PRESSRELEASE プレスリリース
●ポテトチップス 1,480億円(7.6%増)
物価高で節約志向が高まるなかコスパの良いおつまみや間食として需要が増加
●ギリシャヨーグルト 175億円(17.4%増)
たんぱく質補給だけでなく濃厚な味わいや食べ応えが需要を獲得し市場が拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、割安感やコスパの高い商品が好調な菓子・スナック菓子、猛暑・残暑の影響で需要が高まる期間が伸びているアイスなどのデザート、値上げにより廉価品への需要シフトが目立つ乳油製品、簡便性が高い商品が伸びている育児用食品、主食として節約志向が反映されるなか低価格やコスパの良い商品が好調なステープルの5カテゴリー93品目の市場を調査した。その結果を「2025年 食品マーケティング便覧 No.1」にまとめた。
なお、「2025年 食品マーケティング便覧」では、24カテゴリー386品目の加工食品市場を4回に分けて調査・分析し、その総括も含めて調査結果を順次発表する。
◆注目市場
●ポテトチップス
原料のジャガイモをスライス状にカットして油で揚げた商品のほか、一部ノンフライ商品も対象とし、スティック状にカットしたものは対象外とする。
2023年は、年初のジャガイモの価格高騰などの影響で商品価格の改定や容量の変更が行われた。秋頃から原材料の供給が回復し、各社のプロモーション展開が活発化した。また、新型コロナウイルス感染症流行時に増加した家飲みが習慣化したことにより、おつまみ需要の増加に加え、旅行・レジャーの増加を背景にお土産品の売り上げが伸び、市場は拡大した。
ポテトチップスのフレーバー種別
2024年は、お土産品の需要が続いているほか、厚切りや薄切りなどの厚みや食感、素材、多様なフレーバーなどの付加価値を付けた商品が好調である。コンソメやうすしおといった定番の味以外にも、期間限定や季節フレーバーなど目新しくインパクトのある商品のほか、わさびや唐辛子など刺激の強い味を求める消費者に対応した商品が伸びている。また、高単価な珍味やナッツ類などのおつまみに比べて100円台で購入できるコスパの良さもあり、市場は前年比4.7%増の1,440億円が見込まれる。
●ギリシャヨーグルト
ギリシャヨーグルトやギリシャ風として商品名またはパッケージで訴求している商品やギリシャを想起させるコンセプトを持つ商品を対象とする。
2020年以降、健康志向の高まりを背景に高たんぱく商品としての価値提案が進んだ。2023年は、高たんぱくであることに加え、濃厚な味わいや多彩なフレーバー、食べ応えがある商品の需要が増加した。食後やオフィス内での間食など様々な喫食シーンで需要が増加し、市場は拡大した。
2024年は、量販店では売り場の確立が進んでおり、コンビニエンスストアでは「ダノンオイコス」(ダノンジャパン)などの個食タイプの商品を中心に展開している。健康志向の高まりで引き続き需要は増加しており、また、朝食だけでなく運動後など新たな喫食シーンも広がっていることから、市場は前年比10.7%増の165億円が見込まれる。
●アイスクリーム類
アイスクリームやアイスミルク、ラクトアイスのほか、かき氷、シャーベット等の氷菓を対象とする。
2023年は、猛暑に加えて9月以降も残暑が続きアイスクリーム類の需要が高まる期間が例年より長かったほか、新型コロナの5類移行に伴う外出機会の増加で「クーリッシュ」(ロッテ)など屋外でも手軽に食べられる商品が伸び、市場は拡大した。
2024年も、夏場の連日の猛暑で売り上げが伸びている。夏場以外でも季節ごとの限定商品発売などにより1年を通した需要がみられることや、コスパの良さから複数詰め合わせたマルチパックが消費者に支持されるなど、市場は前年比3.1%増の5,825億円が見込まれる。
●グミキャンディ
2023年は、各社から期間限定商品や食感、形状などを工夫した商品の発売、ブランド認知プロモーションとして小売店などのグミキャンディ売り場が拡大され消費者の購買意欲を喚起したことや、インバウンド需要も回復したことで市場は拡大した。
2024年も、同様の動きが続くほか、食べきりサイズの個包装商品などが様々な喫食シーンや幅広い年齢層で需要が高まっている。産地訴求や期間限定で旬の果実を使用した商品が需要を獲得していることから、市場拡大が続くとみられる。
