション カーシェアリング、ライドシェア/配車サービス、駐車場シェアリング

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/02/27
       
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