PRESSRELEASE プレスリリース

第24062号

メイクアップ化粧品、ボディケア用品の国内市場を調査
― 2024年国内市場見込(2023年比) ―
■メイクアップ化粧品 6,233億円(9.5%増)
ファンデーションやメイクアップベースの需要回復が進む。アイシャドウなども堅調
■ボディケア用品 2,825億円(4.0%増)
サンタン・サンスクリーンの伸び、リップクリームなど付加価値商品の好調により拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、外出機会の増加でコロナ禍からの需要回復が進むメイクアップ化粧品、インバウンド需要の拡大や付加価値商品が好調なボディケア用品の市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2024 No.3」にまとめた。

この調査では、化粧品市場のうち、メイクアップ化粧品10品目、ボディケア用品6品目の市場について、現状を捉え、今後の方向性を予想した。なお、スキンケア化粧品、フレグランス用品の市場については4月30日、ヘアケア・ヘアメイク用品、メンズコスメティックス用品の市場については6月13日に発表している。

◆調査結果の概要

■メイクアップ化粧品の国内市場

メイクアップ化粧品の国内市場規模

2023年は、新型コロナウイルス感染症流行の収束からファンデーションやメイクアップベース、リップカラーの需要回復が進んだ。これらはロングラスティング効果(塗布した状態が長持ちする効果)に加えて、艶などの質感や色味などの仕上がりを重視する消費者が増えたため、高価格帯アイテムの需要が高まったほか、韓国コスメやインフルエンサーブランドで複数色を購入するケースもみられたことが要因となっている。アイメイクも“マスクメイク"からのトレンド変化によって大きく伸びた。2024年も、「メイクアップを楽しみたい」とする消費者の意識が高まっており、仕上がりや色味の使い分けなどにより複数商品の購入がみられるほか、インバウンド需要の回復が進むブランドもみられ、市場拡大が続くと予想される。

ベースメイク(メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダー)は、2023年は、新型コロナの5類移行を受けた外出機会増加による“脱マスク"で顔全体を見せる機会が増えたことから、需要回復が遅れていたファンデーションやメイクアップベースが伸びた。ロングラスティング効果に加えて、カバー力や艶感といった仕上がりに対するニーズも高まり、SNSやクチコミで評価が高い高価格帯アイテムが好調だった。また、顔の立体感の演出を訴求したアイテムやシェーディングが好調、加えてインバウンド需要の回復もみられたため、市場は大きく拡大した。

2024年は、様々な商品の値上げが進んでいるが、ベースメイクは仕上がりを重視する消費者が多いことから、プレステージブランドに対する需要は根強く、インバウンド需要も順調で市場は好調である。メイクトレンドでは艶感のある仕上がりが継続して人気でありつつも、セミマットながら艶もある質感を打ち出した商品の投入などによるバリエーションの拡充が進んでいる。仕上がりの異なるアイテムを使い分ける消費者も増えており、市場は伸びが続くとみられる。

ポイントメイク(アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チークカラー、リップカラー、ネイルカラー・ネイルケア)は、2023年は、“脱マスク"が進んだため、リップカラーやチークカラーの需要が回復し、一部ではインバウンド需要も好調だったため、市場は拡大した。リップグロスやプランパーで艶感やボリューム感を出すリップメイクや、コンシーラーカラーのアイブロウマスカラなどで眉の印象を抑えた“うす眉"メイクなどがトレンドとなり需要喚起につながった。

2024年は、本格的にリップカラーやチークカラーの使用を再開するユーザーが増加し、ポイントメイク全体で質感や絶妙な色味へのニーズが高まっているため、外資系プレステージブランドなどは値上げに関わらず好調である。コロナ禍ではマスクに隠れていた顔のパーツのバランスを整える新たなメイクトレンドや、“顔タイプ別"の商品提案により需要喚起が進み、市場拡大が予想される。

●メイクアップベース

メイクアップベース国内市場規模

2023年は、“脱マスク"が進んだことから、ベースメイクの仕上がりに対する関心が高まり、ライトメイク層でも肌の色ムラや毛穴などの高いカバー力を訴求した商品が人気だったほか、インバウンド需要の回復により訪日外国人観光客の指名買いにより実績を伸ばす商品も登場し、市場は拡大した。

