PRESSRELEASE プレスリリース

第20011号

小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービス市場を調査
来店客の待ち時間の短縮に寄与する精算、注文、チェックインをセルフで行う機器の需要増
―2030年市場予測(2018年比)―
■RFIDタグ 540億円(8.1倍)
~低価格化が進むことで、2030年以降ドラッグストアやCVSなどでの本格運用に期待~
■完全自動セルフレジ 250億円(12.5倍)
~RFIDタグの普及が進むことで、レジの省人化を目的に導入増加~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、深刻化する人手不足や人件費の高騰が課題となっていることから、ITを活用し省人化や無人化など業務効率化に寄与する品目の伸びが期待される小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービスの国内市場を調査した。その結果を「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」にまとめた。

この調査では、小売・外食・宿泊業向けを対象に、店舗ファシリティ9品目、自動認識ソリューション5品目、発注・棚卸・業務支援管理6品目、支払い・セルフ操作端末10品目、販促プロモーション4品目、AI活用による業務支援3品目、計37品目の市場を把握し、業種・業態別に分析した。

◆注目市場

■RFID(Radio Frequency Identification)タグ

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

72億円

107.5%

540億円

8.1倍

RFIDはバーコードよりも読み取り精度が高く、瞬時に数量、サイズ、色などの記録された商品情報を収集できる。レジなどの時間短縮だけでなく、食品の賞味期限なども管理できるため、売上・在庫管理の効率化、さらには万引き防止などへの応用も可能である。経済産業省が2025年に向けて「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定し、各方面で実証実験が行われているが、実際に導入が進んでいるのは、カジュアル衣料の専門量販店である。これは、カジュアル衣料の専門量販店が、製造から小売までの垂直統合型ビジネスであることから、導入メリットを得やすいためである。

CVS(コンビニエンスストア)やドラッグストアでも関心は高いものの、導入コストと貼付作業の手間が導入の壁となっている。作業を行うのに最も適するのは、最上流に位置するメーカーとみられるが、導入の動きはみられず、RIFDタグ自体も課題として水の付着や金属面のある商品での読み取り、電子レンジ対応などがあがっている。

2025年での本格運用は厳しいとみられるが、ドラッグストアでは化粧品など単価の高い商品に限り、商品管理や在庫管理を目的とした導入が先行するとみられる。RFIDタグの低価格化が進めば、2030年には実証実験を行っているCVSやドラッグストアでの本格運用が期待される。

■完全自動セルフレジ(レジロボット)

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

20億円

100.0%

250億円

12.5倍

商品に付いているRFIDタグなどを読み取り、自動で一括スキャンし、精算できるレジを対象とする。

小売では少子高齢化による人手不足や人件費高騰が課題となっており、特にレジ業務の省人化が実現すれば、店内のスタッフは接客サービスに注力できるため、導入メリットが大きい。しかし、RFIDタグの導入が限定的であることから、決済端末が多様化している現状では、セルフレジ・セミセルフレジやスマートフォンを利用したレジなし店舗などとともに、選択肢の一つにとどまるとみられる。なお、市場はRFIDタグが普及し始める2025年以降の拡大が予想される。

■屋内位置測位ソリューション

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

6,000万円

120.0%

1億3,000万円

2.6倍

カメラやセンサー、ビーコン、レーザー・レーダーを使って、来店客やスタッフを個別に把握し、動線を追跡することで属性別の購買行動分析や業務にかかる時間などを把握できるシステムを対象とする。

少子高齢化、人口減少が進むなか、小売では新規出店より既設店舗の売上をいかに維持、拡大させるかが重要となっており、商品計画、販促、スタッフの配置は常に見直しと改善が必須となっている。屋内位置測位ソリューションは人手や時間をかけずに課題抽出や改善結果の分析が可能であることから、限られた人員でのオペレーションの最適化を進めたい店舗、総合スーパーなど複数のテナントが入る施設などで導入が進み、市場拡大が予想される。

なお、来店客の行動分析を行うことで、エリア別の集客状況や滞留時間なども把握できることから、棚割りや店舗レイアウトの改善、キャンペーンの実施検討、値引きセールのタイミングの選定などの店舗運営に反映させることができるほか、スタッフを対象とすることで接客や業務行動の改善、スタッフの配置や店舗オペレーションの最適化も可能となる。しかし、これらのデータ分析を的確に行うための知識を有するスタッフが限られるため、活用提案なども含めたベンダー側のアフターフォロー体制の充実化も求められている。