●育児用液体ミルク
2023年は、新型コロナの5類移行に伴う外出機会の増加や男性の子育て参加などが寄与し市場は拡大した。2024年は、さらなる外出機会の増加や、調乳負担軽減ニーズの大きい夜間使用などでユーザーの開拓が進んでいる。タイムパフォーマンス重視、簡便性の高さで市場は拡大を続けると予想される。
◆調査結果の概要
菓子・スナック菓子は、2022年以降の原材料高騰の影響を受けて値上げが続くなか、割安感がある商品やコスパの良い商品が伸びたほか、インバウンド需要の回復で市場は拡大している。また、多様化する消費者のライフスタイルに合わせて、おやつだけでなくオフィスでの間食など新たな喫食シーンの創出も活発化しており、2024年の市場は前年比6.0%増が見込まれる。
デザートは、洋菓子などと比較した際の割安感や気候変動などによって需要を獲得している。特に、アイスクリーム類は猛暑や長引く残暑で需要が高まる期間の延長や、通年商材化により需要が増加している。また、ヨーグルトは健康志向の高まりで高たんぱく商品がユーザー層や喫食シーンを広げている。
乳油製品は、乳原料の高騰を受けた値上げで消費者の買い控えがあるなか、チーズフード類は価格の低さにより、ナチュラルチーズやプロセスチーズから需要が移行している。また利便性が高いチューブ型マーガリンやメニュー汎用性が高いチーズソースなどの商品展開が活発化しており、市場は拡大を続けるとみられる。
育児用食品は、共働き世帯の増加や男性の育児参加に伴う子育てスタイルの変化で、育児用液体ミルクは外出時や夜間時の使用を目的とした需要が増加しているほか、時短ができ簡便性の高いベビーフードなども需要が堅調なことから、市場拡大が予想される。
ステープルは、2023年は、小麦原料高騰による値上げの影響でシリアルなどの単価の高い品目の買い控えがあったが、菓子パンや惣菜パンは低価格やコストパフォーマンスが良いため伸びた。2024年は、手軽な栄養摂取を目的としたシリアルフーズの復調や、ホテルや外食業態における人手不足対策として、朝食バイキング向けに業務用シリアルフーズやパンケーキなどが伸びるとみられ、市場は前年比2.6%増が見込まれる。
◆調査対象
菓子・スナック菓子・米菓
・豆菓子
・ミックス菓子
・ナッツ類(テーブルナッツ)
・かりんとう
・甘納豆
・ゼリー菓子
・スナック梅
・素材菓子
・ドライフルーツ
・ビスケット・クッキー
・クラッカー
・プレッツェル
・ウエハース菓子
・マシュマロ
・菓子パイ
・半生ケーキ
・チョコレート
・チョコレート菓子
・ガム
・機能ガム
・キャンディ類
・ハードキャンディ
・のど飴
・ソフトキャンディ
・グミキャンディ
・キャラメル
・口中清涼菓子
・手作り菓子
・玩具・雑貨菓子
・ポテトチップス
・ファブリケートポテト
・ポテトシューストリング
・小麦系スナック
・コーン系スナック
・ポップコーン
・ライス系スナック
・野菜・その他スナック
・カップ入りスナック菓子
デザート
・チルドプリン
・アジアンデザート
・チルドゼリー
・手作り風デザート
・シュー
・手作り風和菓子
・ヨーグルト
・プレーンヨーグルト
・ハードヨーグルト
・ソフトヨーグルト
・ギリシャヨーグルト
・植物性ヨーグルト
・フルーツソース
・アイスクリーム類
・高級アイスクリーム
・マルチパックアイスクリーム
・ノベルティアイスクリーム
・冷凍ケーキ
・冷凍プリン・ゼリー
・ソフトクリーム・シェイクミックス
・一口タイプゼリー
・ドライゼリー
・デザートベース(レトルト/粉末・他)
・和風デザート
・しるこ・ぜんざい
乳油製品
・バター
・市販用マーガリン類
・業務用マーガリン類
・プロセスチーズ
・ナチュラルチーズ
・クリームチーズ
・カマンベールチーズ
・チーズフード類
・チーズスプレッド
・市販用チーズ
・生クリーム類
・コーヒー用クリーム
・ポーションクリーム
・インスタントクリーミーパウダー
育児用食品
・育児用調製粉乳
・育児用液体ミルク
・ベビーフード
・ベビーフード菓子
ステープル
・パン
・食パン
・菓子パン・惣菜パン
・中華まんじゅう
・冷凍ピザ
・チルドピザ・スナック
・チルドピザ
・シリアルフーズ
・オートミール
・栄養バランス食(ソリッドタイプ)
・ホットケーキ・パンケーキ