2024年も、ファンデーションの需要回復が進んでおり、メイクアップベースについても需要増加が続いている。色ムラや毛穴のカバー、皮脂くずれ防止など明確な機能を打ち出した商品が好調であり、また、肌の状態や求める仕上がりなどに応じた使い分けなども進んでいるため、市場拡大が続くとみられる。

販売チャネル別では、化粧品専門店、薬局・薬店や百貨店、ドラッグストア、バラエティショップが好調である。化粧品専門店、薬局・薬店は新ブランドの導入によりベースメイクを強化する動きが活発化したことから、大きく伸びた。百貨店はインバウンド需要の回復が顕著で、「クレ・ド・ポー ボーテ」(資生堂)などが大きく伸びたほか、国内需要もカウンターでのタッチアップにより毛穴カバーやトーンアップ効果などを消費者が体感できることから需要喚起が進んだ。ドラッグストアはカウンセリングブランドがスキンケア効果や皮脂くずれ防止機能などを訴求して好調だったほか、セルフブランドでは韓国ブランドのクッションファンデーションの好調を受けてメイクアップベースも取り扱う店舗が増えた。バラエティショップは韓国・中国ブランドを積極的に展開し若年層の取り込みが進んでいるほか、新興ブランドの壁面什器を導入する店舗なども増え、コスメ感度の高い層からマス層へと顧客層を開拓し伸びている。

■ボディケア用品の国内市場

ボディケア用品の国内市場規模

ボディケア用品は、リップクリーム サンタン・サンスクリーン 除毛・脱毛料 ボディシャンプー、ボディクリーム・ローション バスプロダクツを対象とする。市場はボディシャンプーとボディクリーム・ローションで6割を占める。また、夏季のサンタン・サンスクリーン、冬季のリップクリームやボディクリーム・ローションなどの需要は天候に左右される。

2023年は、外出機会の増加を受けて、サンタン・サンスクリーンで塗り直しがしやすいスティックやミストタイプの商品投入が需要喚起につながったほか、ベースメイクの代替としてトーンアップ訴求のアイテム投入が活発化したことで大きく伸びた。リップクリームは“脱マスク"により、唇の乾燥ケアに対する消費者意識が高まったことやカラーリップの使用回数が増えたことで市場は拡大した。

2024年は、各品目でインバウンド需要の増加が期待されるほか、旅行やレジャーシーンの本格的な回復からサンタン・サンスクリーンが引き続き伸びるとみられる。また、消費者のセルフ美容意識は依然として高いことから、リップクリームやボディシャンプーではスキンケア効果をはじめ付加価値品が発売されており、市場拡大が続くと予想される。

●サンタン・サンスクリーン

サンタン・サンスクリーン国内市場規模

サンタンは紫外線から肌を守り均一な小麦色の肌を作る化粧料、サンスクリーンは紫外線から肌を保護し、日焼けを防ぐ化粧料である。サンスクリーンが大部分を占めている。

2023年は、外出機会の本格的な回復や、需要期となる夏の気温が前年と比べ高く、また、残暑が長引いたことから、消費者のUVケア意識は高まった。また、耐水性など付加価値化や、肌に塗りやすいスプレータイプの売上が好調だったことから市場は大幅に拡大した。

2024年も、日焼け止めの使用習慣が根付き通年使用する消費者が増えていることから好調である。また、各メーカーから紫外線対策だけでなくスキンケアやメイクアップの訴求、環境に配慮した処方など幅広いニーズに応えた商品が発売されていることから、引き続き二桁の伸びが予想される。

◆調査対象

メイクアップ化粧品

・メイクアップベース
・ファンデーション
・フェイスパウダー
・アイシャドウ
・アイライナー
・アイブロウ
・マスカラ
・チークカラー
・リップカラー
・ネイルカラー・ネイルケア

ボディケア用品

・リップクリーム
・サンタン・サンスクリーン
・除毛・脱毛料
・ボディシャンプー
・ボディクリーム・ローション
・バスプロダクツ


2024/7/9
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