■AI活用ソリューション

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

21億円

131.3%

83億円

5.2倍

AIを活用したデータの分析・需要予測を行うシステムやサービスを対象とする。来店客数、属性、動線、購買行動をAIで解析し、無人化店舗の運営、販促などを支援、不審行動などを検知する“来店客・店内画像解析"や、過去のデータから、来店客数、天候、商品ごとの売上高、周辺のイベント情報などに基づいた需要予測を行い、販売や仕入れなどの施策提案を行い在庫管理や発注業務を支援する“基幹データ活用"がソリューションとして展開されている。

来店客・店内画像解析は、近年システム販売やサービス提供に参入する企業が増えている。来店客の行動解析は以前から行われてきたが、センサーや映像カメラだけでは、十分把握できていなかった。しかし、ビーコンなどの位置情報と組み合わせることで、より精度の高い分析が可能となることから、需要は堅調に増加すると予想される。

基幹データ活用支援は大規模小売の需要が中心で、店舗だけでなく本部での営業戦略や商品戦略に採用されている。現在は実証実験などスポット的な需要が多いが、中長期的には大幅な伸びが期待される。

◆調査結果の概要

●小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービス国内市場

 

2019年見込

2018年比

2030年予測

2018年比

合 計

5,627億円

108.0%

8,737億円

167.7%

 

店舗ファシリティ

3,306億円

102.8%

3,020億円

93.9%

 

支払い・セルフ操作端末

1,415億円

120.3%

2,975億円

2.5倍

 

AI活用による業務支援

41億円

141.4%

184億円

6.3倍

※店舗ファシリティ、支払い・セルフ操作端末、AI活用による業務支援は合計の内数

小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービスの国内市場は2019年で5,627億円が見込まれる。小売などが人手不足などに直面する中、顧客満足度の向上を目的とした業務効率化を目指し、店舗業務やスタッフの省力化だけでなく無人化まで視野に入れて機器・システム&サービスを導入する動きは加速していくとみられ、2030年には67.7%増の8,737億円が予測される。

カテゴリー別で市場が最も大きいのは、店舗照明、陳列棚、冷凍・冷蔵ショーケース、映像モニタリングカメラなど店舗に必須の機器類が対象の店舗ファシリティである。しかし、店舗のストック数は大幅な伸びが期待できないため、2030年の市場規模は2018年比で縮小すると予想される。

今後、最も市場の拡大幅が大きいのは、支払い・セルフ操作端末である。来店客自身で精算するセルフレジ・セミセルフレジはレジ待ち時間の短縮が期待できることから拡大している。また、自動釣銭機もレジ業務の負担軽減や業務効率化を目的に需要増加が予想される。このほかにも、外食や宿泊でもセルフオーダー端末やセルフチェックイン機など注文や精算を各自で行う機器の需要が増加している。業態や業種に合わせて端末の多様化が進んでいくとみられ、2030年には店舗ファシリティと同程度の規模まで拡大するとみられる。

AI活用による業務支援の需要は、来店客の購買行動分析、動線動態管理や店内の状況把握など販促目的で導入が広がっており、市場は2030年に184億円が予測される。

◆調査対象

店舗ファシリティ

・映像モニタリングカメラ

・万引き防止装置(EAS)

・自動ドア

・店舗照明

・冷凍・冷蔵ショーケース

・REMS

・客数情報システム

・陳列棚

・商業施設充電インフラサービス

自動認識ソリューション

・RFIDタグ

・車番認識システム

・宅配ロッカー

・生体認証

・屋内位置測位ソリューション

 

発注・棚卸・業務支援管理

・基幹システム

・ホテルマネジメントシステム(PMS)

・従業員マニュアル作成サービス

・自動発注システム

・棚管理ロボット

・従業員手荷物セルフ検査サービス

支払い・セルフ操作端末

・セルフレジ・セミセルフレジ

・組み込み型決済モジュール

・自動券売機

・完全自動セルフレジ(レジロボット)

・モバイル決済端末

・セルフチェックイン機

・オブジェクト認識レジ

・モバイルPOS

 

・自動釣銭機

・セルフオーダー端末

 

販促プロモーション

・電子棚札

・VR店舗

 

・ARフィッティング

・タブレット端末付きカート

 

AI活用による業務支援

・AI活用ソリューション

・レベニューマネジメントシステム

・AI利用節電システム


2020/02/13
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。