PRESSRELEASE プレスリリース
■インバウンド外食市場 2兆818億円(123.4%)
ファストフードや日本料理業態の専門料理店をはじめ、各業態が好調
店舗側の多言語対応やSNS販促などの取り組みも奏功し、市場拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、円安も背景に訪日外国人が増加しているため、急伸するインバウンド外食市場を調査した。その結果を「急増するインバウンド外食市場の消費実態」にまとめた。
この調査では、FF(ファストフード)、FR(ファミリーレストラン)、コーヒーショップ・喫茶店・コーヒー専門店、居酒屋、専門料理店、その他の6業態別にインバウンド外食市場の現状を明らかにし、将来を展望した。
◆調査結果の概要
■インバウンド外食市場
新型コロナウイルス感染症の流行が収束に向かう中で、市場は大きく拡大している。新型コロナ流行前の2019年まで増えていた訪日外国人はコロナ禍で大幅に減少し、市場も大きく縮小した。しかし、2022年10月から新型コロナの水際対策が緩和されたことで、ビザなしでの個人旅行も可能となり、訪日外国人は増加している。
2024年は、新型コロナ流行前の2019年や2023年と比べて、全ての業態で伸長している。特に、FFやコーヒーショップ・喫茶店・コーヒー専門店、専門料理店が大きく伸びている。円安も背景に訪日外国人が伸長しており、新型コロナ流行前に多かった中国や韓国、台湾、香港などのアジア圏に加え、米国や豪州からの訪日外国人も増加している。外食店も、注文時のタブレットなどにおける多言語対応や店頭のデジタルサイネージ、SNSを活用した訪日外国人需要の獲得に取り組んでおり、市場は2019年比62.3%増の1兆6,870億円が見込まれる。2025年も引き続き全ての業態で伸長が予想され、市場は拡大するとみられる。
◆注目市場
●業態別インバウンド外食市場
FFは、日本ならではの味や体験価値を求めてラーメンや牛丼、回転ずしが伸長している。また、ハンバーガーは食べ慣れたメニューであることなどから好調であり、2024年の市場は2019年比86.0%増の1,646億円が見込まれる。今後も、訪日外国人の増加に伴って市場拡大が予想される。
FRは、メニューの幅が広いことやホテルのチェックアウト後にモーニングなどで利用するケースが増えていることから総合FRが大きく伸長している。また、人手不足の影響で宿泊施設が食事の提供をやめ宿泊のみに特化するケースもみられ、その受け皿として観光地周辺の店舗やホテルに隣接する店舗が特に好調なことなどから、引き続き市場の拡大が予想される。
専門料理店は、2024年の市場は6,628億円が見込まれる。すしやてんぷら、すきやき・しゃぶしゃぶなどの食事を目的に来日するケースがみられ、日本料理業態が好調である。また、各国の料理が気軽に楽しめることも背景に市場が拡大している。円安下で単価の高いメニューも選ばれており、2025年の市場は、前年比20%以上の伸びが予想される。
◆調査対象
インバウンド外食(業態)・FF(ファストフード)
・FR(ファミリーレストラン)
・コーヒーショップ・喫茶店・コーヒー専門店
・居酒屋(居酒屋・炉端焼、ビアレストラン、ディスコ・クラブ、カフェバー・ショットバー、スナック・クラブ・パブ)
・専門料理店
・その他