PRESSRELEASE プレスリリース

第24081号

化粧品市場の総括と価格帯別の動向を分析
― 2024年見込(2023年比) ―
■化粧品の国内市場 3兆2,102億円(4.2%増)
外出機会の増加や“脱マスク”、インバウンド需要の増加で拡大
■高価格帯ベースメイク 1,316億円(17.0%増)
仕上がり重視の消費者が増え、カバー力やスキンケア効果のある商品が伸長
■消費者アンケート調査  化粧品成分の認知度について
「ヒアルロン酸」「コラーゲン」は7割近くが認知

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、“脱マスク"で顔全体を見せる機会が増加したことや、訪日客が増えインバウンド需要が増加したことで好調な化粧品の国内市場を総括・分析した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2024 総括編」にまとめた。

この調査では、6カテゴリー42品目の国内化粧品市場を総括し、価格帯やチャネル別に動向を分析した。また消費者アンケートを実施し、化粧品成分の認知度、化粧品消費と推し活の関連性、世代別の志向などをとらえた。

◆調査結果の概要

1.化粧品の国内市場

化粧品の国内市場

2023年は、原材料費の高騰で低価格帯商品や輸入商品の値上げが進んだが、5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことによる外出機会の増加や、“脱マスク"が進み顔全体を見せる機会が増加したことから、スキンケアやメイクアップなどの需要が伸び市場が拡大した。

2024年も、引き続き外出機会の増加や、渡航制限の大幅な緩和や円安の進行を受けた訪日客の大幅増加に伴うインバウンド需要の高まりによって、市場は前年比4.2%増の3兆2,102億円が見込まれる。

2.価格帯別化粧品市場

価格帯別化粧品市場

①高価格帯

2023年は、百貨店や化粧品店への来店客数の増加や“脱マスク"で化粧の仕上がりを重視する消費者が増えたことから、マスクで隠れていたフェイスラインやほうれい線などのたるみケアを訴求したスキンケア商品や、カバー力やツヤ感を訴求したベースメイク商品など、高機能で単価の高い商品が伸びた。また、男性の身だしなみ意識の高まりからミドル世代をターゲットとしたオールインワンのメンズ整肌料などの需要も増え、市場は拡大した。

2024年も、仕上がりを重視する消費者が色味や質感など使い分けを目的に、ベースメイク商品やポイントメイク商品の複数購入がみられるほか、ケア意識の高まりでヘアケア・ヘアメイク商品の使用が定着し需要が増えるとみられる。さらに、訪日客のインバウンド需要も高まり市場は拡大すると予想される。

②中価格帯

2023年は、マスクを外して外出する機会が増えたことで、日焼け止めクリームといったボディケア商品や、プレステージブランドとセルフステージブランドへの需要の二極化で苦戦していたスキンケアで、たるみやしわの改善効果がある商品が伸びたほか、“粘膜カラー"や“ネオンカラー"など色味のトレンドが創出されリップカラーなどが伸びた。また、中価格帯ブランドは機能と価格のバランスが取れた“ミドルコスメ"としてSNSで取り上げられる機会が増加したことや、マス向けカウンセリングブランドを中心にプロモーションの強化や新商品の発売が進み、市場は拡大した。

2024年は、百貨店の集客やインバウンド需要の増加が進むほか、医薬部外品の発売が増えていることや機能性を訴求した商品の需要が増え、マス層を中心に機能と価格のバランスの取れた商品として中価格帯ブランドを選択する消費者が増加することから、市場は拡大するとみられる。

③低価格帯

2023年は、手頃な価格で様々なメイクを楽しみたいという消費者のニーズが回復し、ポイントメイクやベースメイクなどのメイクアップ商品が伸びた。また、シートパックの日常使いの定着や、ビタミンCなど特定の成分を配合したスキンケア商品がSNSで話題となり高・中価格帯からの需要シフトが増え、市場は拡大した。

2024年も、メイクアップの意識がさらに高まり、トレンドの韓国メイクを再現できるベースメイク商品やポイントメイク商品の需要が増加するとみられる。スキンケアは“美容医療"をコンセプトとした商品投入がみられるほか、インバウンド需要の増加で市場は拡大すると予想される。

◆注目市場

1.高価格帯ベースメイク

高価格帯ベースメイク

2023年は、“脱マスク"が進み顔全体を見せる機会が増え、ベースメイクの仕上がりや品質を重視する人が増加したため、クチコミでスキンケア効果やカバー力などが高く評価された高単価な商品が伸びた。また、インバウンド需要の高まりで訪日客による、SNSで機能性などを高く評価された制度品系プレステージブランドの指名買いが増え、市場は拡大した。

2024年も、ハイプレステージを中心としたインバウンド需要の獲得が期待される。また、仕上がり重視の傾向が続くため、艶感やセミマットな質感などバリエーションの拡充が進み、ファンデーションなどの使い分けがみられるほか、素肌の美しさを求める消費者の増加で、スキンケア効果など高付加価値商品の需要が高まっているため、市場拡大が続くとみられる。

2.低価格帯スキンケア

低価格帯スキンケア

2023年は、低価格帯でもSNSやメディアを通じて化粧品成分に対する意識が高まったため、配合成分で商品を選ぶ消費者が増加し、ビタミンCやナイアシンアミドなどの成分名を打ち出して美容効果を訴求した商品が伸びた。さらに、タレントがシートパックを朝晩使用する美容法を紹介したことから、シートパックを日常的に使用する消費者が増加し、コストパフォーマンスの高いセルフブランドの大容量商品が伸び、市場は拡大した。

2024年も、成分重視の傾向が続き“美容医療"をコンセプトとするシートパックや美容液などが伸びることや、物価高騰の影響で高・中価格帯からの需要シフトが進むことにより、市場拡大が続くと予想される。

◆消費者アンケート調査

●化粧品成分の認知度(n=720/MA)

化粧品成分の認知度(n=720/MA)

「ヒアルロン酸」「コラーゲン」は7割近くが認知しており、認知度が高いことが明らかになった。

◆調査対象

調査対象


消費者アンケート

・調査対象:スキンケア/ベースメイク/ポイントメイクを購入したことがある15~59歳女性720人
・調査方法:web調査
・調査期間:2024年6月25日~27日


2024/9/2
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。