PRESSRELEASE プレスリリース

第24043号

スキンケア、フレグランスの国内化粧品市場を調査
― 2024年国内市場見込(2023年比) ―
●美容液 2,602億円 (4.9%増)
“朝ビタ・夜レチ”など、朝と夜の美容液の使い分け提案で購入個数増加
単価1万円以上の高価格商品が4割以上占める

●パック 877億円(8.5%増)
シートパックのデイリーユースが定着し、セルフブランドの大容量商品が好調
単価2,000円未満の商品は前年比二桁増を維持

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、マスクを外す機会が増えたことでケア意識が高まり、美容液などスペシャルケア商品が伸びているスキンケア、百貨店などでのイベント開催により関心が高まっているフレグランス、2カテゴリーの国内化粧品市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2024 No.1」にまとめた。

この調査では、化粧品市場のうち、スキンケア8品目、フレグランス4品目の市場把握に加え、インバウンド需要の変化や韓国コスメのトレンド、今後の市場の方向性なども捉えた。なお、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックス、メイクアップ、ボディケアの4カテゴリーの化粧品市場については今後調査を行う予定である。

◆注目市場

●美容液【スキンケア】

美容液の国内市場

2023年は、コスパに優れたアイテムが好調なほか、プレステージブランドのてこ入れによる需要の掘り起こしや、“美容医療"をキーワードに、レチノールをはじめ美容医療の施術やサロン専売アイテムで使用される成分を配合した商品の投入が活発化したことで、市場は前年比6.4%増の2,481億円となった。価格帯別では、スペシャルケアという位置づけから、効果実感を得やすい高価格商品の需要が高く、インバウンド需要の回復や、外資系プレステージブランドの積極的なプロモーションが寄与し、単価1万円以上の高価格商品の市場規模が1,000億円を超えた。

2024年も引き続き“美容医療"をキーワードとした商品投入が進んでいるほか、韓国コスメで話題の“朝ビタ・夜レチ(朝にビタミンC、夜にレチノール)"といった美容液の使い分け提案が購入個数の増加に繋がっており、市場は拡大するとみられる。

なお、スキンケア全体で韓国コスメの存在感が高まっており、美容液では、レチノールを配合した商品が話題となっているほか、先端技術のイメージが強い“マイクロニードル"や“白玉点滴"など美容医療を彷彿とさせる効果実感の高い商品がトレンドとなっている。

●パック【スキンケア】

パックの国内市場

2023年は、女性タレントの著書で、シートパックを朝晩使用する美容法が紹介されたことや、メーカーのプロモーション活動により、未使用者層の需要獲得や使用枚数の増加が進み、市場は前年比15.1%増の808億円となった。価格帯別では、シートパックを日常的に使用する消費者の増加を受け、コストパフォーマンスの高いセルフブランドの大容量商品の需要が増加し、2,000円未満の比率が上昇した。

2024年は化粧水タイプのシートパックのデイリーユースが定着していることに加えて、美容成分を配合したスペシャルケアを訴求した商品との使い分けもみられ、これまでのピークである2018年の市場を上回るとみられる。

韓国コスメのシートパックが、コストパフォーマンスの高さと種類の多さから若年層を中心に需要獲得が進み、ドラッグストアやバラエティショップなどで定番化しつつある。独自成分商品やユニークな商品が投入されており、シカエキス配合商品などは韓国コスメから火が付き、国内メーカーからも発売されている。

◆調査結果の概要

■スキンケア市場

スキンケア市場規模

2023年はマスクを外す機会が増加したことで、フェイスラインや肌のたるみなど“マスクだるみ"ケアへのニーズがさらに高まり、リフトアップ効果を訴求した美容液やクリームなどが好調だった。配合成分に対する消費者の関心が高まっており、成分を訴求した商品の投入も活発にみられた。

2024年は“朝ビタ・夜レチ"といった美容液の使い分け提案がみられるほか、外資系プレステージブランドを中心に価格改定に伴う購入単価アップが予想される。また、インバウンド需要についてもさらに回復が進み、市場は引き続き拡大するとみられる。

美容意識の高い消費者は既に多くのスキンケアアイテムを使用しており(多ステップ化)、今後の市場拡大には、一般消費者によるスペシャルケアアイテムなどの使用の定着が重要になるとみられる。一方で、SNSなどの影響もあって、消費者の美容意識は年々上昇しており、アンチエイジングケア開始の若年化や男性ユーザーの掘り起こしなども進んでいることから、高機能・高単価商品のユーザー層も広がり、今後も市場は拡大を続けるとみられる。

なお、韓国コスメは、ドラッグストアやディスカウントストアなどへの展開が広がっており、シカに次ぐ成分として鎮静効果をうたったドクダミやシミ予防・しわ改善を訴求したレチノールを配合した商品が需要を取り込んでいる。また、韓国コスメ全体への信頼感が増す中で効果実感の高いマイクロニードルやグルタチオンといった、“美容医療"をコンセプトとした新規成分を配合した商品が需要を獲得している。

■フレグランス市場

フレグランス市場規模

2023年は、外出時の使用機会が回復したことから、ギフト需要も高まった。三越伊勢丹のフレグランスイベント“サロン ド パルファン"の継続的な開催により、フレグランスに関心を持つ消費者が増加し、メゾンフレグランスやニッチフレグランスなどが好調だったことから、市場は前年比二桁増の500億円となった。

2024年は、円安や輸送費高騰の影響から価格改定が行われたほか、インバウンド需要の取り込みも活発なことから、市場は拡大するとみられる。価格帯別では、ファッションフレグランスの好調に加えて、高価格なメゾンフレグランスブランドや小容量の複数香調をセットにしたコフレなどが伸長していることから、単価1万円以上の比率が上昇しており、2024年には200億円超えが見込まれる。

フレグランスの使用習慣は今後も広がる余地があるとみられ、イベント実施による話題作りのほか、アルコールフリーの成分処方や香りによる心身への効果など新たな側面からの商品提案も進んでいくとみられる。

◆調査対象

スキンケア
・洗顔料
・クレンジング
・モイスチャー
・スポットケア
・化粧水
・乳液
・美容液
・パック
フレグランス
・パルファン
・オードパルファン・オードトワレ
・ライトフレグランス
・メンズフレグランス

2024/4/30
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。